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第103話 技能のカギが世界を開いたなら

読んでくださりありがとうございます。


「…これは?」


「これは私の技能である『移送』を使って作った扉だ。これを通れば直通で皇帝の居場所まで行くことが出来る。」


得意気にクロマがそれに答えた。なるほど、この技能によってこの世界にパラドクスはやって来たらしいと言うことが陸疾には分かった。そして同時にその扉を通ればすぐに皇帝と言われる人物のところへ行くことも分かった。


「皇帝はこの扉の先でオリハルコンを手に入れようと躍起になっているはずだ。なんとしてもオリハルコンを手に入れて技能成熟まで行き着くまでに皇帝を止めたい。」


「…陸疾、無理してないか?」


「大丈夫っすよ。覚悟はしてるんで、…俺に任せてください。」


そうして陸疾は扉に手をかけようとした。その時凛夏が叫んだ。


「陸疾!…帰ってこいよ。…必ず。」


「おう、任せとけ。」


今度こそ陸疾は扉に手をかけた。何の抵抗も無く開いた扉の先に陸疾は歩いて行った。この世界と千年後の未来を守るための一歩が今踏み出されたのであった。


陸疾が降り立ったのは場所にして先程までいた場所から北に3キロほど離れた所であった。後ろを振り向くとブラックホールのようになっており、パラドクスが最初に現れた時を陸疾は思い出していた。辺りを見渡したがそれらしき人物が見当たらないことを不思議に思っていたがやがて痛々しいほどの装飾品に身を包んだ人物がゆっくりと近づいて来た。恐らくこの人物が皇帝なのだろう。


「…ん?貴様は誰だね?我はこの場所に用があるのだよ。邪魔になるからどこかへ行ってくれ。」


「この場所にですか?なら用があるのは、…オリハルコンですか?」


陸疾のその言葉にガレア4世は少し表情を変えた。その様子から陸疾は目の前のこの人物こそ皇帝であると確信し、設定された装備を装着したのだ。その様子を見ていたガレア4世は何か面白いものを見つけた時に浮かべる表情をしていた。


「ほう、オリハルコンを知っていると。この世界にそれを知る者はいないはず。それにその装備、先程見た現代の解放者のものに似ておる。…ならば貴様は我を皇帝ガレア4世だと知って尚、我の邪魔をしに正面からやって来たと言う訳だな。ふはは…、面白い。…精々我を楽しませるんだな。―技能解放―《帝王ノ一撃》」


いきなりガレア4世は技能解放である《帝王ノ一撃》を発動させると距離を詰めて陸疾を殴りつけた。その威力は凄まじく陸疾はあえなく近くの土壁に打ち付けられた。装備が衝撃を吸収しているとはいえすべてを軽減してくれる訳では無い。確実にダメージは陸疾に入っていた。


「《帝王ノ一撃》はたった一度の拳に全力を注ぐ我好みの技能解放である。無論技能開花はさらにそれを強化したものになる。さて貴様はオリハルコンを知っていたな?ならそれで得られる効果も知っているはずだ。」


「技能成熟に到達出来る…でしたっけ?」


「やはり知っているな。それに《帝王ノ一撃》を食らってなお我を止めに来ているのだろう?だが所詮は現代の人間、千年後の未来でさえ我を脅かすものは居なかったのだ。我を止めたければ精々あがくと良いさ。」


陸疾は何ともないかのように振る舞ってはいるが、皇帝と言うだけあって《帝王ノ一撃》の威力はかなり強烈で英永が装備を整えてくれていなかったら一撃でノックアウトされていたかもしれなかった。そして未だ技能解放である事から、あまり考えたくは無いが技能開花はもちろん技能成熟にまで行き着けば勝つ可能性がほぼ皆無になることはその一撃でありありと感じられた。故に陸疾は相手の出方を見ると言った余裕は無かった。最初から全力である。


「先手必勝!―技能開花―《空歩ノ理・鋭刺突》」


「ほう…空中戦とは面白いな。」


陸疾は思い切り攻撃のスピードを上げながらも確実に当てるために2回の空中での助走と3回の方向転換を駆使してガレア4世の後ろを取ったのである。後ろに目でも無い限りは何らかのダメージがこれで与えられるはずであった。


「だが遅いな。我にダメージを与えられはせんよ。」


突撃を仕掛けようとした陸疾の槍をガレア4世は右手で掴んだ。完全に後ろを取ったはずなのに槍をどこに突き立てようとしているのかを全て知っているかのような無駄のない動きでそれは行われた。


「技能開花でそれか…。あまりに遅いな、それに力が無さすぎる。我は片手で貴様の槍を持っているのだぞ?…まあ良いか。貴様に良いことを教えてやろう。確実にカウンターを当てるにはどうするか。簡単だ、相手の攻撃をその直前で防いでやれば良い。そうすれば相手に余裕を持ってカウンターを仕掛ける事が出来る。…こんな風にな。―技能解放―《帝王ノ一撃》」


右手に掴んでいた槍を手放すとガレア4世は《帝王ノ一撃》を再び発動させた。今度は左手による攻撃であるために近くの壁に打ち付けられる事は無かったがそれでも中々のダメージが陸疾を襲った。


「不思議そうな顔をしているな?我の2つ目の技能である『視覚』によって我は少しばかし目が良くてな。貴様の動きが止まって見えるほどに遅く見えるのだよ。たとえ視界から外れようとも目で追いかけるのは容易いことだ。」


ガレア4世がギールの技能開花を容易く止めて見せたのも『視覚』によるものです。つまり陸疾がガレア4世に勝つには陸疾が出せる最大の攻撃を『視覚』によって対処されないように直撃させなければならない訳ですね。

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