神様見破る。
クロさんと一緒にお茶を飲みながら、前髪を見る。
一部がキラキラ光っていて、これはこれで綺麗だな・・そう思っていると、クロさんがこちらを見る。す、すみません・・つい不躾に見てしまいました・・。
「髪・・、光るんですね」
「星の化身だからな」
「・・星・・?」
私が不思議そうに聞くと、トト君がカップをガチャンとソーサーに乱暴に置く。
「ほんっとうに、あの化身には困ります!!いくらクロ様が好きだからと言って・・!!!」
「好き・・」
「たえ様の話をどこから聞きつけたのか!!!ああああ、もう腹が立つ!!!」
「そ、そうなんだ・・・」
いつも笑顔のトト君がこんなに腹を立てるなんて、余程の子・・いや、神様の化身なのか・・???私はそっとクロさんを見ると、クロさんは我関せずにお茶を飲む。
クロさんはあまり気にしていない様子ですよ?トト君・・。
「クロ様、あいつ出禁にしましょうよ!!」
「・・化身である以上は無理だ」
「もぉおおおおお!!!」
トト君は、本当に好きじゃないらしい・・。
ええと、どうしたらいいかな・・、ちょっと考えて頭を撫でてみた。
「・・と、トト君・・まぁ落ち着いて・・」
「たえさ〜〜ん!!!」
目をウルウルさせてトト君はこちらを見る。うーん、可愛いなあ。
「神様の化身にも色々いるんだね?リリ君とは仲がいいみたいだけど・・、ええっと、いつもありがとうね」
ニコッと笑うとトト君は、ちょっと落ち着いたようだ・・。よかった。
そうしてクロさんを見ると、なんか睨んでる!!
えええ、私、何かしました??どうしたらいいんだ・・、あ、フォロー?フォローが必要な感じ??
「く、クロさんも、大変ですね・・、あの・・守ってくれた・・んですよね?ありがとうございます」
そう言うと、ちょっと嬉しいのか耳がちょっと動いた。
あ、耳も動くのか!!
クロさんは、少し目を逸らして、
「おぅ」
と、小さく呟いた。
よし・・、大丈夫そうだ・・。
安心してお茶を飲み、カップの隙間から少しクロさんを見た。前髪に好きって気持ちをぶつけたのだろうか・・、すごい大きな声でクロさんを好きって言ってたけど・・。
私は人間だし・・、まだ気持ちもハッキリとしていないし・・、そんな状態でここにいていいのかな?それってクロさんに失礼なんじゃないかな・・そう思うと、ちょっと胸がズキッと痛む。
そっとカップをソーサーに置く。
私・・クロさんを・・いいように使っちゃってない?
好きって言った星の化身の子の方が・・側にいた方がいいんじゃない?
考え出したら、胸がどんどんズキズキ痛んできた。
「・・たえ?」
クロさんの声にドキッとしてしまう。
そろっと顔を見ると、緑の目がじっと見てる。
「ええっと、何でもないです・・はい」
なんと回答していいのかわからず、曖昧に答えるしかできない。
逃げよう・・とりあえずこの場から逃げよう。
「お茶、ご馳走様です!あのお花がまだ途中なので、失礼します」
「ええ、もうお昼にしますから、少しだけ待ってて貰えませんか?」
「え、そ、そう・・なの?」
トト君ーーーー!!!
無理だ・・、そんな可愛い目で止められたら立てない・・・。
一旦、立ち上がった腰をそっと下ろした。
トト君は、すぐ支度しますねー!と、どこかへ行ってしまった・・。はい、初志貫徹できない女は私ですー!!!ちょっと顔が赤いのは気にしないで下さい・・。
そんな私を見て、クロさんが小さく笑う。
「逃げようとしたろ?」
「・・・なんの事でしょうか・・?」
もちろん全力で誤魔化した。バレたら怖い・・ボスだし。
「もう無理だぞ?」
「なんでですか・・?」
「・・・お前が好きだから」
思い切り顔を上げてクロさんを見ると、面白そうに私を見て笑った。あ、そういう顔もするんですね?一気に顔が真っ赤になった。




