ヒロイン登場!
【現在のステータス】
感想:0件 ⇒Lv0
PV:116アクセス ⇒HP116
ユニーク:16人 ⇒MP16
文章評価:0pt ⇒攻撃力0
ストーリー評価:0pt ⇒守備力0
ブックマーク:2件(×2=4pt)⇒魔力4(使える魔法0)
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文字数:4247文字 ⇒経験値4247
(スペシャルアイテム0)
◇◇◇◇◇◇◇◇◆◇◇◇◇◇◇◇◇
「師匠がおっしゃっていたとおり、後になってMPが上がりました。」
「ふむ、それはよかったの。」
「HPは今日も上がってますね」
「ありがたいことじゃ。神々はどうやってお前を見つけて下さってるんじゃろうのう?不思議なことじゃ」
「でも、攻撃力と守備力が上がらなので、今日も魔物狩りの冒険に出られませんね。
どうしましょう師匠、今日も走り込みですか?
これじゃあ、始まったばかりだというのにもうマンネリです強運よ」
「まあ、そう焦るな。
数字の伸びは、お前にしては上出来じゃとわしは思うぞ?
そうは言っても走り込みや素振りばかりではお前も修行に飽きてしまうじゃろうしのう。
誰か、打ち合いの相手でもおればよいのじゃが。
わしでは力が強すぎておまえを傷つけてしまうかもしれんしのう」
『ジィィィィィィィィィィィ』
「あ~あ、師匠がもう少し若ければ面倒がらずに打ち込みの相手になってくれたんだろうになあ。
誰かもっと若い練習相手がこの辺にいないものかなあ」
『ジィィィィィィィィィィィ』
「ゲフン、別に年じゃからて面倒がってなんておらんぞ?ちょっと腰の調子が悪いだけじゃ。」
『ジィィィィィィィィィィィ』
「大体お前こそ同じ年頃の男友達で一緒に修行する相手はおらんのか」
『ジィィィィィィィィィィィ』
「ははははは、一人でこんなさびれた道場に通っている時点で察してくださいよ」
『ジィィィィィィィィィィィ』
(師匠)「……………………」
『ジィィィィィィィィィィィ』
(スバル)「……………………………」
『ジィィィィィィィィィィィ』
「仕方ない、いつまでも無視するのも面倒じゃ、スバル、お前声をかけて来い」
「はあ、仕方ありませんね。
おい、柱の陰から覗いてないでこっちへ来い!」
「ハ~イ!呼びました?呼びました?今ちょっと忙しいんですけど、仕方ないなあ、呼ばれたんじゃ仕方ないなあ、デヘヘヘヘヘ」
さっきからずっと、道場の柱の陰から『ジィィィィィィィィィィィ』っと音を立てながら覗いていたのは、道場の隣の家に住む女の子、テンちゃん12歳であった。
ちなみに、俺ことスバルは花の15歳である。
俺は師匠の道場があるコダマ村に住んでいる。
道場の隣の家は師匠の親戚で、同じ村に住むテンちゃんと俺は幼なじみというわけだ。
でも、この年頃の3歳差っていうのは大きいから、子供のテンちゃんと俺じゃあ遊び相手にならないんだよなあ。
「テンよ、庭で遊ぶのは構わんが、修行中の道場に勝手に入ってはいかんと普段からあれほど」
「勝手になんて入ってないよ?スバルに呼ばれて入ったんだよ?」
「その前にずっと柱の陰から覗いとったじゃろ」
「残念でした、柱の影は道場の外でした」
「フン!普段からちと甘やかしすぎたかの。
お前が家の手伝いをさぼって遊んどったとお前の母さんに言いつけるぞ」
「ええ~、そんなのないよう~。
今日はもう一杯お手伝いしたし、そういえばおじいちゃんが腰が痛いって言ってたし大丈夫かなって様子を見に来てあげたんだよ?ホントだよ?さっきやっと母さんが買い物に出かけたからって遊びに来たわけじゃないよ?」
「フン、語るに落ちたか。
まあよい、ところで、さっきからずっと覗いとったところを見ると、お前もスバルと一緒に修行したいのか?」
「まあ、スバルがどうしても私と一緒がいいってゆうんなら考えてあげてもいいんだけど~」(チラッ)
「師匠、俺走り込みに行ってきます」
「ああん、待ってようスバル~。
チャンバラの相手がいなくて困ってたんでしょ?
私も今日はちょっとヒマでしょうがないから相手してあげてもいいわよ?
してほしい?ね?ね?してほしい?」
「はあ、何で女の子のお前とチャンバラごっこしなけりゃならないんだよ。
俺が探してるのは剣の修業の練習相手なの!」
「そんなこと言ったって、昔からスバルは他の男の子と遊ぶの苦手だったじゃやん、いじめられるからとか言って。
だから、仕方なくいつも私が遊んであげてたでしょ?」
「なっ、違うし!俺は孤高の剣士を目指していただけだし」
「ああ、ハイハイ。で、おじいちゃん、他にいないんだし、私がスバルの相手でいいでしょ?いいでしょ?」
「ふむ、まあ、お前なら力も弱かろうから、守備力ゼロのスバルが相手でも怪我させる心配はないかの。
仕方ない、わしの腰が治るまではお前が相手をせい。」
「やったあ!」
「ええ~、女の子相手に修行ですかあ、テンション下がる~」
「ばかもん!!!世の中には名のある女流剣士も大勢おる。有名な街の道場では貴族の子女も護身術を習いに通っとる。高い月謝を払ってな!じゃから、修行の相手に男女の区別はいらんのじゃ!」
「は~い」
「では、さっそく打ち込みを始める。用意せい」
俺とテンちゃんは道場に置いてある竹刀(テンちゃんは子供用のちょっと短い奴)を持って向かい合った。
「じゃあスバル、行くわよ?」
「はあ、いつでも来いよ」
「よ~し、えい!」
パシン!飛び上がってスバルの頭を狙いに来たテンちゃんの竹刀が見事に命中!
しかし、テンちゃんは力が弱く、攻撃力がなかったので、スバルのHPに0ダメージ。
「やったあ!」
テンちゃんは喜んでテンションが上がった!
スバルは落ち込んで涙目になった。
スバルの心のHPがダメージを受けた!
「ぐすん、痛いよう」
「なんじゃそれくらいで、相手をなめてぼーっとしとるからやられるんじゃ」
「あ~ん、スバル大丈夫?ごめんね?痛かった?」
「ぐすん、慰めなんかいらないやい!ぐすん」
「ほら、頭下げて当たったとこ見せてごらん?アタシが『痛いの痛いの飛んで行け~』してあげるからさ?昔チャンバラごっこで泣かした時もよくしてあげてたでしょ?」
「ぐすん、うん」
結局テンちゃんに言われて、素直に頭を下げてテンに頭を撫でてもらうスバルであった。
「なんじゃい、スバルは元からテンに負けとるんかい。」
スバルの修業はまだ始まったばかりであった。