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第41話 さてフリーマーケットに行こうか

読んでくださりありがとうございます。

順一郎と陸疾は基地を出て徒歩で大通りへと向かっていた。フリーマーケットが行われる場所へ行く訳だが西へ3キロ先とあっててっきり車か何かで移動するものかと陸疾は思っていたが順一郎は歩いて進んで行ったので陸疾もそれに従ったのである。


「さて、そろそろ捕まえるかな。」


「…捕まえるってなんすか?」


「決まっている、タクシーだ。」


「え、タクシーで行くんすか?俺てっきり車か何かで行くのかと思ってましたよ。」


「車で行っても良いっちゃ良いんだがな。スクラップになる可能性を考えるとタクシーが妥当だ。さっき隊長さんにもらった金で払うから問題ねぇ。」


そう言うと順一郎はさっさとタクシーを呼んでしまった。呼ばれたタクシーを思うと乗るのを渋る訳にもいかず陸疾もまたタクシーに乗り込んだのであった。運転手に順一郎はとある公園名を告げた。その公園の名前は陸疾にも聞き覚えがある。


「なるほど、つまりお客さんはフリーマーケットに行かれるわけですな。あそこは面白いものがたくさんありますからね。」


「あぁ、そんなところだ。…結構有名なのかい?」


「えぇ、あなたのような若い人達は珍しいかと思いますが私くらいの年代になるとああ言うフリーマーケットは良いものでしてね。あ、そうだ。私の今着てるジャケットもそこで買ったものなんですよ。私も非番なら是非行きたかったんですが仕事なら仕方ありませんねぇ。」


運転手は言いながらとても残念そうである。陸疾はあまり関心が無かったためその公園でフリーマーケットが開催されている事を知らなかったがどうやら結構有名なようだ。それほど有名なものなら景計の言う時計を見つけるのは難しいかもしれない。そんなことを考えているとタクシーは公園近くに着いたようだ。適当な場所に停めてもらい金を払いレシートをもらってタクシーを出た。なるほど、運転手の言うことは正しいらしい。公園に入ると高齢の人たちでかなり賑わっていたのである。


「これは、…かなり人がいますね。」


「あぁ、この中から特定の物を探すのはちょっとキツイな。」


「そう言えばさっき車がスクラップになるって言ってたのはどうしてなんすか?」


「ん?そりゃディメンションズと取り合いになった場合車で逃走が不可能になるからだよ。一度二宮を乗せて隊長の依頼をした時に俺の車がスクラップになっちまった。あんなのは二度とゴメンだね。」


どうやら別の依頼をこなしている時に車が壊されたらしい。もっとも二宮永遠の技能が『爆撃』であることを考えると原因は二宮にあるんじゃないかと思わないでもなかった。


「とにかく情報を手に入れなきゃ話にならんな。…と言っても知ってる人がいる訳が、…あ!あそこにいるのはじじぃじゃねぇか。」


順一郎は見知った人を見つけたようだ。陸疾もそれに着いていくと順一郎は骨董品を並べて新聞を広げている老人のところへたどり着くなりこう言ったのだ。


「じじぃ、店はどうした。こんなところで何売ってやがる。」


「あぁ?…なんだジュンか。ワシがここで趣味の骨董品を売っても良いじゃろうが。フリーマーケットだぞここは。どれ何か買っていくか?」


老人は新聞を畳むと飄々とそう答えた。老人が顔を上げたので陸疾にもその顔がしっかりと見えた。そこでようやく陸疾もその老人が誰なのか気付いたのである。


「…あれ?…満島古書店の…?」


「いかにもワシは満島古書店店主の満島銀二じゃ。…おぉ、お前は最近うちの店に来てる顔じゃな。たまには古本や骨董品も買っていけ。来るだけじゃ商売にならん。」


銀二は本気で言ってるのかわからない口調でそう言った。特に欲しくも無いが一応買うかと財布を出した陸疾を順一郎は静止した。どうやら買う必要は無いらしい。順一郎は頭を抱えていた。


「…店には今誰がいるんだ。まさか閉めてんじゃねぇだろうな。」

満島古書店の店主が出てきました。この人は店に行っても大抵新聞を読んでいるだけなんですがフリーマーケットに来てもそれは変わらないようです。ちなみに丈や透、順一郎などガーディアンズの面々が定期的にたくさんの古書を満島古書店で買うので結構店の経営は順調だったりします。陸疾を制止したのはこうした背景があります。

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