リベンジゲーム 0.5 [序章]
「ねぇー、なんで私にはお母さんがいないの?」
ある少女が言う。その問いに父は
「お母さんは居たんだ。でないと、筑紫は生まれてないよ。」
『筑紫』は「ふーん、そうなんだー。」と言って地面の石を蹴る。
父は後ろに振り返り、「恵美子、ごめんな・・・」と涙をこぼしながら言った・・・
「お父さんなんて嫌い!」
ある女子高生が父に対して言葉を放つ。
「筑紫・・・ごめんな」
父は、『筑紫』に謝ることしかできなかった。
「もう嫌!」
『筑紫』は家をでていく。父は筑紫が家を出ても尚、「ごめんな・・・ごめん・・・」
『筑紫』に謝り続けるのだった・・・。
「ピンポーン」
ある女性がとある一軒家のインターホンを鳴らす。そう、実家だ。
返事がない、まだ寝ているのだろうか?
だがもう15:46だ。普通なら起きている時間だ。
私は実家の家の鍵を一応持ってきていた。
鍵穴に通す。鍵が替えられているのかと、不安だったが、鍵をあけることができた。
家に入る。一歩、二歩と軋む床を進む。廊下を過ぎ、いつも父と小さいころ駄弁っていたリビングに来る
リビングには誰もいなかった。だが、テーブルの上に一つの紙が置いてあった
[ごめん・・・ごめん・・・ごめんよ・・・ごめん・・・恵美子・・・]
恵美子という女性を筑紫は初めて聞いた。だが、初めてという気がしなかった。そしてその紙の裏に、白黒の写真があった。若い頃のお父さんと、見慣れない女性がいた。私はその写真と手紙手にし、家を出る。
何も言えなかった。何故なら、これは結婚式の写真だったからだ。
私は何も考えないまま帰路をたどった・・・。
帰り道、黒猫にあった。幻覚なのか、その猫の目は青く光っていた。
「にゃ~!」
黒猫はいきなり飛びかかり、写真と手紙を奪っていった。
そして林に逃げ込む。私はそれを追う。見失わないように、黒猫を追った。
すると大きな木の前で猫がとまる。
「こら・・・だめでしょ・・・・・・」
そう言って上を見上げる
「え・・・」
私は唖然とする、なぜならそこにあった木が青く光ってものすごく幻想的だったからだ
「筑紫。」
声がした。どこからかわからない。
「筑紫、ごめんね」
どこから声がするか探す。
「守ってあげられなくて、ごめんね。」
私は前に目をやる。
猫だ。猫から声がする。
「貴方は何者・・・?」
問いただした。
「筑紫、私はいつでも筑紫を見守ってるから。」
なぜか暖かかった。暖かなマフラーに包まれるような、そんな感じだ。そのまま目を閉じる。
「筑紫は強い子だから、大丈夫だよ・・・。」
―――――は!?
「なんだ・・・夢だったんだ・・・びっくりした。」
周りを見渡す。なぜか腕に痛みが生じる。
傷があった。切り傷があったのだ。
それをみて筑紫は頬に伝わるなにかに気づいた
「え・・・なんで泣いてるの・・・」
そして筑紫は、数時間、ずっと泣いていたそうだ・・・。