神様と戻りました。
クロさんと水神殿の間へ帰ってきた。
私とクロさんは、手を繋いだまま・・ちょっと無言になってしまった・・・。ノアルさん、爆弾発言を物凄い豪速球で投げてくるんだもん・・!!!
二人で、ちょっと下を向いてしまう・・。
顔は赤いし、どうクロさんに話しかけたらいいかわからなくて、言葉が出ない。ど、どうすれば・・。あと手をそろそろ離してみてはいかがでしょう・・?
すると、トト君が水神殿の間へ笑顔で出迎えてくれて、すっごくホッとした・・。た、助かった・・!!!
「おかえりなさい〜!楽しかったですか?」
「ただいま〜!うん、すっごく楽しかった!!ランタンの一斉に飛ぶ所・・すごく感動しちゃった」
私がニコニコ笑って答えると、トト君は嬉しそうに微笑む・・。
「あ、そうだ・・帰り際にリリ君からトト君にって・・、これ」
「え、リリ君にも会ったんですか!」
「うん、いい子だね〜。今度遊ぼうって言ってたよ」
そう言って、リリ君に託された布の袋を渡すと嬉しそうに袋をポケットにしまっていた。うん、可愛いな。
ちょっとノアルさんのせいで、混乱していたけど・・トト君のおかげで冷静になれたので、クロさんをみる。・・・あ、まだ手を繋いだままだった!!!
「あの、クロさん・・・、色々ありがとうございました・・」
「おぅ」
「この後、どうしますか?」
「・・・休む」
「ええと、手は・・、その」
私は、目がちょっと泳いでいたが、なんとか話すと、クロさんは私の手を見て慌てて離す。
「悪い」
「い、いえいえ、今回は繋いで頂いたおかげで、本当に助かりました!!」
そこは本当だ・・、あの高い神殿から下りる時とか、人混みとか、安全のために・・とか、どんだけお世話になったんだ私・・。あれ、じゃあ次回はやっぱり留守番の方がいいかな・・。
「・・・・あの今度のティナさんのお祭り・・」
「一緒に行くんだろ?」
「・・ええと、あまりお世話をかけてしまうなら、その・・」
「大丈夫だ」
早い、レスポンスが早い。
ちょと考えたりしないのかな・・、いいのかな。
「・・じゃ、じゃあ・・また再来週お願いいたします」
「おぅ」
クロさんは、ちょっと自分の手をじっと見ている。何かあったのかな?
「・・手が痛みますか?」
思わず聞くと、ちょっとクロさんは目を逸らして、
「お前・・、手、ちいせぇな・・」
ブワッと顔が赤くなる。そ、そうですよね・・散々繋いで頂きましたし・・、そういう感想くらい出ますよね!!でも、やっと冷静になったんですけどーーー!!
トト君は、ニマニマして私とクロさんを見る。
「うんうん、仲良く帰ってこられて何よりです!!」
「と、トト君・・誤解のような、誤解でないような・・?」
「まあまあ、いいじゃないですか!ひとまずお疲れでしょう?ゆっくり今日はおやすみください!」
「はい・・・」
なんというか、うまく丸め込まれてしまった気がする・・。
トト君が先に部屋へと向かって行くので、後ろからついて行こうと歩き始めると、手首にシュルッとクロさんの尻尾が巻きつく。
「・・・へ?」
クロさんを見上げると、小さく笑う。
・・・・ボス、それは反則だと思います。
今、確実にやられたと思う・・。
ちょっと胸が、ぎゅうぎゅうに痛いのですが・・。
「・・・今度もこうしておくか」
「・・・・・ちょっと、どう、です・・かねぇ・・」
私は、なんとコメントしていいかわからなくて、苦しい一言しか出てこない。
再来週も行くお祭りに、私はどんな状態になっているのだろう。
そろっと見上げたら、鼻歌を歌い出しそうな機嫌のいいクロさんが見えて、ますます言葉が出てこなくなってしまった・・・。




