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奇神大明神•シシャモ  作者: 黄色い泉
第一幕 スウィートダークナイトメア
5/20

第五話 地獄極楽巡り⑤

目を開けたその場所は、色っぽい雰囲気に満ちた街だった。


「ここが衆合地獄?」


「あぁ。向こうに見える門から先は刑場だ。そっちには行くなよ。」


「わかった。」


少女は街の雰囲気に圧倒され、ドギマギしている。すると着物の肩を両方はだけさせたお姉さんが近寄ってくる。ピンクの帯がいやらしい。


「シシャモちゃーん。久しぶりねー、どうしたの?お金払う気になった?」


「あいにく、お賽銭が全然ないんでな。誰か百万くらいパーンと収めてくれりゃ、助かるんだけどよ。」


「全く、本当売れないわねぇ。ま、本来祀られるような神様じゃないから、仕方ないんだけどさ。ってあら?その子は誰?」


「あーコレは…」


「もしかして!生贄!?まぁー若いのに大変ねぇー!大丈夫?ヤラシイ事されてない?」


少女は戸惑う。会話についていけないのだ。


「だ…大!ジョブッ…デス。」


「私は留子(とめこ)。源氏名は(とめ)。衆合一のキャバクラ、[桃源郷]のオーナーなの。なんかあったらいいなさい。この変神のことなら、なんだってできるから!」


「えっと?なんだって…とは?」


[それはねぇ…お金よ!」


シシャモが割って入る。


「こいつの店に、未払いの料金が百万あんだよ。俺の社、神社の裏にあんだろ?誰も拝んでくんねーから金もねーのよ。」


「拝むとお金に?」


「そう。神様は拝まれるとお金がもらえるの。お賽銭もその一部だが、大事なのは気持ちだ。感謝されることで、神様はお仕事をしたと言うことになって金がもらえる。その想いに比例して、金額も上がる。」


「ヘェ〜…そうなんだ。」


留子はシシャモと少女を見て驚く。


「あらー、シシャモのことを全然怖がらないのね。信者なの?」


「怖がる?まぁ、最初は変な人だなと思ってましたが、でも怖くはないです。」


「…シシャモがなんの神様か聞いてる?」


「あの世とこの世を自由に行き来させられる神様…と、聞きました。」


「まぁ、そうなんだけど…」


シシャモが痺れを切らし、口を挟む。


「留子。お前、余計なこと話すなよ。こっちにも段取りがあんだ。」


「あら、そうなの?じゃついでに聞くと、お支払いの段取りもついてるのかしら?」


シシャモは部が悪くなり、口を閉ざす。


「言っておきますけどね、百万払うまで、この街じゃ遊ばせませんからね!」


シシャモは舌打ちをして、歩き出した。


「ちょっと!どこ行くのよ!この子はどーするの!」


「旦那ん所でチンチロリンだ。姉貴に貰った小遣い五千円を百万に変えんだよ!そいつは留子が見とけ。」


そう言うと、シシャモは角を曲がってどこかへ行ったしまった。


「もぉ!相変わらずバカなんだから‼︎」


留子は口を尖らせて、呆れる。少女はそれを見て笑ってしまった。


「仲良いんですね。」


留子はバツが悪そうに、横目で少女を睨む。

留子は簡単な質問を投げかける。誰でも答えられるはずのその質問に、少女は答えられない。

次回シシャモ、第6話 地獄極楽巡り⑥‼︎

お楽しみに‼︎

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