一般人お料理する。
クロさんは、ひとまず機嫌よくお仕事へ行ってくれた・・。
よ、良かった・・。
トト君はお皿を片付けてそのまま姿が見当たらない・・。庭園へ出て、どこかな・・と探すと、ククがやって来た。
「クク、トト君知らない?」
ククならわかるかな・・そう思って聞いてみると、じっと私を見てから歩き始めたので、ついて行ってみる。そうすると、庭園の奥へ入っていく。
あ、こっちにいるのかな?
「トト君、いる〜〜?」
ちょっと声を出して探してみると、茂みの向こうでガサガサと音がした。
「はいはい、たえさんどうしました〜?」
シャベル持ってる・・。何か植えてたのかな?
「お仕事中にごめんね、あのちょっと相談したいことがあって・・」
そう言って、ハッとした。待って・・ククが聞いちゃったら、意味なくない?クロさん聞いちゃってるかも??私はククをまず抱っこして、耳を塞ぐように持ってからトト君をちょっと手招きした。
トト君がそばに来てくれたので、小声で耳のそばで、
「あのね・・クロさんにお世話になってるから、お料理・・何か作れたら作ってみたいんだけど・・・、トト君好みって知ってるかな?というか・・教えてもらえると嬉しいんだけど・・、時間、大丈夫?」
トト君は私の言葉を聞いて、目をキラキラさせて私を見る。
「たえさん〜〜〜〜!!!!」
「あ、あのクロさんに、ひ、秘密で!!うまくできるか分からないし!!」
「もちろんです!じゃあ今作りましょう!今すぐ!!」
鼻息荒いトト君・・。
クロさん大好きなんだなぁっ・・。そんな様子が可愛くて和む・・。
トト君は急いでシャベルを片付けると、私をサンルームがある部屋へ連れて行く。
「そっちに調理場あるの?」
「はい、こっちにもございます!」
すごいなぁ・・、神殿って本当に大きいんだなぁ・・。
ちなみにまだククに聞かれたくないので、抱っこして耳は塞いだままだ。ちらっとククを見ると、ちょっと憮然とした顔をしている気が・・・する???
調理場の入り口に着くと、一瞬迷ったけれどククをそっと床に置く。
そしてククの前にしゃがんで、話しかけてみる。
「えーと、クク・・ごめんね?ちょっとここで待っててくれる?終わったら、出てくるから・・」
ククは、じっと私を見る。
うーん、クロさんとどれだけ繋がってるかわからないし・・内緒にしたいしなぁ。
「ごめんね・・、クク〜〜。大好きだからちょっと待っててね」
そういって、わしゃわしゃ頭を撫でるとククは、少しじっと私を見てからサンルームのハンモックの所まで歩いて行くと、飛び乗って寝てしまった。よ、良かった・・・。
私は調理場へ入って扉を閉めた。
振り返ると、材料を用意して準備万端!!のトト君が立っていた。おお、頼もしい!
「トト君、すみませんけど・・お願いいたします!あの・・全くの料理初心者ですけど・・」
「大丈夫です!!僕が全力で手伝います!!」
「頼もしいしかない・・!ありがとうございます!!」
そういって、早速料理を教えてもらった。
喜んでもらえるといいなぁと思いながら、二人での調理タイムはなかなか楽しかった。料理も一緒にやると楽しいなぁ。そう思っていると、トト君もそう思ったらしくて、
「また一緒に作りたいです」
「もちろん〜!私もお願いしたいと思ってた!」
二人で笑い合って、結構な品数を作った。
やった・・!料理、家庭科でしかあまり作る機会なかったけど出来たよ!トト君の手際がすごくいいのも大きかったけど・・。お片付けは任せてください・・。
そうして、あとでお昼に出しましょう〜と、トト君と約束して、調理場の扉の前で別れて、予定通り花の冠を空いた時間で作ろうと庭園へ向かおうと思って、ハンモックにいたククに声をかけた。
起きたククの目がじとっと睨んでいる気がするけど・・。
ええと、クロさん・・見てた???




