表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/112

神様衝撃の事実。


翌日・・・、なんと熱が出てしまった。


ええ〜〜、昨日はすぐクロさんが服も乾かしてくれたのに・・。

そう思いつつベッドでフゥッと息を吐く。


と、ドアがノックと共に開かれる。ボス・・・、ドアは返事があってから開けるものだと思います・・。とはいえ、熱が出ているのでなんだかぼんやりしてしまう。


私の枕元へクロさんはやってきて、そっと近くに座ると手をそっと額に当てる。あの・・それ、かえって熱が上がると思う・・と思いつつも、ヒンヤリした手は気持ちいい・・思わず目を瞑る。


「昨日の穢れにあてられたんだろうな・・」

「あてられ・・・?」

「穢れの悪い気を受けると体調を崩す」

「・・・そうなんですね・・」


クロさんは手から淡い光を出すと、体が大分楽になる。


「一度寝ておけ、大分楽になる」

「ありがとうございます・・」


そういうと、魔法なのかな?神様の力なのかな?

急に眠気がやってきて、すぐに眠った。




ここはどこかな・・・


ああ、そうだ・・、小さい時、よく遊んでいた河原だ。


・・私は川のそばの小さい公園でよく遊んでたな。

本当に二度も溺れた割に、よく無事だったな・・なんて夢の中で思っていた。



そうそう、誰かとここで遊んでいて・・、ボールが川に落ちて、

危ないよって言われていたのに、大丈夫〜なんて言って・・

私はそれを取ろうとして、落っこちた・・。



あ、待てよ?って、ことは三度目?



そう思った時、自分の体が水に落ちた感覚になる。

あれ?!嘘、夢の中でも落ちた!!

顔を水面に上げようと、上へ泳ぐと、足がグイッと下へ勢いよく引っ張られる。


・・・え、なに・・?


下を見ると真っ黒で深い水の底で、昨日見た真っ黒い顔の人が、私の足首をがっつりと掴んでいる。


「や・・・・」


顔は真っ黒なのに、ニタっと笑っている感覚に、一気に怖くなって思いっきり叫んだ。



「やだぁ!!!」





「たえ!!!」


え、声・・・?

そっと目を開けると、クロさんが少し心配そうに私を見ている。

あれ・・?あ、夢・・・だった?


「うなされてた」

「あ、ありがとうございます・・、今、夢が怖くて・・」

「ああ・・」


クロさんが、布団を握りしめていた手をそっと握ってくれた。ひんやりしていて気持ちいい・・。水の神様だから?


「・・・・私、夢の中で、川に落ちたの三度目だって思い出したんです」

「・・・・・・え」


「小さい時、誰かと遊んでて・・ボールを追いかけて、川に落っこちて・・、そういえばどうやって這い上がったんだっけって・・、助けてもらったのかな・・?」


そうだ・・、小学生の一年生くらいだった気がする。

今考えれば、よく小さい体で這い上がれたな・・。


「・・・・・覚えていたのか」


クロさんがポツリと言うので、顔を見る。


「・・え?クロさん、知ってたんですか?」

「助けたの、俺だ」

「え?!!そうだったんですか?まさかの二度目だったんですか?」


頭が一気に覚醒した。

お、驚きの展開なんですけど!!!


「・・・親父の仕事で、そっちの世界に行ってた。たまたまお前に会って・・、それで助けた」


「えええ・・・すごい偶然ですね・・」


あ、もしかして、昨日よく川に落ちるって、話してたのって、そう言う事?!

あれ・・・でも待てよ。

こっちへの世界は一方通行じゃなかったっけ?



「・・・クロさんは、私の世界へは行けるんですか?」

「いけない」

「え?以前は行けたのに・・・?」

「・・・・お前を助けたから」


驚いて、目を丸くする。



「・・・世界が違う人間を勝手に助けたり、傷つけたら、もうその世界へは神でも行けない」

「・・・え・・」



「だから、もう会えないと思ってた」


私の手を握っていたクロさんの手が少し熱い。

低い声に、そう囁かれて・・、私は目を丸くしてクロさんを見つめ返した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ