表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/48

蛍・・・

 とある夜、Aさんが寝ようと明かりを消して寝転がったときのことだという。


 風通しの為に開けていた部屋のドア付近から、ふわ~っと淡い黄緑色の光が緩やかに明滅しながら、部屋の中へと飛んで来たそうだ。


 その夜は蛍が出るには少し早い時期だったが・・・Aさんは虫が嫌いだったので、ゲッ! と思いつつ、眠気を堪えて明かりを()けた。


 しかし、明かりを点けた部屋の中には、なにも飛んでいなかった。


 Aさんは見間違えたか? と思い、寝ようと思って、また明かりを消した。


 すると、またしても淡い黄緑色の光がふわふわと明滅しながら部屋の中を飛び、その光は部屋のとある場所で止まった。


 Aさんは舌打ちをし、また明かりを点けた。けれど、やはり蛍の姿は見えなかった。


 しかし、蛍の止まっていた場所には、写真が飾ってあり――――Aさんは、その写真を見てぽつんと呟いた。


「ああ、今日はあいつの誕生日だったか」


 その日は、Aさんの亡くなった兄弟の誕生日だったそうだ。飾ってあったという写真は、その兄弟のもので・・・


 そして、部屋の中から蛍の死骸が見付かることは無かったという。

 読んでくださり、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ