表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/112

一般人お料理する。


クロさんは、ひとまず機嫌よくお仕事へ行ってくれた・・。

よ、良かった・・。


トト君はお皿を片付けてそのまま姿が見当たらない・・。庭園へ出て、どこかな・・と探すと、ククがやって来た。


「クク、トト君知らない?」


ククならわかるかな・・そう思って聞いてみると、じっと私を見てから歩き始めたので、ついて行ってみる。そうすると、庭園の奥へ入っていく。

あ、こっちにいるのかな?


「トト君、いる〜〜?」


ちょっと声を出して探してみると、茂みの向こうでガサガサと音がした。


「はいはい、たえさんどうしました〜?」


シャベル持ってる・・。何か植えてたのかな?


「お仕事中にごめんね、あのちょっと相談したいことがあって・・」


そう言って、ハッとした。待って・・ククが聞いちゃったら、意味なくない?クロさん聞いちゃってるかも??私はククをまず抱っこして、耳を塞ぐように持ってからトト君をちょっと手招きした。

トト君がそばに来てくれたので、小声で耳のそばで、



「あのね・・クロさんにお世話になってるから、お料理・・何か作れたら作ってみたいんだけど・・・、トト君好みって知ってるかな?というか・・教えてもらえると嬉しいんだけど・・、時間、大丈夫?」



トト君は私の言葉を聞いて、目をキラキラさせて私を見る。


「たえさん〜〜〜〜!!!!」

「あ、あのクロさんに、ひ、秘密で!!うまくできるか分からないし!!」

「もちろんです!じゃあ今作りましょう!今すぐ!!」


鼻息荒いトト君・・。

クロさん大好きなんだなぁっ・・。そんな様子が可愛くて和む・・。

トト君は急いでシャベルを片付けると、私をサンルームがある部屋へ連れて行く。


「そっちに調理場あるの?」

「はい、こっちにもございます!」


すごいなぁ・・、神殿って本当に大きいんだなぁ・・。


ちなみにまだククに聞かれたくないので、抱っこして耳は塞いだままだ。ちらっとククを見ると、ちょっと憮然とした顔をしている気が・・・する???



調理場の入り口に着くと、一瞬迷ったけれどククをそっと床に置く。

そしてククの前にしゃがんで、話しかけてみる。


「えーと、クク・・ごめんね?ちょっとここで待っててくれる?終わったら、出てくるから・・」


ククは、じっと私を見る。

うーん、クロさんとどれだけ繋がってるかわからないし・・内緒にしたいしなぁ。



「ごめんね・・、クク〜〜。大好きだからちょっと待っててね」



そういって、わしゃわしゃ頭を撫でるとククは、少しじっと私を見てからサンルームのハンモックの所まで歩いて行くと、飛び乗って寝てしまった。よ、良かった・・・。

私は調理場へ入って扉を閉めた。


振り返ると、材料を用意して準備万端!!のトト君が立っていた。おお、頼もしい!


「トト君、すみませんけど・・お願いいたします!あの・・全くの料理初心者ですけど・・」

「大丈夫です!!僕が全力で手伝います!!」

「頼もしいしかない・・!ありがとうございます!!」


そういって、早速料理を教えてもらった。


喜んでもらえるといいなぁと思いながら、二人での調理タイムはなかなか楽しかった。料理も一緒にやると楽しいなぁ。そう思っていると、トト君もそう思ったらしくて、


「また一緒に作りたいです」

「もちろん〜!私もお願いしたいと思ってた!」


二人で笑い合って、結構な品数を作った。

やった・・!料理、家庭科でしかあまり作る機会なかったけど出来たよ!トト君の手際がすごくいいのも大きかったけど・・。お片付けは任せてください・・。



そうして、あとでお昼に出しましょう〜と、トト君と約束して、調理場の扉の前で別れて、予定通り花の冠を空いた時間で作ろうと庭園へ向かおうと思って、ハンモックにいたククに声をかけた。



起きたククの目がじとっと睨んでいる気がするけど・・。

ええと、クロさん・・見てた???





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ