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一般人、3日ぶり。


クロさんの修業場所に来てしまったらしい・・。


「クロは、とりあえず訓練やってて、僕たえちゃんとのんびりお茶してるから」

「・・・ったく」


クロさんは、ノアルさんをジロッと睨む。こ、怖い・・。

ノアルさんは、クロさんから私をさっと奪うように受け取って抱っこする。おお、また視界が高くなった・・。


「じゃ、こっちでお茶でもしよっか」

「あ、は、はい・・」


ノアルさんは、石だらけの場所をサクサク歩いて滝を一つ潜ると、ひらけた場所に出た。ここって、高い山の上だったんだ。周囲をキョロキョロ見ると、高い山々が連なっている。


「ここ・・山だったんですね」

「そ、修業でよく使う場所なんだ〜。人間は入ってこれないようになってるの」

「・・え、私・・人間・・」

「あ、たえちゃんはね大丈夫、神力の羽持ってるし」


そう言いつつ、右手にあった東屋に私を連れて行って座らせてくれた。

指をぱちっと鳴らすと、お茶とポットが出てきた!!

カップが渡されて、ノアルさんを見る。


「・・神力ってあの、金色の羽ですか?」


「そ、たえちゃんの神様の国の鳥の羽。あれはね、あっちの神様がたえちゃんのお守りとして持たせてるんだよ。だから、何があっても無くならないでしょ?」


確かに・・、大神様と戦っても?金色の羽は無くならなかった・・。

バッグの中の金色の羽をそっと出して、見てみる。


「さっきの黒豹はね、魔の力を持っていたんだけど・・鏡の中に入っちゃってね〜・・。トト君達に鏡を見てもらおうと思ってたんだけど、抜け出して神殿の中に入っちゃったんだよね〜。それで、以前神力の力を持つ生き物と仲良かったから、神力の気配がするたえちゃんを頼ったみたい」


「あ、頼ってたんですね・・、って、魔の力?!」


大神様の中に入ってたっていう・・、悪いものじゃないの??ノアルさんを見ると、


「魔って言ってもね、それをわかっていて利用する人は悪くなっちゃうけど、たえちゃんはそんな事しないでしょ?」

「あ、はい・・もちろんです」


「・・・前の大神様は、どっかで間違えちゃったんだよね」


ちょっとノアルさんが切なそうに遠くをみる。

そっか・・、神様でも間違えちゃう時があるのか・・。でも、人間ならしょっちゅうだ・・。


「間違えちゃうのは・・、皆、同じなんですね。かえって安心します」


間違えない神様って、完璧すぎて・・ちょっと逆に緊張しちゃうかも・・?ノアルさんをちらっと見ると、静かに微笑んでいた。


「たえちゃんは、いい子だね〜」


大きな手が頭をわしゃわしゃ撫でる。


「そんな訳で、先に抜け出た黒豹がたえちゃんの場所を教えてくれて、こっちで呼んだの!」

「そうだったんですね・・、本当にありがとうございました」

「いえいえ、巻き込まれちゃって大変だったね」


ノアルさんは、まだ頭を撫でている・・。

気に入ったのかな?このサイズ・・。


「今日は疲れちゃったろうし、休んで明日は神殿に送るよ」

「あ、はい!よろしくお願いします」


ペコっとお辞儀をすると、ノアルさんが「リリの小さい時みたーい!」と嬉しそうにまた頭を撫でていた。そうか、リリ君も小さい時・・あったんだね。あんなに大きいお兄さんに変身しちゃってびっくりしたけど・・。



大急ぎで訓練を終えたのか、びしょ濡れのクロさんがその後戻ってきて、ノアルさんはひとしきり笑うと、


「トト君たちに無事だって教えてくるね。明日の朝、迎えに行くから」


そう言い残して、両手に翼を生やして飛んでいってしまった。

転移より、飛ぶ方が好きらしい。さすが、風の神様だ・・・。


小さくなった私を見て、クロさんが屈んで頭を撫でる。


「・・・出会った時より、ちいせぇ」


「そうですね、5歳くらいかな・・と」



クロさんは、可笑しそうに笑って頭を撫でる。

ノアルさんより優しい手つきにホッとする・・。まだ3日ぶりなのに、ものすごく嬉しい私って・・と、ちょっと照れ臭いけど。



いつの間にか100話超えてしまった・・。


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