蛞蝓の呪い……?
※ナメクジ注意。
梅雨時期の夜。雨が止んだので、天気予報の雨雲レーダーをチェックして、これなら多分大丈夫だろうとAさんが買い物に出たときのこと。
お店に着いたAさんは車から降りてドアを閉めようとして、絶句した。
なんと、運転席のドアにはデカい……体長30センチ程もある蛞蝓が張り付いていたからだ。
30センチ程の長さの割に太くはなく、直径は1センチあったかどうか。
ただただ気持ち悪い。退治しようにも、ここは家ではなくて出先のお店の駐車場。都合よく塩などは持っていない。
Aさんは触るのは絶対に厭だったが、このままドアを開けっ放しで買い物には行けない。というか、蛞蝓に車内に入られても厭だと、カバンを漁った。
カバンの中にはレシートがあったので、レシートを使って嫌々ながらにデカい蛞蝓をドアから引き剥がした。
これで買い物ができると、ドアを閉めて施錠したAさんが買い物を終えて車に乗ろうとして――――
また、絶句した。先程落とした蛞蝓が、また運転席のドアに張り付いていたからだ。しかも、今度はドアノブ付近に。
Aさんは泣きそうになりながら、また蛞蝓をドアから引き剥がして駐車場へ落とした。
そして、車に乗り込もうとした瞬間に土砂降りの雨に見舞われた。
雨雲レーダーの予報では、もう少し晴れ間の時間が続くはずだったのに。
急いで車に乗ったが、髪の毛はぐっしょりと濡れていた。そして、激しい雨で視界は悪く、更には帰る途中の道路が冠水していて運転が大変だったという。
あのデカい蛞蝓の呪いか? と、厭な気分で家に帰ったAさんは……ずぶ濡れになったせいか、風邪をひいて数日寝込んでしまったそうだ。
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