神様とお祭り再び。3
クロさんの顔がそっと離れて、真っ赤な私が出来上がりました。
「・・・・顔、真っ赤・・」
クロさんにそう言われて私は、恥ずかしさのあまり俯く。
いや、だって・・好きって言っちゃったし!!!恥ずかしいし!!!コップをぎゅうぎゅうに握っちゃうし!!!
クロさんが横で可笑しそうに笑う。
「・・・な、何ですか・・・?」
「可愛いな」
「な、なな・・・・!!!!」
本当に殺しに掛かってる!!!
無理、無理、無理!!思わず、クロさんと反対の方向を思いっきり見る。だって視界に入れたら恥ずかしいし!!そう思って違う方向を見ると、クロさんは私のうなじをそっと指で触るので、ビクッと体が跳ねた。
「く、クロさん!!」
振り返って、止めようとするとクロさんはニヤニヤ笑って私を見る。うう、この甘い空気が増量しました!っていうの・・どうにかしませんかね・・。
「・・・・もうちょっと、ティナさんとノアルさんにお土産・・買いましょう?」
ちょっと・・、この状況を変えたくて・・、じとっとクロさんを見ると私の頭をわしゃわしゃ撫でる。ち、力が強い!目が回りそうになると、クロさんは手を離しゆっくり立ち上がったので、私はホッとして席を立つ。
あ、ゴミ箱どこかな・・、コップ片付けよう・・。
周囲を見て、ゴミ箱らしきものがあったので行こうとすると、腕に尻尾が絡みついてきた。
「・・・一人で行くな」
クロさんが、じろっと見た。あ、はい。
手を繋ぐとクロさんと一緒にゴミを捨ててから、違うお店を見に歩いて行く。
そっと横を見上げるとクロさんは、大変機嫌が良さそうだ・・。そっか・・機嫌がいいのか・・うん、照れるな!!!
繋いでいる手が熱くて、溶けちゃうかもしれないと思った・・。
何とか気力を振り絞って、いくつか美味しそうな物を無事手に入れて、一旦神殿に戻ろうかと話をしていると、
「クローーー!!!」
あれ・・、この声?
振り返ると、星の化身の・・ええと、アスちゃんだ!隣に銀髪の長い髪をした綺麗な女性もいた。
「・・・・アス・・」
クロさんがげんなりした顔をしていたが、アスちゃんは気にせずクロさんの空いた腕に飛びついて、私を睨む。あ、なんかすみません・・・。
「アス!クロ様から離れなさい!!」
「やだ〜〜!!!」
「もう・・、ごめんなさいねぇ・・、あとでぶん殴っておくわ」
ものすごい大人しそうな銀髪の女性から出たとは思えない言葉に思わずびっくりして見てしまうと、美人な女性はにっこり笑って・・、
「月の神のスミと申します。先日はうちのアスが迷惑をかけてしまって・・、ごめんなさいねぇ」
おっとりした口調で、ものっすごい拳骨をアスちゃんの頭にかましていて・・、ギャップがすごい。あ、金平糖に似たお菓子をくれた人か・・!
「い、いえいえ・・、あの星のお菓子・・可愛くて美味しかったです。ありがとうございます」
「あらぁ〜〜〜、なんて可愛いの〜〜、いい子なの〜」
そう言って、頭をナデナデされた・・。
美人さんに頭を撫でられるって・・、照れちゃうな。
私が照れた顔をすると、クロさんはじろっと睨む。ええ?何かしました??
「・・・スミ、たえに触るな。あと、こっちをどうにかしろ」
「そうだったわね〜、ほらアス離れるのよ〜」
「ヤダヤダヤダ!!!」
「仕方ないわね〜」
反対の腕にくっ付いているアスちゃんをクロさんが前に出すと、スミさんはあらあら〜と言いながら、アスちゃんの体をべりっと剥がす。・・・・強い、個性が強い!!!この世界の神様は、なんでこうも個性が強いのだ。
驚いてスミさんを見ると、すっごく綺麗な顔で美しい微笑みを浮かべた。




