一般人の周り、神様が増える。
アスちゃんに突然、結婚の事を言われて驚いて固まってしまった・・。
「え、えっと・・・」
「結婚!するんでしょ?」
「あ、は、はい・・・」
「じゃあ、準備しとかないとだよね〜」
え、そんなあっさりな感じなの???
だってクロさんの事、好きなんじゃないの??私はポカーンとアスちゃんを見ると、アスちゃんは大げさにため息をついて、私を見る。
「いい女はね〜、いつまでも引きずらないのよ!」
「あ、そうなんですね」
すごい、強い・・、スミさんの化身ゆえ??
トト君とリリ君は、私とアスちゃんを交互に見てから・・
「「たえさん、結婚しちゃうんですか!?」」
「猫と鳥、うるさーい!あったり前でしょ?クロだよ?あんた達、まだ神力全然ないじゃない!」
トト君とリリ君が、うっと言葉が詰まる。
アスちゃんは、気にせず私を見て話し出す。
「どーせクロの事だから、何にも考えずにとりあえず約束して修業に行ったんでしょ?準備があるってのに〜。ま、スミ様に相談しておいてあげるわ」
「あ、ありがとうございます・・・」
「猫と鳥も、スミ様からの指示に従いなさいよー」
トト君とリリ君は、アスちゃんをジト目で見ているけれど、アスちゃんは何も気にしない・・・。強い。トト君は、そっと私の手を握って、
「いつでも僕、待ってます!」
「あ、トト君ずるい!!」
「猫!鳥!!いい加減にしないと、クロに言いつけるよ!!」
アスちゃんの一喝で二人は、静かに離れると、アスちゃんはうーーんと腕を組んで考えて・・
「決めた!あたしもクロが帰ってくるまで、水神殿にいるわ!」
「「いなくていい!!」」
「猫と鳥が危険だからでしょ!!クロとノアルに言いつけるからね!!」
アスちゃんが強い・・。そして頼もしい・・。アスちゃんは私を見ると、ちょっと背が私より低いのに頭を撫でてくれた。
「大丈夫!!あんたは私が守る!」
「あ、ありがとうございます・・・?」
アスちゃんの庇護欲がどこで刺激されたのか分からないけれど、一緒にいてくれる事になって楽しそうだ。トト君とリリ君は、文句を言ってたけど・・ちょっと嬉しいな。
ワイワイと騒ぎつつ、神殿へ戻って夕食を食べ終えると、またもすでにクタクタだ・・。
急いでお風呂に入って、今日は寝ないぞ!!
と、ベッドに乗り上げて、バッグから花の栞を出す。
一回深呼吸してから、花の栞に話しかける。
「・・く、クロさん・・・?」
『・・・・・おぅ』
いつもの返事にホッとして、そのまま話しかける。
「昨日・・寝ちゃってすみません!!・・あの、今日もお疲れ様です。修業って大変なんですか?トト君たちが話してました」
『・・ああ、まあな』
「眠くなったら言ってくださいね?・・まぁ、私が昨日寝ちゃいましたけど・・」
そういうと、花の栞の向こうで小さく笑う声が聞こえる・・。
うう、すみません・・。
『今日、なんかあったか?』
「あ、アスちゃんが来て、こっちにクロさんが帰るまで泊まる事になりました!」
『・・あぁ?!』
花の栞越しに、ギロっと睨まれた気分になる・・・。
「あの・・・、結婚式の準備してくれるみたいです・・・・」
『・・・・・』
一瞬の無言。
ええと、クロさん・・?
花の栞から、ちょっとため息が聞こえる。
「クロさん・・?」
『・・・・・・会いたい』
いきなりのクロさんの発言に、赤くなる。でも残念ながら、まだ2日です・・。
「・・・修業、頑張って下さい・・、ええと・・・その、待ってますから・・」
言ったぞ!!勇気を出して言ったぞ!!
クロさんが、また無言になる。お、おやぁ・・・?寝ちゃった?寝ちゃったのかな??
「クロさん・・?寝ちゃいました?疲れたら・・また明日」
『大丈夫だ・・』
食い気味に返事された・・。
小さく、ため息聞こえたけど・・大丈夫かな??
クロさんと頑張って話していたけど、結局私は寝落ちしてしまった・・。あの、低い声・・聞いてると寝ちゃうのかな?
結局、朝慌てて起きる私なのであった・・。




