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第53話 成果は…?

読んでくださりありがとうございます。


「とりあえず2人にはもう1個技能があるんだからそっちも技能解放が出来るようになればまた戦闘スタイルが変わってくるかもネ。2人とも当分はそれわ目指してみたらどうかしら。」


「そうっすね。でも2個目の技能って技能解放出来るんすかね?俺らみたいに技能のスペースを開けて技能を2つにした人って他にいるんすか?」


「…今のところまだ聞いて無いわね。私も迷ってるからね…。あ、でも凛夏って2個目の技能を技能解放したんじゃ無かったかしら?」


「…イマイチどっちの技能か分かんないんですけど、多分そうですね。《不失正鵠》は『正確』の技能解放だと。」


確かに凛夏の技能解放は正確に相手に射撃する効果であり、その射撃に防御させない効果が付随している格好である。そのため技能『正確』が技能解放されたと言って良いだろう。もっともそのインターバルの短さから『早撃』に由来する可能性も無くは無いのだが。


「そうでしょう?だから2人とももう1つの技能も技能解放させれば良いと思うわ。…言っていたら私も2個目の技能が欲しくなって来たわネ。研悟でも探してこようかしら。」


そう言ってケイトはどこかへ去って行った。研悟がそれに応じればと言う話だが、それが実現し2個目の技能に慣れたケイトは相当強いんだろうなと残された2人は思ったのであった。


「…どうする?技能解放させるために色々と試してみる?」


「…特にこれと言ってやる事はねぇなぁ。…やるか!」


陸疾と凛夏の2人は模擬戦を活用しながら2個目の技能を技能解放させるため試行錯誤を繰り返した。しかし2人の発想にも技能への慣れの問題か限界があった。特に手ごたえも掴めぬままただただ時間だけが過ぎて行ったのである。



「お、お前ら模擬戦してたのか?俺らも今から模擬戦しようと思ってよ。」


第5ブースから出てきた2人をそう出迎えたのは研悟であった。もちろんその後ろにはケイトの姿もある。つまり2人とも2つ目の技能を既に解放させたと言うことである。


「研悟さんじゃないすか。…2つ目の技能って何だったんです?」


「ん?…なんでお前俺とケイトが2つ目の技能を解放させたことを知ってるんだよ。」


「研悟、それは簡単な話よ。私がこの子たちの戦いを見て技能を解放させるために研悟を探しに行って、その2人で戻って来たんだからそう思うのは普通よ。」


「なるほどねぇ、秘密にしておくつもりだったがバレちゃしょうがないな。俺の2つ目の技能は『乱撃』だよ。ちょっと『集中』との兼ね合いが難しいかもしれねぇが、まあなんとかなるだろ。」


「私は『隠密』。…なんだか『視覚』と合わせると隠れて攻撃がメインになりそうだわ。個人的には隠れ場所がバレたらお手上げみたいで嫌なんだけどね。」


言いながら2人とも表情が楽しそうである。今まで自分の技能あり気で戦って来たのが取れる選択肢が増えたことで戦闘のバリエーションが豊富になるからであろう。研悟はもちろんケイトも技能を最大限に活用して戦うタイプであるため慣れるのは恐らく人より早いに違いない。


「そういやお前らケイトから聞いたぞ!」


先程と同じテンションで研悟は陸疾と凛夏にこう言い出した。テンションが上がっているのは伝わってくるが何が言いたいのかは全く伝わっては来ない。2人とも何の事か分からず怪訝な顔をするしか無かった。


「…何をっすか?」


「技能解放だよ。聞けばお前ら2人とも技能解放が出来るようになったんだって?」


「あぁ、そうっすよ。これって早い方なんすか?」


「普通よりは格段に早いな。少なくともケイトより遥かに早い。」


そこまで言った研悟は背中をケイトから思い切り叩かれていた。どうやらケイトは技能解放させるのに時間がかかったようだ。


「私は技能解放させる必要を感じなかったから遅かったの!させようと思った時からなら早かったはずよ?」


「…あぁ、そうだったな。すまんすまん。」


そう言って研悟はケイトに軽く手を上げた。そこまで本気で怒っている訳ではないようだが少し不満顔のケイトであった。そう言えば陸疾は研悟の技能解放は知っているがケイトの技能解放は見たことが無い。それは凛夏も同様だったのだろう。凛夏の方が先に口を開いた。


「ケイトさんの技能解放ってどんな感じなんですか?私見たことが無くって。」


「あ、そうなの?…まあケイトの場合『視覚』だけで充分強いからなぁ。ケイト、2人に言ってやれよ。」


研悟とケイトに新しく技能が追加されました。それぞれ『乱撃』と『隠密』だそうで中々戦闘の幅が広がりそうですね。

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