錆
ドゴッバキッ
そんな音が聞こえるのは日常茶飯事だった
突然だが俺の名前は白田 錆流
正直言って俺はこの名前が嫌いだ
「おい白田ァァァァァ!!!!」
「い、今行くよ」
俺は世間でいうパシリにされている
「喉乾いたジュース買ってこい」
「う、うん…あ、あのさ…お金」
「アぁ!?聞こえねぇな?いいから早く買ってこいくず!!」
やれやれ、なんでもって不良ってのはすぐジュースやら焼きそばパンやら買わせたがるんだろうな
「か、買ってきたよ」
「おせぇんだよ!!…チッまぁいい」
ごくごくと喉を通らしながら俺の金で買ったジュースを目の前で飲んでいた不良が言った
「ぷっはー まっじぃ、こんなもんよく作ろうと思ったな、あっそうか!!おい錆ついてんぞwwこのジュース」
名前が嫌いというのはこういうことだ
「じゃあ飲まなかったらいいじゃないか」
しまった 心の声が漏れ出てしまった
「アァん!?もういっぺん言ってみろ!!!!」
ドゴッ
痛ってぇー、はぁ、なんで俺こんな奴にパシリにされてんだろう…俺にもやり返す力があったらな
ガシャーン
不良の後ろから工事現場の作業音並みの音が聞こえた
「うるっせぇなァァ!!」
不良が声を荒げて言った、そうすると俺は目を疑う光景を目の当たりにした
一瞬何が起こったのかわからなかった、不良が2mほど急に吹っ飛んだのだ
三秒後俺は気を取り戻した、目の前には手に血が付いたいかにも不良っぽい
服装をした男が立っていた
「おい…なにすんだ…ぶべっ」
「うるさい、騒ぐな」
男は不良をもう一発殴ろうとした
ガシッ
「もう…やめといたほうが…」
なぜか勝手に手が出てしまった
「は?何してんの?こいつお前をいじめてたやつだよ?」
「それでも…やりすぎだと思います…」
あーあ、こりゃあ俺も殴られるなそう思った矢先
ブゥン と音が鳴り男が腕を後ろに下げそしてもう一回ブゥンという音が鳴り男の腕が俺の顔の前に来た
あ、やべ そう思った瞬間
「なーんてな、お前マジで俺に気づいてない?」
「は?」
「まぁーそりゃぁあそうか、何年もあってないしな」
え?俺こいつと会ったことあんの?