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2/10

そして出会い

それから3日がすぐにたった。

アレシアはここで降りる。

あの日の夜は……うん。

何もなかったわけではなかった。



「ルーネ、ありがとう。そして、次にあった時は」


「うん、アレシア、次会った時は」


「「親友だ」よ」


二人で拳を合わせる。

アレシアは手を振りながら船から降りて行った。


「……一人に、なっちゃったな」


私はそこからずっと海を見ていた。ただ意味もなくぼんやりと。


そういえばこんなにもゆっくりとした時間を味わうのはいつぶりだろう?


……いや、これが初めてかも知れない。

向こう、日本にいた時もこんなにゆっくりとした時間はなかった気がする。


今まで気づいていなかったけれど、多くの鳥が飛んでいる。渡り鳥だろう。昔本で見たカモメによく似ていた。


「そこのお嬢さん、ちょっといいかな?」


不意に、後ろから声がかけられた。


油断、というよりも警戒はしていなかったが、それでも後ろを取られてしまうとは、ぼーっとしすぎた。


しかし、声の主は明らかに男だ。

私は基本的に口下手で初めて話す人とは緊張し過ぎて喋れない。しかも、相手が男性だとそれが顕著に表れる。


結果。


「な、なんでしょうか?」


腰に付けていた剣を握って相手を軽く威嚇しながら向き合うことになってしまった。


まずい。これはいくらなんでも失礼過ぎる。


だが、こうするしか話すことができないのだ。


そんな私に彼は、まるで私みたいなものが普通のように普通に話しかけてくる。


「いや、勘違いだったら恥ずかしいんだけど、君もしかして、冒険者目指している?」


「!?」


驚いた。


二つのことに。


一つ目は彼が私のこれからを知っていたことだが、これはたまに外で言っていたので、その時に小耳に挟んだのだろうと考えた。


しかし、もう一つは彼の容姿だった。


美しい。


そう、美しい。イケメンなどでは無い。ただ単に存在が美しかった。

銀髪の短い髪に真っ赤な瞳、身長は175センチくらいだろう。そして、美しいその顔は、もしかしたら、あのアレシアよりも美しいかも知れなかった。


……だが。

それでも態度には出さずに極めて冷静を装う。


「そうですけど。あ、あなたは誰ですか?」


「ああそうだね、まあ確かに俺のことを言わないといけないか。俺はローヴェン。まあ、冒険者ギルドの人間だ」


「冒険者ギルド……」


「ああ。お嬢さん、当てはあるのか?ないならうちに来るといい。多分、嬢ちゃんならうちのギルドでもやっていけるし、正常な人間だ」


「はぁ?正常?」


意味がわからないが、どうやらこの少年?についていけばギルドに入れるらしい。だが。


「何故、教えてくれるのですか?」


「今、ギルドに新人連れ込むと5万ケルンが貰えるんだよ」


至極あっさりと俗物にまみれた答えを言ってくれた。


因みにケルンとはこの世界共通の金額の単位である。一ケルン一円くらいだ。つまり5万円貰えるということだ。だが……それは大丈夫なのだろうか?日本にも友達に入会させると云々のネズミ講という犯罪的やり方のような感じだ。


「あ、言っとくけど、クリーンだからな?ちゃんと報酬はもらえる。天引きもまあまあ少ない。そんないい感じの職場だぞ?ノルマとかもないし」


「そうですか」


ちょっと引いてしまう。


顔が美しいから、並の女性だったらホイホイとついて行ってしまいそうだ。

そう考えていると。


「おーい!冒険者さん!キングオクトパスが!キングオクトパスが現れた!」


ひとりの船乗りが慌てた様子でやってきた。


「おっとわかった。行こう」


「待ってください」


自然と言葉が出た。冒険者を目指しているからだろうか?


「私も、連れて行ってください!」


「わかった。まあ、冒険者になりたいんなら、どういうことするかくらいは見ておきたいよな」


ローヴェンさんは振り向いてニッと笑った。


「!ありがとうございます!」


「何、いいってことさ」


そうして、船乗りに言われた場所に来てみると。


「あれが、キングオクトパス……おおきい」


この船くらいはありそうな巨大な赤いタコが、この船に突っ込んで来るのがわかった。


「うーん、あの大きさかあ……まあいいか」


だが、ローヴェンさんはそこまで焦っていなかった。


「私も手伝います!」


あの距離ならギリギリ魔法で届くだろう。


仮にも勇者だったんだ。あの位ならどうって事ない。


「いや、これは冒険者の仕事、まだお嬢さんは冒険者じゃないだろ?ならここは俺に任せときな」


そういうとローヴェンさんは腰から筒状のなにかを取り出した。


「うし、じゃあ軽くやりますか!」


そういうや否や、筒状の何かから水色の光が出てくる。


「綺麗……」


まるで、サファイアのように青く輝くその光はどんどん大きくなって行き、ついには見えないほど大きな高さになり。


「ほいさ」


その一言で振り下ろされたサファイアの光は、キングオクトパスをまるで豆腐のように切り裂いた。

明らかに異常な火力。

もしかしたら、ローヴェンさんは私よりも強いかも知れない。そう思わせてしまうほどの威力だった。


「うし、終わり。戻れ、ウロボロス」


するとどうだろうか、先の海の怪物を切り裂いた光は無くなっていた。


「それは……」


「ああ、これ?これは自在剣ウロボロス。自由自在に形を変えることができるっていう剣だよ」


「そうですか」


おそらく、あれはかなりの品だ。


あんな物を使えるなんて、ローヴェンさんは何者なんだろうか。


「ああそうだ。うちのギルドがある場所、というか、国を言うのを忘れてたよ。名前は、アリガルダンデ。まあ聞いたことくらいはあるんじゃないかな?悪い意味で」


「アリガルダンデ……確か、ならず者の国だと聞いています」


その言葉にローヴェンさんは苦笑い。


「まあ、本来は王族もちゃんといるし、ならず者なんて全然いないんだけどね?そう言う酷評をリストリアーナ国がなんか勝手に広めたいらしいね」


「それは、なんというか」


リストリアーナの人間であったのでなんとも言えない。

昔からリストリアーナ国がアリガルダンデは蕃国だと言っていたのだ。


現国王も行こうとしたのだが、部下たちに辞めろと言われていけないのだった。


「まあぶっちゃけそんな事はどうでもいいんだけど。俺の到着地点はアリガルダンデ国でも更に西にある極西と言われる町、ピリオドだ。この町はこの船の最終地点でもあるから、ピリオドに着いたら報酬もらってギルドにすぐ報告ができるのが強みだな」


「ピリオド、ですか」


これから自分が住むであろう町の名前に少し心が躍る私であった。


だが、まだ輝夜は知らない。ピリオドがどう言う町かを。

ピリオドの別名がアブノーマリティ(異常者たちの)シティ()である事に。キングオクトパスを瞬殺したローヴェンさんは今回の事を船乗りに話していた。


「かくかくしかじかしかいあいあクトゥルフということです」


「なるほど。いやしかし、あのクラーケンに並ぶ海の荒くれ者を瞬殺とは、流石ですね」


少し位が高そうな船乗り、恐らく船長がローヴェンさんを褒めちぎっていた。


「いや、俺の力というよりは武器が強かったので勝てたんですよ。元々俺は戦闘向きではありませんし」


嘘だ。

考えるよりも反射的にその言葉を考えてしまったが、武器を扱うにも相当な力が必要だ。それに、キングオクトパスを切った時は頭から真っ二つだった。あの長さのものを正確に当てて自分の力ではないとか、到底信じられる話ではない。


「いやいや、ははは。……ピリオドの冒険者ギルドから戦闘向きじゃないやつが来るとかねえだろ」


最後の方はギリギリ聞き取れたが、その言葉でピリオドに行くのをためらってしまう私であった。

周りを見ると、船乗りたちが苦笑いをしているのに気がついた。





それから1ヶ月が過ぎた。

道中は驚くほど何もなかった。

脅威もキングオクトパス以外は無かったし、船は最終到着地点に着いた。

そう。



「帰ってきた!!!!」


「ここが、ピリオド……」


ピリオドである。


「ほい、兄ちゃん。これが報告書だ。またなんかあったら頼むぜ!」


船長っぽい人、というか船長だが、その人から紙を受け取ると。


「あはは……ええまあ。その時があれば」


苦笑いをして誤魔化すローヴェンさんがいた。

そして私は……


「ま……ち?」


ピリオドの活気さに少しナイーブになっていた。


普段パリピではない私はなんだか、盛り上がっているのを見ると自分がいて良いのだろかという強迫観念に囚われてしまう。


しかし、私を責めないでほしい。

極西と言われて田舎な町だと思っていたのだ。

だが、見ると屋台などがズラッと並びまるでお祭りのようだった。


あまりにも心細かったので、これまでの間でかなり喋れるようになったローヴェンさんを見ると。


「……」


何故か深刻そうな顔をしていた。

な、なんだろうか?やっぱり今日はおかしいのだろうか?


「おかしいな……」


やはりおかしかったらしい。なんだろうか?ローヴェンさんが知らない祭りが開催されているとかなのだろうか?


「静かすぎる」


「これで!?」


これで!?声を荒げてしまう。

嫌だって、今も耳をすませば言い合っている声が聞こえるし、ドガッシャアアアンというなにかが壊れる音が何度も起きているし、付け加えればさっき人が私達の上を飛び越えて海にダイブして行った。


「いや、ルーネは運がいい。初見でこの町の本気を見ると気絶する奴がいるから」


「あの、私急激に帰りたくなってきたんですけど?」


彼はその美しい顔で私に素晴らしい笑みを見せると……


「無理」


「いやあああああああ!!!?離して!この人痴漢です!」


まるで米俵を担ぐかのように私を連行する。

私は叫んで助けを求めるのだが。


「あ、ここに住むなら不審者が夜這いした時の対処法とか教えてもらうといいよ。……あ、そっかルーネは女だから夜這いに来ないわ。なんでもない」


「それどういう意味ですか!?怖いんですけど!と言うか、自分で歩きます!歩きます!」


この男、私が結構本気出して腕を掴んでもビクともしない。やっぱこの人は化け物だった。




冒険者ギルド。

それは力のあるものが荒くれにならないようにアリガルダンデの王が作った。所謂国家権力である。

個人や、時には国などの組織から依頼を出されて、その内容を達成する事により、報酬が貰えというまあ、そういう機関だ。

そして、今私はその冒険者ギルドの前にいる。


「さて……ここが冒険者ギルドだ。……ちょっと待ってろ。今中をのぞいて来る」


そういうと、何故か一人でローヴェンさんは中に入ってしまった。

なんだろうか?恐らくだが、私はもう並みのことでは驚けない。

なんだか少し悲しくなって来る。

だが、ここに来る道中で焼き鳥の串が空を飛ぼうと必死に浮いていたり、家具が人間を家具にしていたり、目の前を通過した焼き鳥の串が、山の方へ飛んでいって木々をなぎ倒しているのを見ればもうなんか、驚く気が削がれる。

と、気をに込ませていると、ローヴェンさんが戻ってきた。


「ルーネ、おまえ本当に運がいい。こんなにギルドが静かなのは俺も初めてかもしれない」


そう言ってくれるので少し安心した。

いや、恐らくは静かではないが、もう慣れた私にとっては気が楽になった。

ので、私はローヴェンさんと一緒に中に入った。

瞬間目に飛び込んできたのは筋肉。


「やあ!」


「君が!」


「新しく!」


「ギルドに来る!」


「新人かね?」


「「「「「私たちは君を歓迎する!!!!!」」」」」


まあ、言葉だけ並べるならば、暑苦しい人たち程度だが、格好が問題だった。

まず、全員が全員筋肉むきむきであり、何故かお互いが違うポージングをしており……裸だった。

その時の私はなんというか……真っ白だった。人生で初めて男の人の裸を見て驚いたのかもしれないし、何故か筋肉たちが輝いていたし、みんながみんな美形であったからだろうか?

まあ、そんな事はどうでもいいんだが、頭の中が真っ白になって、反射的にローヴェンさんを殴りかかった。


「危な!?」


避けたせいで、純竜すら軽く殺す拳が床に当たって吹き飛んだ。

そして摑みかかる。


「なにが静かですか!どこが静かですか!アレ!アレですよ!アレはなんですか!いやごめんなさい言わなくても結構です!」


すると、感慨深そうに。


「そ、そうか!俺も昔はこんな感じだったのか!?ごめん!こいつら毎日ここにいるから慣れ過ぎてた!」


慣れならしょうがない。


「ふざけるなああああああ!!!!!」


「どうしたんだ!」


「新入り君!」


「わかったぞ!」


「私もだ!」


「そういうことか!」


「「「「「私達にもっと輝けと言っているのか!!!!」」」」」


その瞬間、筋肉から出てきた光が、ギルドを覆った。


「なんで……なんで筋肉から光が出て来るの?」


「神秘的だよな」


ローヴェンさんはバカなんだなと思ってしまった私を責めないでほしい。


「あの、あれって捕まらないんですか?」


「え?なんで捕まるの?」


認識の違いが酷過ぎて倒れたいが、ここで倒れたら後々凄いことになりそうで、本気で堪えた。


「あ、そうだ。ギルド登録したいから、ちょっとどいてくれないか」


すると筋肉達はスルスルと気持ち悪い動きでこの場を離れていく。


「……(放心状態)は!そうですね、ギルド登録しましょう!」


「……おい、今日はマリアさんいるか?」


筋肉がインパクト高すぎて周りを見ていなかったが、このギルド、かなり広い。ローヴェンさんが言った方に目を向けると、そこには美少女が座っていた。

よく見るとエルフだったが、座っている場所と、対峙している相手がすごかった。

まず、リストリアーナ国は亜人に対する迫害が凄まじく、私は獣人どころか、エルフにすらあったことがない。なのでここは感動するべきな場所なのだが、そのエルフ、横顔だけでも大変美しい事がわかるのだが、座っているのは大量のケルン金貨が積まれてできた椅子だった。

そして対峙している相手はすっぽんぽんで(ここは普通驚くべきところだが、先の筋肉達のせいで頭が麻痺している)テーブルに掛け金を出している。カードを持っていることから、恐らくはそう言った類の賭け事だろう。

そして、男が出したのは。


「い、いいだろう!俺の全財産!1000万ケルン!これでどうだ!」


とある紙を出した。あれは契約書。

この賭けに負けたらマジでゲームオーバーだ。

というか、対戦相手の男は目に焦点が合っていない。


「ヒヒヒ、オールインだ。さあどうする?逃げるか?まあ!逃げてもいいぞ!?その場合はお前が負け犬になるだけだからな!」


すると、エルフの少女は凛とした声で。


「うん?ローヴェンじゃないか。帰ってきたのか?あ、言っておくがあいつらはまだ帰ってきてないからな?」


思いっきり無視した。


「え、ちょ、は?」


対戦相手は困惑している。

それはそうだ。人生を全てかけたのに、いつのまにか出てきた男に対して話し始めたんだから。


「だろうなあ、で?マリアさんいる?」


「お、おい!いいのか?負け犬!?男に逃げるのか!?」


「マリアさんか?今日は見ていないな。ところでお前、早く私に犯されてくれないか?処女拗らせて同族に慰められるのはかなり屈辱なんだが」


「え?絶対やだ」


「あの、聴いてます、か?」


なんだか、会話も凄いが、相手が可哀想になって来る。

というか、あのエルフの発言に引くが、超がつくほど美人なエルフに犯されろ発言されといて、真顔で嫌だと言っているローヴェンさんにも驚く。


「聴いてる聴いてる。1000万ケルンだろ?まあ、乗ってやる。お前がオールインならば、そうだな。私はお前の望む物を叶えてやろう。もちろん私の体でも構わない」


「事故物件すぎるだろ」


ローヴェンさんが何か言ったが、男の方は明らかに鼻を垂らしている。


「よ、よし、じゃあ行くぞ!」


「あ、私はロイヤルストレートフラッシュだから」


賭け漫画で先出しは負けという常識を覆すような発言。


「な!?ま、待て!俺もロイヤルストレートフラッシュだ!しかも!お前て同じフダの!」


見ると、お互いがスペードのロイヤルストレートフラッシュだった。


「い、インチキだ!こんな事はあり得ない!」


「ああ、そうだな。インチキだ。時に聞くが、お前、なんでトランプの柄が違うんだ?」


「え?は?」


よく見ると、彼の持っているトランプの裏の色は青に対し、エルフの持っているトランプは赤、そして、テーブルに置かれた山札の色は赤だった。


「いや、まさかまさか、こんな手で来るとは思わなかったよ。いやそれにしても、こんな間抜けな終わりとはな」


「ち、違う!お前が仕組んだんだ!魔法を使ったんだろ!」


すると、エルフの目つきは鋭く、口元はあのリストリアーナ王すら可愛く見える獰猛な笑みを浮かべた。


「おっと?ここでそんな事を言うのならば、勿論、どんな魔法をいつ使ったのかわかるんだよな?」


「そ、それは……」


「まさかとは言わないが、何もないなんて事は無いよな?まさか今から考えるのか?私のあるかもわからない不正を?いやいや、自分の妻子を気にせずにそんな事を考えるのか?」


「さい……し?」


男がなんだかわからないような顔をしている。


「あいつ嫌なやつだよなあ」


するとローヴェンさんがやってくる。


「あの、もしかしてですけど、本当に全財産(あいつの全部)取るんですか?」


「いやー、あいつはその程度じゃ済まないよ」


「待て!妻と娘は関係ないだろう!」


「いや?お前は確かに言った。全財産をかけるとな?」


そういい契約書でペチペチ相手の顔を叩く。

その時。

バンと勢い良くドアが開かれる。

すると、綺麗な女性と女の子が入ってくる。


「ティアナ様、屋敷の取り払い、及び周辺団体の掌握、完了しました」


「ティアナ様ー」


あのエルフはティアナと言うらしい。


「それは良い知らせだな」


そしてティアナは男に向き直り。


「さて、ガーゼル公、安心してくれたまえ、もう君の妻子はこちら側についている。さて、ここで相談……いや、命令だ。その1000万ケルンで私の役に立ってみろ。まずは、クレシアで大きなカジノを運営して貰おうかな?君ならば、出来るだろう?」


その瞬間、確実に目の前の男は折れた。


「あいつのやり方って、負けて勝って負けて勝ってを繰り返して、最後に相手を絶望の淵に叩き落として、実はもうお前以外とは話ついてましたが多いから、ワンパターンだよな」


「いや、もうなんて言えばいいのか」


なんだか、本気でこの町でやっていけるかを心配してしまうのはおかしいだろうか?


「そういえば、マリアさんとは誰なんですか?」


「……そうだな、このギルドの受付嬢?であって、このギルドでも最も恐れられているヴォルペ、ああ。まあ、組合だ。で、その最も恐れられているヴォルペを作った張本人だ」


「……今日はいないんですよね?」


「……はず」


なんだろう、今までよりもどんよりしている。


「うし、行くか」


「骨くらいは拾っておいてやる」


いつのまにか、ティアナが側にいた。

そんなに危険なのか……



さて、……大丈夫だ。いないと言っていた。ティアナはまあ、嘘は付いていないだろう。あいつは周りを見る事に長けている。大丈夫、大丈夫。

くそ!足取りが重い!

なんで今日はこんなにも静かなんだ!

いつもはレーザービームとか打ってギルド半壊してるだろ!

俺はそう思い、バクバクなる心臓をどうにか抑えて、鈴を鳴らす。


「す、すみません。依頼を——」


「あら?ローヴェンちゃんじゃない。私が来た時にちょうど来るなんて、やっぱり私達、運命で結ばれているのね」


「やっぱ明日持って来ます!」


クソ!絶対嘘だ!あいつ俺が今日帰って来ることを知ってて、俺が出るまで待ってた!


「あらやだいけずね〜そんなローヴェンちゃんも可愛くて素敵よ」



なんだか、ローヴェンさんがめちゃくちゃ美人な人に追いかけ回されている。


「あの、あの、人、は?」


……やはり口下手は治らないらしい。だが、そんな事を気にした様子もなく。ティアナさんは話してくれる。


「あの人はマリア。ヴォルペ【プリティボーイ】を作った人だな。同族……エルフだから、見間違えやすいんだが、あいつは男だ」


と、真実を聞いていると、ローヴェンさんが簀巻きにされていた。


「無理だ!お前の愛を受け止めて欲しいのなら他のやつにしろ!」


「違うのよ、その、私ね……ローヴェンちゃんじゃなきゃ興奮できない体になっちゃったの!」


「知るかあああああああああああ!!!」


「あのローヴェンさんが、ああも簡単に……」


「あの人、一応はSランク冒険者だからね。まあ、流石に助けに行こう」


「あ、助ける、んですね?」


少し以外だった。この人を見直した。


「ああ、マリアから奪って犯す」


前言撤回。


「そうだ!マリア!以来だ!それに新人も連れてきた!いいのか?ギルドの仕事しなくて!」


私を盾にしやがった!?


「むぅ……仕方ないわね……けど、あなたのハートを撃ち抜くのはわ・た・し・よウフ」


「死にたい」


何でか知らないんですけど、私もこの人に見られました。どうしてくれるんですか、ローヴェンさん……

ローヴェン(=゜ω゜)ノ「ようこそピリオドのギルドへ!もう逃さない!大丈夫、3日もいれば慣れるから!」


ルーネ((((;゜Д゜)))))))「いや、いやいや、なんですかあの人達!筋肉!」


ローヴェン(*´∀`*)「さあ?あの人達俺が入る前からいるし」


ローヴェン(*´ω`*)「ブクマや評価をよろしくお願いします!」

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