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ルリ姉参上!

≪謎の覆面の人はその場で無意味にジャンプしてスタッと着地!ぶるん!≫


「わーはっは!われこそは謎の男、覆面男爵!」

「何ですって!あなたが噂の覆面男爵だというの!」

「それよりも今ぶるんてなったよ、胸のあたりが」

「覆面男爵は今日も行く!」

「あなたがあの悪逆非道だという噂の覆面男爵なの?」

「ねえ、胸のところがぶるんてなるんだから、女だよね?男爵じゃないよね?」

「おーほっほ、早くも見破るとは、さすがスバル、思春期の男の子は目の付け所が違うわね!」

「そんな余計な脂肪の塊をつけてるからよ!この、無駄肉女!」

「あ~ら、お子ちゃまが何かおっしゃってるわ。くやしかったらやってみなさいよ、ぶるんて、ぶるんて」

「き~~~!私だって、私だって、あと3年たったら!ぶるんて!」

「あ~ら、お姉ちゃんがあんたの年にはもうぶるんぶるんいわしてたわよ。」

「ええ!そうだっけ?」

「まあ、私は巨乳のお母さん似だし、あんたは筋肉男のお父さん似だから仕方ないわね。恨むんなら自分のDNAを恨みなさい!お~ほっほ」

「きーーー!!ルリ姉ばっかりずるい!ちょっとは私にも分けてよ!」

「ほほほほほ、そればっかりは無理ねえ、ごめんねえ?」

「はあ、やっぱりルリ姉か。もう覆面とったら?」


≪謎の覆面男爵の正体は、テンの姉、ルリであった!≫


「あら、何のことかしら?わたくしは噂の覆面王女でしてよ!」

「呼び方変わってるし。それに、勝手に王女とか言ったら怒られるよ」

「フン、男のくせに細けえこたあいいんだよ!」

「で、ルリ姉はこんなとこで何してんの」

「いやあ、久しぶりに実家に帰ったら誰もいないし、隣の道場に顔出したら師匠があんたらのこと教えてくれたのよ。で、面白そうだから邪魔しに来たの」

「邪魔しないで!」「邪魔すんな!」

「おーほっほっほ、魔物狩りの練習なんでしょ?こんな原っぱじゃあろくな魔物でないでしょうに、早く森の中へ入ろうよ」

「師匠から森には行っちゃだめだって言われてるんだよ」

「ルリ姉!スバルは初心者なんだから無茶させないで!」

「んもう、テンテンたらスバルのことになると過保護なんだから。男の子はむちゃしてなんぼよ?」

「無茶苦茶はルリ姉だけで十分でしょ!」

「私が一緒なんだから森に入っても大丈夫だって」

「せっかくですが、師匠の申しつけですので、今日のところは森には入れません」

「もう、スバルは堅いわね。よし!お姉ちゃんひらめいた!あんたらここで待ってなさい。森にさえ入らなければいいのよね?ならばこの覆面王女にいい考えがあるから!」

 そういうと、覆面王女ことルリ姉は森の中に駆け込んでいった。

 ルリ姉はテンちゃんのお姉ちゃんで昔から知っているが、年が離れているので一緒に遊ぶ機会は少なかった。

 テンちゃんの家に遊びに行ってもいつも留守で、テンちゃんによると「姉は武者修行中」との事だった。

 久しぶりに会ったルリ姉は前に見た時よりも大きく……………特にあのへんが一回り大きくなっていた。

 僕がちらっと隣のテンちゃんの胸に目線をやると、テンちゃんにギロッとにらまれた。


「スバル、どこ見てんの」

「なっ、何も見てないよ」

「フン、いやらしい。」

「で、どうするの、ルリ姉が返ってくるまで待ってるの?嫌な予感しかしないんだけど」

「仕方ないわよ。置いて帰ったら道場まで追いかけてくるに決まってるし。機嫌損ねるとよけいにしつこくからまれるから、ここはしばらく付き合うしかないわ。」

「へえ、テンちゃんでもルリ姉にはかなわないんだ」

「ムッ、かなわないってわけじゃないけど、ルリ姉はやることが無茶苦茶なのよ。今は街に住んでるけど、昔、村にいたころは『コンガリ村の狂犬』て言われてたくらいだし。」


≪なんと!スバルやテンが済んでいる村の名前は『コンガリ村』であった!≫


「あれ、ルリ姉ってそんなにすごい人だったっけ」

「昔はそうでもなかったんだけどね。拳法を習いだしてめきめきと強くなったのはよかったんだけど、もともと猪突猛進な性格が災い押して、ノーガードで殴り合いするもんだから、頭にパンチを食らい過ぎて『いつでも酔っ払い』みたいな性格になっちゃったのよ」

「へえ、大変だねえ」


 スバルとテンがだべりながらのんびりと待っていると、しばらくして森の方から駆け戻ってくるルリ姉の姿が見えた。

 だが、なんだか様子がおかしい。

 ルリ姉は、後ろを振り返り、振り返りしながら、ものすごい勢いで駆けてくる。


「お~い、スバル~、準備はいいか~」

「なあ?何の準備ですか?」

「もちろん~、戦闘準備だー!!」

「あ!ルリ姉の後ろから何かが追っかけてくる!」


≪ルリ姉が現れた!魔物を引き連れている!≫

≪ゴブリンAが現れた!≫

≪ゴブリンBが現れた!≫

≪ゴブリンCが現れた!≫

≪オークAが現れた!≫

≪オークB現れた!≫

≪ハイオークが現れた!≫

≪キラーウルフAが現れた!≫

≪キラーウルフBが現れた!≫


「ひえ~~~~~~、ルリ姉の魔物トレインだ~!」

「あわわわわ、どうしようテンちゃん」

「逃げるに決まってるでしょ!行くわよスバル!」

「うん!」


≪しかしスバルとテンはルリ姉と魔物たちに囲まれてしまった!≫


「しまった!」

「おーほっほ、この覆面マダムからは逃げられなくてよ」

「名前変わってるし!てか、ルリ姉、何してくれてんのよ!こんなに強そうな魔物をスバルが倒せるはずないでしょ!」

「ほーっほっほ、スバルだって師匠のところで鍛錬してるんだから、これくらい何とか倒せるでしょ?」

「スバルは今日が初めての魔物狩りで、さっきは泥人形1匹倒したところでへばっちゃったんだから、ゴブリン1匹だって無理に決まってるでしょ!」

「あらま、スバルってそんなに弱かったの?」

「ぶるぶる、あわわわわ」

「ほら、こんなんだし」

「ほんとだ、こりゃだめだ」

「どうすんのよルリ姉!」

「仕方がない、私とあんたでやっちゃいましょ」

「もう、無茶苦茶なんだから」


≪ゴブリンAの攻撃!しかし、テンはかわした!≫

≪ゴブリンBの攻撃!しかし、テンはかわした!≫

≪ゴブリンCの攻撃!しかし、テンはかわした!≫

≪オークAの攻撃!しかし、ルリ姉はかわした!≫

≪オークBの攻撃!しかし、ルリ姉はかわした!≫

≪ハイオークの攻撃!しかし、ルリ姉はかわした!≫

≪キラーウルフAの攻撃!しかし、ルリ姉はかわした!≫

≪キラーウルフBの攻撃!ルリ姉のカウンター!キラーウルフBに45のダメージ、キラーウルフBを倒した!≫


≪テンが鎌でゴブリンAに攻撃!ゴブリンAに43のダメージ!ゴブリンAを倒した!≫

≪ルリ姉が旋風脚!ゴブリンBに41のダメージ、ゴブリンBを倒した!ゴブリンCに42のダメージ、ゴブリンCを倒した!オークAに37のダメージ、オークBに36のダメージ、ハイオークに27のダメージ、キラーウルフAに42のダメージ、キラーウルフAを倒した!≫


≪オークAの攻撃、テンはかわした!≫

≪オークBの攻撃、ルリ姉のカウンター!オークBに31のダメージ、オークBを倒した!≫

≪ハイオークの攻撃、ルリ姉に15のダメージ!≫


≪テンが鎌でオークAに攻撃!オークAに29のダメージ!オークAを倒した!≫

≪ルリ姉の正拳突き!ハイオークに45のダメージ、ハイオークを倒した!≫

チャラリラッチャラ~


「ふう、あっけなかったわね」

「はあ、こっちは冷や汗もんよ。原っぱだけのつもりだったから鎌しか持ってきてなかったし」

「ふん、油断大敵ね。常在戦場!」

「私はただの可愛い村娘です!どっかの戦闘狂と一緒にしないで!」

「あわわ、あわわ、ぶるるるる~」

「あ~ん、スバルが壊れた~。よしよし、もう大丈夫だからね?魔物は全部やっつけたからね?」

「あんた、スバルのこと甘やかしすぎでしょ」

「だって、スバルはまだ弱っちいんだもん」

「はあ、ステイタス見る限りまだまだね。でも、鍛錬をはじめて間なしでこれだけなら、今後伸びる可能性はあるわ」

「そう?よかった!ほら、スバル、ルリ姉がスバルは強くなるって言ってくれてるよ!」

「ほげ?ほげほげ?」

「やっぱダメかもしんない」

「はあ、これじゃあ神頼みしかないわね」


 



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