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第16話 思い出しましたか?

読んでくださりありがとうございます。


「って言うか研悟さん技能って2つ持てるんすか?」


「あぁ、…方法が無いわけじゃない。」


「へぇ⁉︎…こういうのは1人1個までって勝手に思ってました。」


「まあ大体の人は1人1個だよ。…って言うかそもそも1個目が既に限られてるって感じだな。お前らってやっぱり地面に落ちると同時に鍵を拾った方法で手に入れたんだろ?」


…方法も何もそれしか知らなんだけど。…凛夏もそうだよな。


「…まあそうっすね。たまたまそうなったんですよ。結構びっくりしたんですよ。いきなりどっかから声が聞こえたんで。」


「私もだよ。陸疾にしちゃ高い声だと思った。」


「おい、俺なわけないだろうがよ。」


「はは、…まあたまたまが大体だろうな。俺は元々丈さんの後輩でな。」


丈さんって誰だっけ…?…あ、梔子を研悟さんにあげた人か。


「丈さんから面白いものがあるって言って見せられたのが技能のカギだ。…俺は自分のそれが欲しくてね。丈さんから教えてもらった方法を再現しようと躍起になったもんだ。…確か一週間くらいかかったかな。」


そう言う研悟は中々感慨深そうである。つまり研悟は先輩である丈を追って技能のカギを自らの手で手に入れたと言うわけである。


「へぇ…。あれ?カギを手に入れた時ディメンションズは来なかったんですか?」


「あぁ…、その時には既に俺はガーディアンズに在籍済みだったからな。基地の中でカギを手に入れてそのままその場で使ったよ。その時は嬉しくて仕方なかったもんよ。…あぁ、そんで2個目のカギの入手方法だな。これは未だに分かってない。もしかするとディメンションズの奴らは既に見つけてるかもしれないがな。…ちなみに他人が解放した技能のカギでも技能が解放出来る事が現在分かっている。」


「だから技能のカギをガーディアンズに渡すって言う選択肢があったんですね。」


「そう言うことだ。この基地のどこかに寄付された技能のカギが保管されてるって言うのも俺は聞いたことがある。どこかは微塵も知らんがな。」


…へぇ、それじゃあまずこの基地の場所をそもそも隠してる訳だけど、場所がバレればディメンションズに好き勝手荒らされることもあり得る訳だな。


「ま、なにかあったらお前らにも話が行くだろうよ。それじゃあさっそく模擬戦といきますか。」


「模擬戦…?」


模擬戦と聞き凛夏は首を傾げていた。その様子は陸疾が研悟から模擬戦のことを聞いた時とそっくりであった。先程から陸疾と凛夏の反応はかなり似通うことが多いようである。


「相変わらず反応が陸疾と同じで面白いな。今の時間だとケイトがいるだろうから丁度良いタイミングだろう。ついて来い、案内してやるよ。」


そう言いながら研悟は模擬戦の会場へ向かって歩き始めた。模擬戦について何も言わずにただついて来いという研悟に凛夏はやや困惑していた。陸疾の方はどこへ行くか一応知っているため特に何も思っていなかった。その様子を見て凛夏は陸疾も何か知っていると考えたのだろう、すぐに陸疾に問いかけた。


「…ねぇ、ケイトって誰?」


「ケイトさんは腕の良い銃使いだよ。多分凛夏の技能的に銃を使いそうだから参考になるんじゃね?」


「ふぅん、そう。…おもしろい人だと良いけど。」


一体どんな人物と想像しているのか陸疾には分からなかったが凛夏は含み笑いをしているかの表情で研悟について行ったのであった。しかし模擬戦会場へ向かった陸疾たちは結果としてケイトに会うことは無かった。


「ここで模擬戦ってのをやるんですか?結構凄い会場なんですね。」


陸疾は一度来たことがあるが凛夏は初めて来たためその驚きは相当なものである。


「そうだろうそうだろう。うちの自慢の設備の一つだからな。ここで大抵誰かしらが模擬戦をして自分の技能に磨きをかけてるんだよ。」


そう言いながら研悟はケイトを探すために近くのブースを一通り確認して回って行ったのである。こんなものなのかもしれないが昨日来た時より人数がちょっと少ないような気が陸疾にはしていた。そんなことを考えていると首を傾げながら研悟が2人の所へ戻ってきた。


「…あれ?ケイトはいないみてぇだな。珍しい。あいつがこの時間にここにいないなんてな。なんかあったっけ?ちょっとその辺の人に聞いてくるわ。」


一通り探した研悟はケイトが模擬戦会場にいないことに気づき近くの職員に聞いてくるようだ。その職員は2人にも近かったのですぐに研悟に返された返答を2人とも聞き取ることが出来たのである。


「ケイトさんは今会議室にいるはずです。3時から会議が始まると言っておられたので。…確かその会議のメンバーに伊狩さんもいたような気がするのですが…。」


そう言われた研悟は記憶を探しているような表情をしていた。まさかそんな大事そうな用事を忘れている事は無いだろうと陸疾は思っていた。…が、研悟の顔色は徐々に曇っていった。


「…陸疾、俺はよ。まだ時計を見ちゃいないんだよ。だから今何時かさっぱり分からんが…、今何時だ?まさか3時過ぎているなんてことないよな。」


言われて陸疾は携帯のホーム画面で時刻を確認したのである。15:07と書かれているのが隣で画面を覗きこんで来た凛夏にも分かり凛夏は思わず吹き出しそうであった。その時点で伝わってそうなので研悟にそのまま画面を見せる事にした。研悟がガックリ肩を落としたのは言うまでもない。



遅刻確定ですね、はい。これは気づいた瞬間が一番きついんですよ。そういうことはなるべく防いでおきたいものです。

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