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モフモフそして担当

うーん。

あれ?

知らない天井。

知らないベッド。

知ってるアーリー。

あっ、アーリーだ。


ベッドはすごく広く、私とアーリーが一緒に寝ても問題ないぐらいの大きさだ。


よし。


私は素早くアーリーのベッドに潜り込むとアーリーに抱きついた。


おやすみ。

















「起きてください、レーカちゃん。学校ですよ。」


「うーん。後ちょっと。」


「ダメですよ。学校遅れちゃいますよ。」


「後ちょっとだけ。」


「美味しいご飯用意してますよ。」


ガバっ!

私はベッドから急いで飛び起きた。


「やっと起きましたね。ていうかいつの間に私のベッドに潜り込んだんですか?気付いたらいましたけど。」


「分かんない!」


「そうですか。まぁいいですけど。とりあえず朝ご飯食べましょう。」


「ていうかここどこなの?」


「王城ですよ。レーカちゃんがもう寝そうで宿とかどこにとってるか分からなかったのでとりあえず連れてきました。」


「そうなんだ。ありがと!アーリー。」


「……かわいい。」


ご飯!ご飯!

アーリーがなんか言ってた気がするけど、どうでもいいよね!

多分私に向かって行ってるわけではないと思うし。

そんなことよりご飯だよ。

王城のご飯って何が出てくるんだろう?

きっと美味しいよね!

楽しみ〜!

早く行こう!


「あっちょっとレーカちゃん!待って〜。」


















ジュワー!

とろーり。

カリカリ!

サクサク!













はぁ〜。

生きてるって幸せ。

やっぱり王城ってすごいね。

美味しい料理が次々と出てくるだよ!

すっごく美味しくて、もうなんかホワーってなるていうかハワーってなるって言うか。

とにかくすごいの。

美味しくて一瞬意識が飛びそうになったの!

あんな料理を毎日食べれるなんてアーリーはずるいよね!


「レーカちゃん急いでください!遅刻しちゃいますよ!」


「なんで?」


登校時間まで後3分ぐらいあるはずなんだけど。


「ここから馬車でも15分ぐらいかかるんですよ!」


「転移魔法使えば一瞬だよ。」


「え?」


「え?」


登校に転移魔法使うなんて当たり前だよね?

なんで馬車?


「あのレーカちゃん……。転移魔法というのはあの離れた距離を一瞬で移動できるというアレですか?」


「それ以外なんかあったっけ?まぁいいや。とりあえず行くよ。」


「えっ。ちょっと待って。まだ心の準備が


私はアーリーの手を取ると転移魔法を発動させる。

アーリーがなんか言ってる気がするけど気のせい気のせい。


「待ってって言ってるのに〜!」





















「そろそろ席に着いておけ。後、まだ来てないやつがいたら教えてくれ。」


「先生、王女様とレーカちゃんがまだ来てません。」


「なんだ、あいつらまだ来てないのか?あれほど遅れずに来いと言ったのに。」


「先生、なんか先生光ってますよ。」


「俺はまだハゲてないぞって、なんか光ってる?うおっ!」


光はだんだん強くなり、何も見えなくなった後にいたのは……はい、皆さんの想像通り私とアーリーです!

なんか足場が不安定な気がする。

なんでだろ?


「レーカちゃん、先生踏んでます!先生を踏んじゃってます!」


「お前ら登校時間ギリギリに来ていい度胸だな!」


「いや〜それほどでも〜。」


いや〜、早速褒められちゃった!

さすがは私。


「レーカちゃん、褒められてないからね。」


「えっ?」


褒められて、ない?

そんな。

ガビーン。

褒められたと思ったのに。


『へこんでるレーカちゃんかわいい。』


「とりあえずどいてくれ。死にそうだ。」


「しょうがないですね〜。いくら出します?」


「出さんわ!いいから席に着け。」


ちぇ。

銅貨何枚ぐらいかもらえると思ったのに。












「とりあえず自己紹介するぞ。俺はアルベルト・フリージオ。お前らD組の担任だ。一応もう1人担任がいるが今は出張中だ。さて、このこのクラスには女子が集まっている。お偉いさんは女子は使えないと思っているらしい。だから、成績が良くてもDクラスに入れられている。お前たちはこの話を聞いてどうしたい?」


「先生私はモフモフしたいです!」


『はっ?』


「いやだからモフモフしたいです!」


そんな声を揃えてはっ?て言われても。

そりゃモフモフしたいですよね、普通。

だってモフモフはモフモフだから。


「お前、俺の話聞いてたか?」


「ちゃんと聞いてましたよ。」


「じゃあそれを聞いてどう思った。」


「だから、モフモフしたいと思いました。」


「ダメだこいつ……。おいアーリー、お前レーカ担当だろう。なんとか話通じるようにできないのか?」


「私いつの間にレーカちゃん担当に、なったんですか?まぁいいですけど。後、無理です。レーカちゃん常にモフモフのこと考えてるので。」


「だって使えない男子がAクラスに固まってるんでしょ。ラッキーじゃないですか!」


「使えないってお前な……。あっちには勇者とかいるんだぞ。」


「与えられた力に溺れてるクソゴミでしょ?」


「お前な……。まぁちょうどいい。半年後にAクラスとの対決がある。お前には勇者の相手をしてもらうからな。」


「しょうがないですね〜。いくら出します?」


「だから出さんわ!お前がやらなかったらアーリーが戦うことになるからな。アーリーをあの勇者に近づけてもいいならサボってもいいぞ。」



それは困ったな。

せっかくできた縁だ。

王女となればいろいろしてもらえるだろう。

モフモフのためなら使えるものはなんでも使わなきゃ!

だから、できればこの縁を切りたくない。

それにアーリーは大事な抱き枕だ!

実際重要なのはこれ。

いや〜、アーリーって抱き枕にちょうど良いんだよね。

あったかいし、いい匂いがするし。

それにいいベッドが絶対付いてくるし!

そういう理由からアーリーの好感度が下がるのと勇者の相手をするのとなら勇者の相手をする方がいいと思う。

しょうがないか〜。

弱い人と戦っても面白くないんだけどな〜。

そうだ。

新しい魔法の実験台にしよう!


「ちなみに今日の授業は配布物配ったら、終わりだ。後は各自自由にしてくれ。」


『はーい。』


















「モフモフたちよ。私は帰ってきた!」


「何やってるの?レーカちゃん。」


「モフモフに私が来たことを知らせてる。」


「いや、それは分かってるよ!そういう意味じゃなくて、あー。もういいよ。」


モフモフよ。

覚悟するんだな!

貴様らがそんな余裕の表情をしてられるのも今のうちだ!

今日は秘密兵器を持ってきたからな。

ハーハッハッハッハ!


「行くぞ!」


「えっ?レーカちゃん!何する気?」


私は懐からブラシを取り出すとモフモフたちをブラッシングした。


「レーカちゃんそれ何?」


「ブラシだよ。」


「ブラシ?何する道具なの?」


「ブラッシングだけど。」


「……。どこかにレーカちゃんの言葉を通訳してくれる人いないかな。」


「ちょっとした冗談だよ!まぁ見てて。こうしてこうしてこうするの!そしたらモフモフはファ〜ってなってヒャ〜ってなってなんかすごいの!」


「うん。(何も分からないということが)分かったよ。」


「ほらほらおいでおいで〜。」


私の声に釣られるようにしてモフモフたちが私の方に寄ってくる。

ほらほら〜。

もう逃げられないでしょ!

ブラッシングは気持ちいいからね〜。

そしてブラシの手にかかったモフモフの鳴き声によってさらにモフモフが寄ってくる。

そうすればモフモフたちによる布団の完成だ。

はぁ〜。

幸せ。

ここには鳥、猫、犬、羊など様々なモフモフがいる。

ちなみに私のお気に入りは真っ白なネコちゃんである。

雰囲気がなんとなくフィルさんに似ているので、勝手にフェルと名前をつけた。

我ながらいいネーミングセンス!





が欲しいなって思う今日この頃です。

いやほんとまじで!



モフモフが気持ちいいしあったかいしで、なんだか眠くなってきた。

私はアーリーをモフモフ布団の中に引き込んで抱き枕にする。


「ちょっ、レーカちゃん?」


ついでにアーリーとの間にフェルを入れた。

ファ〜。

おやすみ。









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