神様、ご満悦。
私は、大分疲れていたらしい・・・。
目が覚めたらお昼だった・・。
どんだけ爆睡しちゃったんだ・・、時計を見て慌てて起き上がった。
「ええ〜〜、起こしてくれて良かったのに!」
急いで身支度して、サンルームへ行くとハンモックにクロさんが揺られて寝てた・・。あ、クロさんも寝てた・・。そっと側へ行くと、クロさんはスゥスゥと寝息を立てている。
「・・気持ち良さそう・・・」
いいなぁ、ハンモックで私も今度寝てみようかな・・。
ととっと、足音が聞こえて振り返ると、トト君がこちらに手を振って、静かに歩いてきた。クロさんを起こさないように、そっと離れて、トト君に小声で話しかける。
「ごめんね・・、すっごい朝寝坊しちゃった・・」
「大丈夫ですよ〜、クロ様も二度寝中ですし・・」
「あ、じゃあ一度起きたの?」
「・・内緒ですよ?たえさんの寝顔を確認するために、一度早起きしたんです」
「なっ・・・」
トト君が、ノアルさんのように小さくウインクして笑った。
・・クロさん、心配してくれたんだ・・・。
なんだか心配してくれる気持ちと、見にきてくれた気持ちが照れ臭いのに、すごく嬉しくて・・。
ちらっとクロさんを見に行くと、気持ち良さそうに寝ているから、そろっと近付いて頭をクロさんみたく撫でてみた。あ、髪がサラサラだ!!前髪だけでも、フワリとした撫で心地で気持ちがいい。
耳も触ってみたいけど・・、怒られても嫌だしなぁ・・と思って、やめておいた。
そっと手を離すと、クロさんが目を開けた。
「え?!起きてたんですか?」
「・・・そりゃ、撫でられたら・・」
クロさんは面白そうに私を見るので、私は思いっきり距離を取った。トト君が、両腕を開いて、
「こちらへどうぞ〜!」
と、言うので遠慮なくぎゅっと抱きしめると、クロさんが後ろから「トト!」と、注意してた。でも、怖いので私は、そのままトト君に抱きついたまんまだ。
クロさんは、はぁっとため息をつくと、ハンモックから出てくるとテーブルにある椅子に座った。
「・・・とりあえず、飯にするぞ」
「あ、はい・・」
トト君は、ちょっと残念そうな顔をしつつ、準備に行ったので私はクロさんの向かいの席に座った。クロさんは、じろっと私を見るので、ビクッと体が跳ねる。
す、好きなんだけど、目が怖いんです・・。
クロさんは、そんな私の様子を見て、ちょっと目を逸らしてから・・・
「悪ぃ・・・」
そう言うと、クロさんは頭をガシガシとかきつつ、立ち上がって私の前に来ると、尻尾で手首を掴んで立たせる。
「クロさん?」
クロさんを見上げると、クロさんが抱きしめてきた。
あ、クロさんも抱きつきたかった・・・とか?
そう思ったら、顔がじわじわと赤くなってきた・・、いいんでしょうか、もうお昼ですけど。
そろっと、手を回してキュッと掴むとクロさんは、私の肩口に顔を寄せる。
「・・・たえ」
「は、い・・・」
返事をすると、首筋にキスされるからびっくりして、クロさんを見ると、そのままキスされた!
びっくりして、体を離そうとするけどびくともしない!筋肉!!
「な、な・・・・」
「顔、真っ赤」
「あ、当たり前です・・!!!」
二人だと甘くなるの・・・忘れてた!!
トト君が、もう来るというのに・・こんなに真っ赤にさせていいのか?神様が??じとっとクロさんを見て、
「・・・神様に言いつけます・・」
そういうと、クロさんは可笑しそうに笑って、もう一度そっと抱きしめてから離してくれた。良かった・・。
結局、真っ赤な顔で昼食を一緒に食べたけど・・、うっかり近付かないようにしないといけないと思った・・・。クロさんが食事の時、私を見る目が甘くて・・、味がろくにわからなかったから・・。




