神様の留守中も大騒ぎ。
アスちゃんも交えて昼食をとると、物凄く賑やかになった。
「そっちのお肉取って〜」
「自分で取りなさい!」
と、言いつつトト君がお肉のお皿を渡し、アスちゃんは気にせず受け取ると食べ出す。トト君がブツブツ言いながらご飯を食べるし、リリ君は、気にも止めず私に違うおかずを勧めてくれるので受け取った。女子が加わるとパワーが凄いなぁ〜・・。
アスちゃんは、もぐもぐ食べつつ、
「午後、外神殿行くんだって?」
「あ、うん・・、トト君とリリ君と、花の冠と香草油を売りに行きがてら、ちょっと周辺を見てみたいなぁ・・って、アスちゃんも行く?」
トト君が、思いっきり嫌そうな顔をするけどアスちゃんは気にしないようだ。ニンマリ笑って、行く!!と返事する。
「だけど、二人とも子供じゃまずいでしょ?ちゃんと大きくなっときなさいよ」
「・・・大きく?」
トト君とリリ君を見ると、にっこり笑って・・
「外へ出た時のお楽しみです!」
「ねー!」
と、二人で顔を見合わせて笑うから・・可愛い!アスちゃんは、じとっと二人を見ているけど・・。
片付けをしてから、籠に花の冠と、香草油の小瓶を入れると三人は部屋の前で待っていてくれた。あ、可愛い・・このちびっ子の待っている感じ、すっごく可愛い!!一人でキュンキュンしてしまう。
トト君が、籠を持ってくれてリリ君が手を繋いでくれるという、なんか・・こんなお嬢様みたいな扱い・・良いのだろうか・・。アスちゃんは、「かー!!どんだけ甘やかしんのよ!」と話してるけど。す、すみません・・。
外神殿へ出るために、水神殿の間から扉へ出ると・・トト君と、リリ君は淡い光に包まれる。
「え??ええ??」
二人を交互に見ると、ググッと背が伸びる。え、伸びる??!
あっという間に私の背丈を越し、二人は同じくらいの背の高さになる・・。お、大きい・・上を見上げてしまう。アスちゃんは、二人を見て、
「そんくらいの大きさならいいんじゃない?十分大人に見えるし」
と、面白そうに笑って見る。
私は顔を見上げると、トト君は薄い茶色の髪をちょっと横に流して、すっかり大人な青年になっているし、リリ君は白髪なのに若いので、ミステリアスな雰囲気の青年になっている。
「え、えええええ???!!!お、大人になれるの???」
「「はい!!」」
同時に返事をし、にっこり笑う所は変わってないけど、あまりの美青年っぷりに焦ってしまう。アスちゃんは私の様子が面白いのか、リリ君から私の手を取って、アスちゃんは私と手を繋ぐ。
「ほら、あんた達お姫様をちゃんとエスコートしなさいよ!」
トト君とリリ君は、声を揃えて
「「言われなくても!」」
「「あと、たえさんと手を繋ぐのは、僕達!!」」
と、言うので・・シンクロ率は100パーセントだと思うけど、照れ臭いのでアスちゃんと手を繋ぎたいな・・。ちょっとアスちゃんの後ろに隠れるようにすると、二人は残念そうな顔をするし、アスちゃんは得意顔である。
「ほら、あんた行くわよ!」
「あ、はい」
アスちゃんは、私と手を繋いで階段をズンズン降りていくので、二人は慌てて付いてくる。
・・・・だ、大丈夫かな・・ちょっと心配だけど、四人なら大丈夫か。
いや、年齢的には私が一番上だし、頑張ろう!!
そう思って、扉まだ降りていくと、トト君が開けてくれた。・・・大きくても、小さくてもクロさんに仕えるトト君もジェントルマンだなぁ・・。お礼を言うと、爽やかな笑みで返してくれた。
そうして、久々に来た外神殿は変わらず賑わっていて、お花の冠を売ってくれるおばあちゃんのお店を早速紹介してもらった。おばあちゃんは、後ろの見目麗しい三人に驚いていた。そうだよね・・わかるよ。お花の冠と香草油を渡すと、とても喜んでくれた。
商品を売るお店の場所も覚えたし・・、周囲のお店を見て回ろうかと思っていると、トト君とリリ君は私を見て、
「「さ!たえさん!!じゃあ、デートしましょう!!」」
にっこりいい顔で言うんだけど・・・、アスちゃん・・これは、そういう流れだったかな?と、思って顔をみると、アスちゃんは、思いっきり顔をしかめて二人を見ていた。
・・・わ、私はどうすれば???




