初めての冒険
「ぐすん、えぐ、ぐうう~~、ぐびゃあ、あぐう」
「あ~よしよし、泣かない泣かない。もうほんとスバルは泣き虫なんだから。はい、ほら、ちり紙だよ、鼻かんで」
「ち~~~~~~~ん、ぐす」
「なんじゃなんじゃ、スバルはまたテンに泣かされとるのか」
「もう、おじいちゃんてば違うよう。大体、私がいつスバルを泣かしたっていうのよう」
「前回、スバルを殴って泣かしたではないか」
「ええ~、あれはスバルが弱っちかったから仕方ないじゃん」
「ぐぇ、ぐぇええええええん」
「ああもう、泣かないの!そんなことより、おじいちゃんに報告することがあるんでしょ?」
「うん、ぐす、師匠~、またまた大変です~。」
「なんじゃ、ステータスがどうかしたのか。どれ、見せてみい」
Lv3
HP238
MP91
攻撃力8
守備力7
魔力8
ユニーク魔法0
経験値6796
「おお!これはまた随分と伸びたな!」
「はい、師匠、ありがとうございます」
「いやいや、感謝の言葉なら、わしではなくお前に期待を寄せて下さった神々に感謝することじゃな」
「はい、神様どうもありがとう!」
「よかったね、スバル!」
「うん、テンちゃんもありがとう」
「どういたしまして。私もスバルを鍛えたかいがあったわ」
「なんでテンが師匠風を吹かしとるんじゃ。」
「師匠!ついに攻撃力と守備力が付きましたので、これで魔物狩に行けますね」
「ん~、まだこの程度では一人で魔物狩に行かせるのは心配じゃのう」
「はい!はい!はい!」
「なんじゃ、テン」
「スバルひとりでは心配なら、アタシが付いて行く!」
「え~~~、年下の女の子連れて冒険なんてかっこ悪いよ~」
「何言ってんの、スバルひとりで魔物狩りなんて、怪我したらどうすんの!私がついてなきゃ泣いても誰も慰めてくれないよ?痛いの痛いの飛んでけ~ってしてあげられないよ?」
「別にいらないし、俺一人でも魔物くらい狩れるし」
「おじいちゃん、スバルがこんなこと言っているよ、絶対だめだよねえ?」
「はあ、スバルもスバルじゃが、テンじゃとてまだ子供ではないか。子供二人では危険じゃろ」
「大丈夫だよ、私ならお母さんやお姉ちゃんと森まで薬草取りに行ったことあるし、あの辺に出るスライムやゴブリンくらいなら倒したことあるし!」
「はあ、お前のお転婆は母親似かのう」
「おじいちゃんだってスバルひとりで行かせるのは心配でしょ?でしょ、でしょ?ここはこのテン様にど~~~んとまかせてよ」
「しょうがないのう、今日のところは二人で行ってもよいが、森の手前の原っぱまでにするんじゃぞ?あそこで薬草取りでもして来い」
「ええ~、師匠、魔物狩じゃないんですかあ」
「まあ、あの原っぱもたまに弱い魔物が出るから、見つけたら狩ってくるがええ。森の中は強い魔物がおるから絶対に入ってはいかんぞ?」
「は~~~い、じゃあスバル、さっそく行こ?」
「仕方ないなあ、一緒に行くのは今日だけよ」
「はいはい、じゃあまずは道具を用意して。鎌と、薬草入れのかごと、水筒と、それからおやつのお饅頭も忘れずに!」
「テンちゃんてば、遠足に行くんじゃないよう。鎌よりももっと強い武器を持って行こうよう」
「何言ってんの、剣とか槍とか持ってったら危ないでしょ。振り回して怪我でもしたらどうすんの。鎌なら軽いからスバルでも扱えるし、薬草取りにもちょうどいいじゃない」
「うむ、確かにスバルにはまだ剣術や槍術は教えとらんしの。今日のところはテンの言うとおり鎌くらいにしときなさい」
「は~~い、わっかりました~~~~~」
「ほらほら、ふてくされてないで、やっと冒険に出られるんだから、元気出していきましょう!」
◇◇◇◆◇◇◇
「ルンルルン♪ルンルルン♪いいお天気だねスバル。絶好の遠足日和だね!」
「遠足じゃないってばあ。せっかく初めての魔物狩なのに、緊張感も何もないじゃないかあ」
「フフン♪、まあまあ、楽にして楽にして。魔物の退治の仕方ならこのわたしがちゃあんと教えてあげるから!」
「いいよ、自分でやれるし」
「ああー!そんななめてかかったらいけないんだよ!慢心してはダメ!」
「ハイハイ。」
「おっと、そうこうしているうちに早くも森の手前の原っぱに着きました~♪さあスバル、ちゃっちゃと薬草を探してね」
「ええ~、手伝ってくれるんじゃなかったの」
「手伝うのは魔物狩の方でしょ。薬草取りはスバルの大事な大事なお仕事だから邪魔しません!」
「ちぇ、面倒なことはやりたがらないんだから」
じょりじょり、じょりじょり
「ほらほら、スバル、もっと鎌はざっくり引きながら引っぱって」
「分かってるよ、うるさいなあ」
「んん~、なんだって~」
「テンちゃん、調子乗り過ぎ!」
「てへ、ごめんなさい。さあ、スバルのかごがいっぱいになったら私のかごと交換ね」
「自分の分くらい自分で採れよ、ずるいんだから」
「ああー暑い暑い、スバル、それが終わったら休憩にして、水筒のお茶とお饅頭をいただきましょ!」
「はいはい、結局おやつが目当てなんじゃないか」
じょりじょり、じょりじょり
ごそごそ、ごそごそ
じょりじょり、じょりじょり
ごそごそ、ごそごそ、ひょい!
「わっ、なんかでた」
≪泥人形A、泥人形B、泥人形Cがあらわれた!≫
「たっ、大変だ!魔物が現れた!(あわあわ)」
「なんだ、泥人形じゃない。この辺じゃ一番弱い魔物だし、スバルでも大丈夫でしょ?」
「う、うん。だっ、だっ、だいじょじょうぶっ!」
≪泥人形Aが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが8下がった!≫
≪泥人形Bが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが5下がった!≫
≪泥人形Cが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが7下がった!≫
「ほら!スバル!早く攻撃しないとあんたのMPがなくなっちゃうわよ!」
「う、うん!いくぞ!」
≪スバルは泥人形Aにパンチを放った!泥人形Aに8のダメージ!≫
≪泥人形Aが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが6下がった!≫
≪泥人形Bが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが5下がった!≫
≪泥人形Cが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが9下がった!≫
「フレー!フレー!ス・バ・ル!がんばれ~」
「よーし、もういっちょきめるぞ!」
≪スバルは泥人形Aにパンチを放った!泥人形Aに7のダメージ!≫
≪泥人形Aが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが8下がった!≫
≪泥人形Bが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが7下がった!≫
≪泥人形Cが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが8下がった!≫
「がんばれ~!はあ、なかなか決まらないねえ」
「えーい、こうなったら必殺技!スバルキーック!」
≪スバルは泥人形Aにキックを放った!泥人形Aに10のダメージ!泥人形Aは倒れた!≫
≪泥人形Bが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが9下がった!≫
≪泥人形Cが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが7下がった!スバルはMP不足で気持ちが悪くなった≫
「ぐぇ」
「あっ、スバル!大丈夫?顔色が青いよ?えい。」(グサッ)
≪スバルは気持ち悪くなって動けない!≫
≪テンは泥人形Bに鎌で切り付けた!泥人形Bに27のダメージ!泥人形Bは倒れた!≫
≪泥人形Cが不気味な踊りを踊った!スバルのMPが7下がった!スバルはさらに気持ち悪くなった≫
「ぐぇぇぇぇぇ」
「ほら、スバル、背中さすってあげるからそこに座って。気持ち悪いの気持ち悪いの飛んでけ~。えい」(グサッ)
≪テンは泥人形Cに鎌で切り付けた!泥人形Cに30のダメージ!泥人形Cは倒れた!魔物の群れをやっつけた!≫チャラリラッチャラ~♪
◇◇◇◆◇◇◇
「スバル~、大丈夫?」
「うん、だいぶ休んだからもう平気」
「よしよし、スバル頑張ったもんね。ちゃんと魔物の群れも倒したし、えらいね!」
「うん、ありがとう。でも、1匹しか倒した覚えがないんだけど。気持ち悪くなってしまって残りのやつがどうなったか覚えてないや」
「ふふん♪、気にしない気にしない、一休み一休み!さあ、気持ち悪いのが治ったんなら、おやつにしましょ♪」
「ええ、その前に魔物から魔石を回収しなきゃ」
「泥人形なんて砂粒程度の魔石しか持ってないし、探すだけ無駄よ。お店に持ってったって、たった3匹分だけじゃあお金に換えてもらえないよ?」
「でも、初めて倒した魔物だし、記念に持って帰るんだ」
「じゃあ、その辺の崩れた泥の山の中に埋もれてるはずだから探してみ?」
「うん」
「私もお饅頭食べ終わったら一緒に探してあげるからね」
「うん、ありがとう」
ごそごそ、さらさら、ごそごそ、さらさら
「あった!」
「どれどれ、指でつまんでたんじゃ小さすぎて見えないから、手のひらにのっけてみ?」
「うん、ほら」
「うわあ、ちっちゃいけどきれいな赤色だねえ、よかったねスバル!」
「うん、帰ったら師匠にも見せよう」
≪スバルもお饅頭を食べ終わり、帰り支度を始めたその時!≫
「わーっはっは、わーっはっは!」
「誰だ!」「誰よ!」
≪スバルとテンの前に覆面をした謎の人物が現れた!≫
「とう!」
覆面はその場で無意味にジャンプしてスタット着地!ぶるん!
「わーはっは!われこそは謎の男、覆面男爵!」
≪謎の覆面男爵が現れた!≫
【続く】