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視えてるらしい。  作者: 月白ヤトヒコ


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33/48

××へ連れて行って・・・


 主にタクシーが多いと思うが、偶にヒッチハイクやツーリングなどのバージョンでも聞かれる、有名な怪談がある。


 概要はこうだ。


 タクシーや自家用車、レンタカー、バイクなどの運転手が、人気(ひとけ)の無い場所や道、山中、病院、墓や火葬場の近くなどなど……etc.でお客(誰か)を乗せる。


 その人は異様な雰囲気だが、道案内の下どうにか目的地まで連れて行くと、お客はお金やお礼の品を取って来ると言って、家の中に入って行く。

 その後、何分待ってもその人は家から出て来ない。

 不審に思った運転手が家の呼び鈴を鳴らすと、家人が出て来て慣れたようにお金を払ったり、お礼をしたりする。

 連れて来たという人は、実はもう既に亡くなっていて、命日やらこの時期になると戻って来る。けれど家人は、『戻って来た筈の人』とは未だ会ったことがない、と言われ・・・


 という風に終わる。


 この話のことを、とても不思議に思っていた。


 それは、「なぜ『彼ら』は、同じことを繰り返すのか?」ということだ。


 目的地である場所(大体は自宅や実家など)に帰って来たのなに、なぜわざわざまた元いた場所(タクシーなどに乗った場所)に戻って、同じことを繰り返すのだろうか? と。


 そこで、気付いた。


 『彼ら』には、戻りたいという強烈な想い(・・)がある(幽霊になってタクシーなどに乗るくらいに)ようなのは明白だ。しかし、『彼ら』には帰りたい場所へと戻ったその後(・・・)のことが無いのだろう、と。


 だから、帰りたい場所へ戻ったというのに、その後のビジョンが無く、また最初の地点(・・・・・)から、戻りたいと願った場所へと『帰るという行為』だけを繰り返して(・・・・・)いるのではないだろうか?


 それはある意味、同じルートを繰り返し辿(たど)る自縛霊のようなモノ、なのかもしれない・・・



 読んでくださり、ありがとうございました。

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