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第27話 そもそもの始まり

読んでくださりありがとうございます。


アナウンスが聞こえ、陸疾は眩しい光に包まれた。それと同時に陸疾の右手に包まれた技能のカギが激しく光を放ちやがて1つの技能のカギへと変わっていった。形こそそれほど変わったようには思われなかったが持ち手の部分が銀色から金色へと変異していた。


「ふむ、予想通り成功したみたいだな。…だがどうなった?結構色んなことが起きていたみたいだが…。」


「そうですね…。まず技能が解放されました。『変則』だそうです。」


「私も技能が解放されました。『正確』だそうです。…それから技能のカギが統合?されました。ちょっとよく分からないですけど。」


陸疾も凛夏もそれぞれ技能が解放できたようだ。しかし解放された技能は名前だけではどういうものかが分かりづらくやや1つ目とは毛色が違いそうだ。その報告を満足そうに景計は聞いていたが隣の丈は訳が分からず困惑していた。ただテンションは上がっているのだろう先程より声のトーンが1段階上がっていた。


「待て待て。一体何が起きている?まず技能のカギ2個使いって何だ⁈僕の知ってる技能の解放の仕方じゃないぞ!…もしかして2個使った方が優れた技能になりやすいとかあるのかい?…いやそれは無いか。解放される技能は元々の潜在能力に依存するはずだよ。…カゲさんいい加減説明をしてくれ。カゲさんが言った通りとても面白いものであるらしい!」


「ふふ、良いだろう、丈にも説明しよう。今我々は世紀の瞬間を見ていると言って良い。なんて言ったって2つ目の技能の解放に成功したんだからな。」


「…2つ目?ついに2つ目の技能を解放する技能のカギが見つかったって言うのかい?それは凄い。だが僕の目にはあれは従来のものと何ら変わらない様に見えた。カゲさん…もったいぶらないで全部説明してくれよ。」


丈にとっては大層興味深いことだったのだろう目を丸くして説明をせがむその姿はまるで子供のようであった。そんな丈を落ち着かせながら景計が説明をしていた。


「…つまり技能のスペースが無かったから2個目のカギを見つけようとしても見つからない訳か。そして技能のカギは持ち主によって変異する以上2個使いで胸に突きつけたって訳だ。なるほどよく分かった。陸疾くんって言ったかい?ちょっとその持ってる技能のカギを僕に見せつけるようにしてくれよ。…あぁ、渡さなくて良い。むしろ変異しちゃうじゃないか。…統合か、まだ技能には知られてない概念があったのか。偶然の産物にしては出来過ぎた代物だな。」


「へぇ、偶然の産物なんですか。いつどこで見つかったんですか?」


丈の言葉が気になった陸疾は素直に丈に聞いてみた。すると丈はいたずらっぽく笑いながら隣の人物にわざとらしく振り返った。


「その辺の詳しい話は当事者に聞いて然るべしだね。…ねぇ、カゲさん?」


「そう言えば君たちにはまだ言ってなかったか。元々ガーディアンズは私と私の弟が作ったものなんだよ。まあ大学のサークル活動くらいに思っていてくれ。世界の不思議なものを研究していたその活動は当時の同級生だった透やミラを巻き込んで日々楽しく研究を重ねて来たのさ。」


聞き慣れない人物の登場に2人とも首を傾げた。景計に弟がいることもそうだがミラという人物は全く知らない人である。


「ミラ…とは誰でしょうか?知らない人なんですけど。」


凛夏の質問に対して景計は口をつぐんだ。代わりに丈が口を開いた。どうやらこの辺りの事情は詳しいらしい。


「ケイトは知ってるかい?ケイト・エルドリッジって言う銃を使うガーディアンズのメンバーの1人なんだけど実は3人姉妹でね。そのケイトの長姉だよ。」


「あぁ、ケイトさんの姉なんすね。でもそのお姉さんには会ったこと無いっすね。今何をしてるんです?会ってみたいな。」


陸疾のその呟きはなぜか辺りの空気が少し悪くなった。訳が分からない陸疾に景計はにこりと微笑んだ。


「ミラはね亡くなったんだよ。だから君たちに会うことは出来ない。…順を追って説明しよう。ある日私が偶然落とした自動車の鍵をミラが拾い上げた時技能のカギの存在が分かったのさ。当時私たちはそれに随分と興奮して程なくして全員分手に入れた。もちろんその場で技能を解放し技能が暴走することも無くそれぞれがそれぞれの技能を手に入れたのさ。」




ミラ・エルドリッジ

技能:敏捷 武器:短弓

ガーディアンズ初期メンバーの一人。すでに亡くなっている。

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