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神様と帰る。


クロさんと沢山のランタンを飛ばす空をしばらく眺めてから、そろそろ神殿へ戻ろうと話す。


神殿に参拝し終えた人達は、出店や出し物の方へ移動していて・・神殿へ行くのも困難だ。うーん・・、これ辿り着けるかな・・そう思っていると、クロさんは大分薄暗い路地の方へ連れて行く。


な、何??!シメられる的な?!ドキドキしていると、手から淡い光を出す。


「手、握っとけ」


そう言うので、今なお繋いでいる手をさらにギュッと握ると水が足元から出て来て、私とクロさんを包む。あ、転移するって事?そう思って、目を咄嗟に瞑る。


バシャ・・と、水音がして、そっと目を開けると中央神殿の前にいた。


「・・人が多いからな」

「あ、ありがとうございます・・」


「あれ〜?もう戻って来たの〜?」


ノアルさんが、中央神殿の扉から突然顔を出すので、驚いて体が跳ねた。

び、びっくりした〜〜〜。


「人が多すぎんだよ」

「ああ〜、今年は仕方ないね〜。ごめんね、たえちゃん疲れたでしょ?ちょっと庭園でお茶していきな〜」

「は、はい・・・」


そう言うと、ノアルさんはにっこり笑って、側に飛んで来た鳥達に、「お茶お願い〜」と話す。え、鳥に言うんだ??


「うちの小鳥ちゃん達可愛いでしょ!」

「は、はい!」


ノアルさんは飛んで来た小鳥を一匹指にのせると、私に渡してくれた。

白い文鳥みたいで、可愛い!!!


「可愛い〜〜〜〜!!」


白い鳥がちょっと首をかしげて、こちらをじっと見る。

つぶらな目がたまらない・・!!!


「・・・・ノアル・・」

「いいでしょ〜?可愛い小鳥ちゃんくらい見せたげなよ」


ん?何かあったのか?思わず二人を交互に見る。


「んじゃ、お茶でも飲もう〜!僕もお祈りやら何やらで疲れちゃった〜」

「あ、そうでした・・、お疲れ様です。無事に終わった・・んですか?」

「お祈りさえ終わればね」


そういって、鮮やかなウインクをかます。

うん、いつもながら思うけど、ウィンク上手だなあ・・。


案内された庭園は、芝生の上に絨毯が敷いてあって、ロウソクやランタンでライトアップされている。

小さなローテーブルにも明かりが置いてあって、お茶が置いてあった。


「わぁ・・」


思わずため息が漏れた。

いや、お洒落!!


「夜のお茶もなかなかいいもんだよ?」


ノアルさんがニコニコ笑うので、私もコクコクと頷く。横でクロさんがちっと舌打ちした。え、賛同はダメな感じでしょうか・・?手の中にいた白い小鳥は、私の手の中から飛び出すと、クルッと一回転したかと思うと、真っ白な髪の男の子になる。


「え?!!!」


目を丸くして、男の子を見ると、


「小鳥の化身で、リリと申します。トト君の友達です」


にっこり笑うと確かにトトくんと変わらないくらいの年に見える。


「そうなんだ!私はたえです。トト君にはすっごくお世話になってます」

「そうですか、いいなぁ〜トト君・・」


ちらっとノアルさんを見る。


「・・・うちのノアル様、すっごく面倒臭いんで」

「ひどぉおい!!!こんなに可愛いって言ってるのに!!」


・・・二人の関係性がすごい・・濃そう。

引きつり笑いになりつつ、リリ君は絨毯に案内してお茶をご馳走してくれた。トト君の淹れてくれるお茶とは違うけど、また美味しい!!


お礼を言うと、照れ臭そうに笑うリリ君がまた可愛かった・・。


しばらくお茶をしながら話をして、水神殿に戻るために転移してきた場所へ移動する。長い距離を移動する時は、神殿からの方がいいらしい。なるほど〜。


「あ〜、再来週はティナの所で祭りかぁ〜、またその時に会おうね!たえちゃん!!」

「ティナさんの所でもあるんですか」

「そ、花火とか上がって綺麗だよ」

「花火・・!!」


こっちにもあるんだ!えー、見てみたい!!

思わずクロさんを振り返ったら、じろっと見られて、


「・・・今度は落ちんなよ」

「・・・あ、はい」


静かに返事しましたが、とりあえずOK頂きました。ノアルさんはそんな私達を見て、ニマニマ笑う。


「な〜に〜、随分仲良くなったねぇ〜」

「仲良くというか・・、色々あって」

「色々ねぇ・・」

「ノアル、殺すぞ」


く、クロさーーん!!抑えて、抑えて・・私は、クロさんをそおっと見ると、クロさんはブスッとしつつ、私の手を握る。あ、転移ですね。はい。水が体を包むので、ノアルさんに手を振ろうとすると、

ノアルさんはニコニコ笑って、手を振りつつ、



「早く、告白しちゃいなよ〜!」



と、またも爆弾発言を投げつけてきて、転移先から帰ってきた私達はしばし無言になるのだった・・・。

の、ノアルさーーーーーん!!!!





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