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国王そしてまさかの



「レーカちゃん、レーカちゃん!起きてください。」


「もうちょっとだけ。」


「一大事なんです!」


もう人がせっかく気持ちよく寝てるのに。

私の睡眠の邪魔をするなんて万死に値する!

まぁ起きるか。


「一大事って何?」


「あっ、やっと起きました。なんかドラゴンがいるかもしれないという情報が入って来たんです!」


ドラゴン?

なんかどこかで見たような……。


「クラシルの森で目撃されたらしいです。今騎士団と冒険者が急いで対応する準備をしてますけど、勝てるかどうか……。」


クラシルの森……?

あっ!

……国王に報告するの忘れてた。


「そういえばレーカちゃん昨日なんか変わったこととかありませんでしたか?今はちょっとでも情報が欲しいです!」


なんか国のために必死になってるアーリー見るとやっぱり王女なんだな〜って思うよね。


「変わったことって言うかドラゴン見たよ。」


「へっ?」


「多分報告に上がってるドラゴンだね。」


「そっ、そうですか?えっ?ちょっと待って。どういうこと?」


「だからドラゴンと会っただけだよ。流石に逃げてきたけど。」


バタン。

アーリーが気絶しちゃった。

とりあえず国王のところに行こうか。



















「やっほー!」


「だから俺が行くと言ってるだろ!」


「ダメに決まってるでしょ!あなたは国王なんですよ!自覚を持ってください。」


取り込み中だった。

まぁそんなの私には関係ない!

ハッハッハ。




嘘です、ごめんなさい。

でも、とりあえず情報は伝えないと。


「おう、レーカか。」


「レーカ様、すみませんが今取り込み中です。後にしてもらえませんか?」


「それなんだけど、いろいろ情報持ってきたよ。」


『何?』


「いや〜、昨日ドラゴンにあったんだよね。」


『はっ?』


「昨日依頼でクラシルの森に行ってたんだけど、そこでドラゴン見つけて国王に言おうと思って忘れてた。」


「忘れてたって……。」


「はっは!お前らしいな!」


「そのときに気づいたんだけど、多分あの森の奥ダンジョンあるよ。」


「ダンジョンだと!」


「本当にダンジョンがあるとすればもう一度戦力を見直さないといけませんね。」


「後、多分ドラゴンは1匹じゃない。」


『何?』


「これは確証はないけどね。ただの勘。」


「勘だとしても、見過ごせるものじゃないぞ。」


「そうですね。ダンジョンの件と合わせて大幅に戦力を見直さないと。」


国王はともかくこの人も簡単に信じてるけど、こんな子供の言うことそんな簡単に信じて大丈夫なのかな、この国。

まぁ今回はありがたいからいいけど。

ていうか今更だけどこの人だれ?


「あっ、申し遅れました。私、この国の宰相をしているマルタと申します。以後お見知り置きを。」


むっ!

私の表情から私の気持ちを読むとはお主なかなかやるな!


「よろしく!」


「マルタ、レーカ、とりあえず冒険者ギルドに行くぞ。」


「はーい!」


私1人じゃドラゴンに勝てなくてもみんなとやれば勝てるよね!

あ〜ドラゴンってどんな攻撃してくるんだろ。

楽しみ!





















「諸君よく聞け!今この国はドラゴンによる脅威に晒されている。だが、安心して欲しい。この国最強の冒険者の1人であるリーカ殿が来てくれている。」


なんかああやって話しているところを見ると国王だったんだって思っちゃうね。

普段はそこら辺にいるただの戦闘好きなオッサンだけど。

うん?

あれ?

なんか聞いたことあるような名前が聞こえた気が……。

うーん。

そっくりさんかな。


違う!

やっぱりお母さんだ!

この匂いは絶対お母さん。

それ以外は認めない。


「おかーさん!」


「レーカ!」


ひしっ。

ああ、やっぱりお母さんだ。

なんか、やっぱり、お母さん大好き。


「もう、1人で王都に行くとか言い出したから少し大人になったかなって思っていたけど……。レーカはまだまだ子どもね。」


「何言ってるのお母さん。私まだ5歳だよ。まだまだ子どもだよ。」


「ふふ、そうね。」


大人になるなんてもったいない!

まだまだ子どもでいるよ。

まだ子どものうちでしか出来ないことがいっぱい出来てないんだから。


「そろそろ話を戻してもいいか?」


『だめ。』


国王の威厳笑。

ちょっと可哀想だけど。

まあいっか。

知らんけど。


「て言うかお母さんってそんなに強かったんだ。知らなかった。」


「昔の話よ。今はそんなによ。」


「昔ってお婆ちゃんか!」


「わしはの〜。」


「あそこで漫才しだした2人は置いといて、話を進めるぞ。諸君にはドラゴン以外の討伐をお願いしたい。最近は魔物の数そのものが増えている上に、その動きも活発だ。さらにこれはとある所からの情報だが、ダンジョンがあるかもしれないとのこと。もし本当にダンジョンがあるならば、そこから出てくる魔物を抑えてくれ。」


ざわざわ……。


周りがざわざわしだした。

ダンジョンのことは言わない方が良かったんじゃないかな?


「国王様が俺たちのことを信用してくれてるんだ。期待に応えないとな!」


『おお〜!』


なんかやる気になってる。

私も負けないように頑張ろ!




















「さてここからは具体的にどうやってドラゴンを倒すかだ。」


場所が変わって冒険者ギルドの裏。

国王とお母さんと私の3人で話している。


「私が突っ込むから、国王とお母さんサポートしてよ。」


「だめだ。それはずるい。俺が突っ込むからお前たちがサポートしてくれ。」


ずるいって、子どもか!

それに国王もずるい作戦じゃん!

私子どもなんだから私に譲るべきだよ。


国王と視線で戦っているとお母さんが案を出した。


「なら、私とレーカが突っ込むから国王は観戦ってことでどうかしら?」


「いいね、それ。じゃあそれに決定!」


「おい、勝手に決めるな。ていうか観戦ってなんだ。せめてサポートだろ。」


『後ろ。』


「後ろがどうした。話を逸らすんじゃない。」


「ええ、そうですね。話を逸らすのは良くないと思います。」


「えっ?」


国王の後ろから聞こえてきた声に、国王の顔はどんどん青くなっていった。

そう、マルタさんである。


「国王様。万が一ということがあるかもしれないから参加してはいけないって言いましたよね。」


「だっ、だが俺は同意してないぞ。」


「あなたに拒否権なんてありません。」


「なっ!俺が強いのは知ってるだろう。万が一なんて起こらない!」


「そうですね。国王様が強いのは知ってますよ。強い国王様なら事務仕事もちょちょいのちょいですよね。」


「えっ?」


「ドラゴンを理由にして事務仕事から逃げようなんてさせませんよ。」


逃げ出そうとする国王に対して私は素早く魔法を発動させる。

前にアーリーにかけた動きを止める魔法だ。


「くそ。なんだ?動けん。」


「レーカ様ありがとうございます。では私はこのまま国王を連れて城に戻ります。ドラゴン退治お願いします。」


そう言ってマルタさんは去っていった。

ていうか、速っ。

あの人何者なんだろ?

まあとにかくお母さんとドラゴン戦だ。


楽しみ!



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