足跡。
とある建物の屋上の話。
マンションやアパート、ビル、学校などの屋上は立ち入り禁止になっていることが多いだろう。
よくある不幸な事故、その防止の為に。
その建物も、屋上は立ち入り禁止になっているのだそうだ。けれど、その屋上には偶に、業者が出入りするらしい。
普段は施錠されている筈の屋上の、とある一角で、不幸な事故が起きると、その建物の管理人が業者を呼ぶのだとか。
その業者は塗装業者で、屋上の塗装をお願いするらしい。「アレを綺麗に塗り直してください」と。
建物の管理人の言うアレというのは、足跡のことなのだそうだ。靴を、丁度一足分揃えて置いたような足跡。
その建物のとある一角に、何度ペンキを塗って消しても、足跡が浮き出て来るのだという。
屋上での不幸な事故の後には、決まってその足跡の上に靴が揃えて置かれているのだとか・・・
足跡が人を呼ぶのか、それとも不幸な事故が起きるから、足跡が浮き出て来るのだろうか?
いずれにせよ、建物の管理人はその足跡が人を呼ぶと思っているから、消すのに躍起になっているのかもしれない。
読んでくださり、ありがとうございました。
ドラマなんかで、よく見ますよね。飛び降り自殺を図る人の靴が、きちんと揃えられて置かれているシーン。




