表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/112

神様、謝ってくれた。


クロさんは私の手を繋いで河原から離れ、芝生の公園らしき所へ連れて行ってくれた。


ベンチがあったので、一緒に座ると・・知らず大きく息を吐く。


「・・・悪かったな」

「い、いえいえ、あの・・、待ってろって言われたのに、すみません・・、スカートを引っ張られちゃって・・、すぐ呼べば良かったのに・・」


「あぁ?」


クロさんがギロリと睨む。

な、な、何かいたしましたでしょうかーーーーーー!!!!???

びくりと体が跳ねる。


「・・・スカート以外、どっか触られたか?」

「あ、あああ、そういう・・、いえ、大丈夫です!!」


心配してくれた・・ということでしょう。そうでしょう。そう思います。


「・・・お前は、俺んとこに住んでるから、清めて貰えるって思って変なのが寄って来ちまう・・」

「ああ、それで・・」


だから人が側にいても、私にだけくっ付いて来たのか・・。

ようやく意味がわかってホッとした。


「・・一緒にいれば平気かと思ってたけど、悪かった」

「いえ、あの・・助けてくださって本当にありがとうございます!!ぶ、無事!!無事だったので、本当にもうそんな謝らなくて大丈夫ですから!!」


これ以上、ボスに気を遣わせるわけにはいかない!

うん、神様だけど・・。


クロさんは、私をじっと見つめるのでドキッとしてしまう。


「・・・あの?」

「お前、本当によく川に落ちるな」


「あ、そうですね・・二度目ですね」


ははっと、乾いた笑いになる・・。

本当、どんだけ落ちてるって話だよね。


クロさんは、手首につけていた腕輪を一つ外して、私の手を取るとそれをはめた。


「一応つけとけ、弾くことくらいはできる」

「・・・・・はい」


弾く・・、クロさんがいうとなぜ怖いんだろ・・。


「頭」

「は、はい!大丈夫です!!」

「・・・ちげぇよ、撫でていいか?」


・・・わざわざ確認してくれた・・。


「あ、はい・・」


ちょっと頭を傾けてみると、クロさんは小さく笑って頭を撫でてくれた。

あ、これ・・安心する。優しい手つきにほっこりした。


そっとクロさんの手が離れて、クロさんを見るとふわっと笑った。


・・・え、そんな風に笑うんだ!??


思わずじっと見てしまったら、クロさんの手がちょっとずしっと私の頭に置かれた。


「・・ランタン・・見に行くぞ」


「・・・・・・・・・・・はい」



手が置かれる直前、ちょっと目元が赤いクロさんが見えた。

見えてしまった・・・。


さっきまですごく怖かったし、泣いてたし、溺れてたのに、今はまたドキドキしている。ああああ、心がどうにかなっちゃいそうで、本当にどうしたらいいんだろう・・。


クロさんがベンチから立つとそっと手を差し出すので、手を繋ぐ。


・・・本当にどうしよう。

自分の手汗は大丈夫だろうか・・が、グルグルと頭を回る。


空を見ると、少し日が傾いている。

あれ・・、でもまだ昼頃じゃなかったっけ?

そう思って空を見ていると、クロさんが同じように空を見る。


「今日は祭りだから、日が暮れるのが早くて、夜が長い」

「え?!そんな事あるんですか?!」

「・・・ノアルがいるからな」

「・・・そうだった!!!」


神様がいるって忘れてた。

お日様まで調節できちゃうのには流石に驚いたけど・・。


「すごいですねぇ・・、お日様までどうにかできちゃうなんて・・」


空を見ながら言うと、クロさんは小さく笑って空を見る。


「今日だけだ。普段はできねぇ」

「・・・いやぁ、一日だけでも凄いですよ!」


私がクロさんを見上げて言うと、クロさんはじっと私を見る。

な、何でしょうか???


「・・・・水なら、俺もできる」


ん、んん・・・??ノアルさんに対抗してる・・・??



「あ、はい・・、クロさんの水で祓っちゃうの・・凄いです!あと、さっき水を使ってが〜〜って押しあげたのクロさんですよね!?あれも凄いです!!」



そう言うと、ちょっと満足頂けたのか小さく頷いた。

よ、良かった・・・!!!

心の中で冷や汗を拭いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ