部外者立ち入り禁止。
とあるマンションの話。
そのマンションは、居住者以外の立ち入りを固く禁じているそうだ。
郵便物は、下のポストへ。新聞なども、各部屋へは絶対に届けさせない。保険やセールスなどの立ち入り、デリバリーの類なども禁止されているという。
なぜなら・・・
そのマンションでは、屋上からよく人が飛ぶからなのだそうだ。最近では数年に一度程。それ以前の多いときには、数ヶ月に一度という頻度で・・・
それも、飛ぶのはマンションの居住者ではないらしい。
ふらりと立ち寄った他人が、屋上から飛んでしまうのだそうだ。居住者とは全く無関係な人が、ナニかに吸い寄せられるように、そのマンションの屋上へと上がり、飛ぶのだという。
それは郵便局員や新聞配達員だったり、保険やその他セールス、そのマンションの前を偶々通り掛かっただけの通行人などが・・・
そのマンションの屋上は、普段は施錠されており、屋上には出られないようになっている筈、なのに・・・誰かが飛ぶときには、なぜか偶然鍵が開いているそうだ。
無論、管理人はいつも気を付けているらしいのだが、いつの間にか鍵が勝手に開いていることがあるのだという。
だから、居住者以外の立ち入りを固く禁じているのだそうだ。そして、ふらりと引き寄せられた無断侵入者を追い返すのだそうだが・・・
どんなに気を付けていても、数年に一度はやはり、誰かが落ちてしまうのだという。
落ちた人で、助かった人もいるそうだが、なんで自分がそのマンションで『飛んでしまった』のかは、全くわからないらしい。
自分が『飛んだ』という記憶も、全く無いそうだ。気が付いたら、病院にいたのだという。
そのマンションの、ナニが屋上で人を呼んでいるのだろうか・・・
読んでくださり、ありがとうございました。




