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モフモフそして担任



うっは〜!

天国か?

ここは天国なのか?

はぁ〜。

癒される。

ずっとここにいたい。



そう、私は見つけてしまったのだ。

天国を。

あっ、じゃなくてモフモフを。

天国すぎてつい天国って言っちゃった。



そこは王立学園のモフモフ同好会が使っている部屋だった。

そこにはたくさんのモフモフがいた。

もうこれはモフるしかないでしょ!

というわけでモフってます。



「あの〜レーカちゃん。そろそろ次行きませんか?」


「とか言いつつアーリーもモフモフしてるじゃん!」


「アハハ、バレました?」


「バレバレだよ。ていうか人である限りモフモフの魅力から逃れるすべはないのだ。ハーハッハ!」


「ハーハッハ!」


『ワーハッハッハッハー!』
















私とアーリーがモフモフを満喫していると不意に声が聞こえてきた。



「みんなただいま〜。疲れたよ。癒やして〜。」 



誰かきた?

同好会の人かな?



「お邪魔してます。」


「おおおおおお王女様?さささ先ほどの無礼な態度をどうかお許しください。王女様がいるなんて知らなかったんです。どうかどうか命だけは。」



騒がしい人だな〜。

ちょっと騒いだぐらいで殺されるわけないじゃん。



「私に気を使う必要はありませんよ〜。逆に普通に接してもらえたらうれしいです。」


「は〜。よかった。ていうか王女様とそこの子はなんでこんなところに?」


「王女様じゃなくてアーリーって呼んでください。実は私達入学試験に受かったので学校の見学をしてたんですよ。」


「そ、そうなんですか。でも、新入生って今説明会してませんでしたっけ?」


『え?』


「え?」



説明会?

そんなのあったの。

そう思いつつ私は魔法をこっそり魔法を発動させる。

その魔法は景色を見る魔法を私がちょっとだけ改造したものだ。

とある場所の一定時間の景色を音声付きで流すという便利な魔法になったのでよく活用している。

私はこの魔法は使って説明会の内容を見たのだが、大事なことは一切言ってなかった。

ほとんどがこの学園の歴史についての自慢話だった。

歴史とかどうでもいいし。

大事なのはモフモフがあるかだし。



「特に大事な内容とかもなかったよ。」


「えっ?レーカちゃんなんで分かるの?」


「魔法で。」


「いやいやそんな便利な魔法あるわけないよ。アーリー様はそんな魔法知っていますか?」


「様もなしでお願いします。ここではあなたの方が先輩なんですから。それで魔法ですがそんな魔法は知りませんね。せめて属性が分かれば分かるかもしれませんが、それを聞くのはマナー違反ですから。」


「属性?なにそれ?」


「えっ?属性も知らないんですか?それじゃあレーカちゃんはどうやって魔法を発動させているんですか?」


「どうって……普通に?」


「いやいやいや普通にしたら属性は絶対必要ですよ。いいですか、魔法っていうのは自分が発動させたい属性の精霊にお願いするんですよ。」


精霊にお願いする?

精霊って何?

ていうか魔力どこ行ったの?

もしかしてこの世界の人が使ってる魔法が魔力の割に威力がしょぼいのは変な使い方してるからってこと?


「アーリーちょっと魔法使ってみて。」


「分かりました。」



そう言うとアーリーは詠唱を始めた。

私は魔力を見えるようにする魔法を発動させてそれを見ていた。

私は魔法を発動させるとき基本的に魔法陣を使っている。

魔法陣は詠唱の代わりであり、慣れるまでは詠唱の方が楽なのでアーリーが詠唱を使っているのはおかしいことではない。

しかし、詠唱の内容がちょっと変だった。

その詠唱によってなんらかのシステムが働いて魔力を勝手に動かしているのだ。

これではまるで魔術だ。



魔術とは前世の時代になんらかの理由で魔力の操作ができない人のために開発されたシステムだ。

前世の時代は魔法を使えるのは当たり前で魔法は生活の一部になっていた。

そのため魔法が使えないと1人で生きていけないのだ。

魔法を使うためには魔力を操作しないといけない。

しかし、魔力を操作できない人が何人かいたのだ。

その人たちのために開発されたのが魔術という訳だ。

魔術は少し特殊な詠唱をすることで自分の魔力をシステムが勝手に操作して魔法を発動する。

そのため魔力を操作できなくても魔法が使えるのだが、そのかわり効率がすごく悪い。

大量の魔力を消費するのだ。

前世の時代の人は持っている魔力量がかなり多かったので問題ないが、この時代の人の魔力量はかなり少ないのに魔術なんて使ってたらしょぼい魔法しか発動できない。

あっ!

だからアーリーの魔法はしょぼかったのか。



「また今度本当の魔法を教えてあげるよ。」


「本当というのは分かりませんが、レーカちゃんの魔法の威力がすごいのは知ってますからね。教えてもらえるならうれしいです。」


「ついでに私も教えてもらってもいい。」


「いいよ。」



まぁ今はもうちょっとモフモフを堪能しよう。


















「で、お前ら言い訳があるなら聞こう。」


「自称勇者くんがうざくて同じ空気をすいたくなかったので逃げてました。だから、全部自称勇者くんが悪いと思います。」



何も間違ったことは言っていない。

ただ都合の悪いことは言ってないだけだ。



「はぁ〜。お前な〜、俺は平民とか貴族とか勇者とかどうでもいいと思っているからいいが、他の教師の前でそんなこと言うなよ。後、自称勇者は一応ちゃんとした勇者だ。勇者のスキルを持っているからな。だからあまり悪口を言うんじゃないぞ。」



今何をしているかと言うと先生に怒られている。

何故かって?

そりゃアレですよ奥さん。

説明会に行ってなかったからですよ。

ちなみにアーリーはお咎めなしだった。

どうやら貴族や王族は特別待遇らしい。

ずるいよね。



「おい、ちゃんと聞いてるのか。お前は入試で1位とってるからいろんなやつに目をつけられてるんだ。頼むからなるべくトラブルを起こさないでくれ。俺の庇える範囲ならいいが勇者や王族が絡むとさすがに無理だ。」



この先生以外といい人だね。

勇者に喧嘩売ってる私を庇おうって思う人なかなかいないと思うよ。



「後お前のクラスDだから。担任は俺だ。明日からちゃんと来るように。」


「明日からあるの?」


「あるぞ。」


「えー。めんどくさ。」


「いや、お前なんのために入ったんだよ。」


「モフモフのため!」



そんなの当たり前じゃないですか!

察してくださいよ!



「はぁ〜。お前な〜。まぁいい。明日からちゃんと来るんだぞ。」


「はーい。」


ようやく解放された。

思ってたより怒られなかったけど、長かった。

もう遅いし帰るか。

モフモフはまた明ふぁ〜。

眠たい……。















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