表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/112

一般人支度しました。


クロさんへの気持ちを自覚したとはいえ、ズーンと音が出るような威圧感はすごい。


・・・どうして、この人神様なのにこんなに圧があるのだろう。

神様って、柔和なイメージだったけど、こっちへ来てからことごとくイメージが壊され、破られている気がする。


朝食を一緒に食べているが、昨日は光っていた前髪はいつも通りで、

嬉しいような・・そう感じる自分にちょっと複雑だったり・・。


クロさんは私をじっと見て、


「顔、何か忙しそうだな」

「え?!何かありました??」


自分の顔を触ってみるけど、・・・特に何も違和感はない。

クロさんは小さく笑って私を見る。


・・クロさん、だいぶ笑ってくれるようになったな・・。最初はこう眉間のシワとか、圧がもっと凄かったのに・・。よかった・・ボスの表情が柔らかくなって・・と、仮にも好きな人のはずなのに私はしみじみ思ってしまった・・。


「今日、出かける」

「あ、そうなんですね」

「行くか?」

「へ?」

「・・・外」

「・・・ええと、街・・とかですか?」


クロさんは、小さく頷く。

そう言われてみると、この間のノアルさんの街を歩くだけで、クロさんの街は出た事がない事に気付いた。え、全然外出してないな・・私。


「もし、いいのなら・・」


そっとクロさんに聞いてみると、クロさんは静かに笑う。

・・・・あ、その顔・・結構心臓に悪いです・・。


目を急に逸らすのも悪いかな・・と思って、そっと口辺りに視線を移すけど、あ、そこも恥ずかしいわ・・と、思って更に下へ視線を移す。なんか・・眼鏡とか欲しい。それかあれだ・・フードとか?仮面とか?ああ、頭がぐるぐるする。


クロさんが頭の上でまた笑った声が聞こえた。


ポンと手が頭の上に置かれた。


「トトに言っておく」

「・・・・・・・・・はい」


顔が真っ赤で頭が上げられない。

ボス・・、朝から甘くないですか?

私はまだ17なのにうっかり死んじゃうと思いますけど・・。


クロさんが、立ち上がった気配でようやく顔を上げた。

後ろ姿のクロさんはやっぱり大きい、いかつい。でも尻尾はゆらゆら揺れていて可愛い・・。ギャップ萌え、分かってきたような気がする。


私も支度した方がいいかな・・、そう思って立ち上がるとトト君がこちらへ駆けてきた。


「たえさ〜ん!おはようございます〜!」

「おはようトト君、あのね今日クロさんと出かける事に・・」

「はい!!伺ってます!!!可愛い格好して行きましょう!!!」


トト君の気合がすごい・・。ど、どうした・・???


「あ、ありがとう・・」

「なんといっても、この街をこの国を好きになって頂けたら嬉しいですし!!」

「あ、そうだね・・全然知らないから・・、でも、私ここは好きだよ?」


神殿を指差すと、トト君が嬉しそうにぎゅっと抱きついてくる。

ああ、可愛い〜〜!!朝からキュンとする!!


「僕も、大好きです!ずっとここにいて下さい!」

「トト君〜〜〜!!ありがとう〜!!」


二人でうふふーと笑いあっていると、ククがいつの間にか足の所にいた。え?いつの間に??


「クク・・、いつの間に・・」


私が驚いて下を見ると、トト君がククを見ながら私にまたぎゅっと抱きつく。


「えへへ〜!今は僕の番でーす!」


そう言うと、ククが尻尾でバシッとトト君の足を叩いた。

おう、クク・・そういうこともするんだ・・。思わず笑ってしまった・・。



そうして、トト君は満足したのか一緒に私の部屋へ行って、クローゼットからどこにあったの???っていう服を出してくれた。本当に淡い・・薄い桃色のワンピースだ。


「綺麗だね・・この色」

「はい!!これ、絶対着て下さい!!」


あ、はい・・もちろんですよ。トト君にはノーは言えない・・。圧と気合がすごいから・・。


着替えて部屋を出ると、クロさんがこちらをじろっと見る。

え、えーーと・・・何でしょうか・・・・???





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] トト君って結構命知らずだよね。。。(;´д`) それだけクロさんとの関係が深いんだろうけど( *´艸) ククちゃんのやきもち尻尾ペン(゜o゜(☆○=(-_- )゛。。。(≧∇≦)b
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ