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一般人、留守番。


翌朝、目を開けて慌てて起きる。


寝落ちしちゃった??!し、しまったー!!枕元の花の栞を見て、謝ろうと思ったけど、・・夜ならって言ってたから・・、いまはやめておいた方がいいよね。うう、反省・・。小さく、寝ちゃってすみませんって呟いてバッグにしまった。


「・・・・今日の夜、謝っておこう・・」


そう呟いてから、顔を洗って着替える。

サンルームへ行くとトト君とリリ君は、もう起きていて朝食を用意していた。


「おはよう〜!ごめんね、遅くなっちゃった・・」

「大丈夫ですよ〜。僕らが張り切ってるだけです!!」


トト君がそう言って笑うと、リリ君が隣でうんうんと頷く。うう、ありがとうございます・・。三人で朝食を食べつつ、今日の予定を話す。二人は、穢れを清めるお仕事を午前中して、午後は一緒に外神殿へ行こうと提案してくれた。


「クロ様に、二人が一緒ならって言って頂けたんです!」

「そうなの?昨日、言ってなかったのに・・」


「「・・昨日?」」


トト君と、リリ君が同時に聞くので、とりあえず誤魔化した・・。なんというか、バレるとニヤニヤされそうだし。


私は二人がお仕事中は、庭園で花の冠を作って用意しておく事にして、片付けをするとそれぞれ別れて行動することにした。


「今日もいい天気だな〜・・・」


空は綺麗に澄んでいて、綺麗だ。

一ヶ月なんてあっという間なんだろうな・・・。

クロさん帰ってきたら、結婚・・するの?


え、ちょっと待って・・・結婚するの???


私が?


途端に顔が赤くなるけど、ど、どうしたらいいんだろう・・・、ええ、本当に?実感が湧かない上に、どんな顔をすればいいんだろう。何かしておいた方がいいのだろうか・・、頭がグルグルするけど、とりあえず外神殿に売りに行くので、花の冠は作る。


クロさんなんて修業中なのに、冷静になれているんだろうか・・、私・・こんなに混乱してるけど。


いや、あまり混乱してるクロさん、想像できないな・・。

そう思ったら、自分も少し冷静になれた。


と、空を見るとチカチカと光るものが見えた。

あれ?今日、穢れを清めるって言ってたけど・・、神様が来たのかな?そう思っていると、光の塊は私の前に降りてきた。


「・・・え??」


光の塊はパッと弾けると、アスちゃんがちょっと照れ臭そうに立っていた。


「アスちゃん!!」


思わず立ち上がって駆け寄った。


「こんにちは、元気だった?リリ君とトト君は、今お仕事中なんだけど・・」

「知ってる。あんた一人だと寂しいだろうからって、スミ様が寄越したの」


スミさん・・、みんな優しいなぁ・・そう思って嬉しくなる。アスちゃんも、あんまりいい気持ちがしないだろうに来てくれて嬉しいな・・。


「ありがとうアスちゃん、スミさんにもお礼を伝えてね。あ、お茶飲む?お菓子食べる?」

「・・・・あんた、花の冠作ってたじゃん、いいから仕事しなよ」


ぶっきらぼうに言うと、アスちゃんは花畑にどっかり座って、花を摘んで私に渡してくれた。・・え、可愛い。妹がいたら、こんな感じなのかな・・。


「・・・ありがとう、アスちゃん」

「べっつに〜」


ちょっと照れ臭そうに花を選んで渡してくるアスちゃんに和みながら花の冠を作る。


「そういえば、スミさんは大神様の魂持っているけど・・体とか大丈夫なの?」

「ま〜、スミ様だしね。どっかで魔が入り込んじゃったのかもしれないから、それを取り除く事が必要なんだけど、それをクロができるように修業に行ったんでしょ?」


そうだったんだ・・・、説明がないので初めて知りました・・。


「そ、そうだったんだ・・。神様の中に魔が入る事ってあるんだ」



神様でも悪い気持ちが入っちゃう時があるって事かな・・。

神様の世界・・、まだまだわからない事だらけだ。

ちなみに仕事を終えたトト君が、アスちゃんを見た途端に、尻尾がブワッと広がった・・。仲良くしようね・・。




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