神様、約束する。
サンルームには、お茶が用意されていて・・、なんというかそわそわした気持ちでお茶を飲んだ。
ああ、今日も美味しい・・。
トト君を見ると、にっこり微笑んでくれる。うう・・私の心のオアシス。
ティナさんも「うまいなー!」と、言いつつお茶を飲む。
クロさんだけ、ちょっと眉間にシワが寄っている。恐い。
「そーだ、クロ!そろそろノアルの所で、祭りあるけど行くだろ?」
「・・・・・・まぁ、行くが」
「お祭り・・・?」
私が、ポツッと呟くと・・ティナさんは私を見て、にっこり笑う。
「そ!もう少しすると、お祭りの時期になるんだ!オレんとこも、近く祭りの時期になるんだけど良かったら、たえもクロと一緒に来いよ!!面白いぞ!!」
「は、はい・・・・」
ものすごい勢いに、思わず頷いてしまった・・。
でも、お祭り・・楽しそう。
クロさんは、こっちをじっと見てるけど、これは・・ダメなやつ?大丈夫なやつ??こ、恐いんだけどーー!!!
「・・ど、どんなお祭りなんですか?」
空気を変えたくて、ティナさんに聞いてみる。
「オレの所は、火の輪っかをくぐったり、飛ばしたりして、色んな物を燃やすんだけど、迫力あっていいぞ!夜とかも綺麗だしな!!」
「へぇ〜・・!」
火の輪っかをくぐる・・飛ばす・・。ダメだ・・・イメージができない!!!想像力が欲しい・・。
「ノアルさんの所は、どんなお祭りなんですか?」
「えーとなんだっけ、紙の風船?みたいなのを火をつけて、一斉に空へ飛ばすんだよ!オレも手伝うんだ〜。」
あ、私の世界でもそういうのあったな・・。
紙風船に火を灯すと、気球みたいに一斉に空飛ぶんだよね?
「見て・・みたいです」
そういうと、ティナさんがクロさんを見て、
「だって〜!じゃあ、今度たえも連れてきてやんなよ、クロ!!」
「・・・うるせぇ」
「あ、あのお邪魔だったら、別に・・」
低いクロさんの声に、やっぱり嫌かな・・と思って言うけれど、
「一緒に行く」
「あ、はい」
一蹴された。
はい、ボス・・一緒に行かせていただきます・・・。
ティナさんは、ニコニコ笑って「良かったな!」って言うけど、本当に良かったのでしょうか・・・?私にはドキドキハラハラの未来しか見えません・・。
ティナさんは、その後も色々話をしていたけど、私は一緒に出かける事を考えただけで緊張してしまって、なかなか頭に話が入ってこなかった・・。
そうこうするうちに、ティナさんは「そろそろ帰るね〜」と帰っていった。
・・うん、ノアルさんと同じで、やっぱり濃いかも・・。
水神殿の間で、ティナさんを見送り、私とクロさんだけになる。・・・・うん、無言が恐い。
クロさんが私を見て、
「・・祭り、一週間後だから」
「あ、はい!」
「・・それまではゆっくりしとけ」
「はい、ありがとうございます」
良かった・・怒ってはいなそうだ。
「・・・頭」
「へ?」
「・・・勝手に撫でて悪かった」
「・・・・・え?」
別に・・、頭を撫でるくらい、いいのでは・・・?
不思議に思っていると、クロさんは、
「好きでもねぇ奴に、んなことされたくねぇだろ」
と、ぶっきらぼうに答える。・・・ああ、そんな事、考えていてくれたんだ。あ、だからティナさんにも睨んでたのかな?そう思ったら・・、そんな気遣いにじわじわ嬉しくなる。
・・・確かに、勝手に触るのは失礼だもんね・・。
「・・私の方が気付きませんでした・・けど、クロさんはお世話になってますし・・・、大丈夫です・・」
ちょっと照れくさいけど、まぁ・・そんなクロさんなら、頭の一つや二つ、撫でられても・・大丈夫かな?そう思って、答えると、クロさんはちょっと目を丸くしてから、ふいっと横を向く。
「そっか・・・」
ボソッと呟くけど、顔が赤い。・・・それを見た私も赤くなってくる。か、神様って・・みんなこういうものなの??なんか、恥ずかしくなってくるんですけど!!??




