旅立ち
【現在のステータス】
感想:4件 ⇒Lv4
PV:2386アクセス ⇒HP2386
ユニーク:1186人 ⇒MP1186
文章評価:16pt ⇒攻撃力16
ストーリー評価:15pt ⇒守備力15
ブックマーク:5件(×2=10pt) ⇒魔力5(ブックマーク数÷10=使える魔法1)
レビュー:0件 ⇒ユニーク魔法0
文字数:32187文字 ⇒経験値32187(文字数÷10000=スペシャルアイテム 3)
*すでに手に入れたスペシャルアイテム ①古びた木刀、②まどかの木刀(首切り丸)
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翌日、よく晴れた空の下、スバルとケンタを見送るためみんなが集まった。
「いつの間にやらスバルの攻撃力や守備力がやたらと上がっとるような気がするんじゃが、どうしたことかいのう。まどか師範代、どういうことじゃろのう?」
「あら、いやですわおじいちゃん、年のせいかすっかりぼけちゃって」
「フン! ボケてなどおらんわ! まあよい、スバルや、お前は今が伸び盛りじゃ。旅先でも毎日修行を怠るでないぞ」
「はい、師匠! 必ずや腕を上げて戻って参ります!」
「うん、その意気じゃ」
「テンちゃん、昨日はごめんね。いつまでかかるか分からないけど、きっと強くなって帰ってくるからね」
「うん、頑張ってねスバル。」
昨日は泣いて拗ねていたテンだったが、今日はルリと一緒にニコニコと笑顔で見送ってくれるようだ。
それを見てスバルはほっとするとともに、妙にあっさりテンの機嫌が直ったことで、少し寂しくも感じるのであった。
「それではケンタ殿、スバルのことをよろしく頼みますぞ」
「はい、お任せください。」
「スバルや、旅立ちに当たってわしからの餞別じゃ。受け取るがよい」
そう言って師匠は、しゃもじ型のスペシャルアイテムをスバルに手渡した。
「もしもししゃもじ~!♪ これはの、どんなに離れていても会話ができるという不思議なマジックアイテムじゃ。2個で1組になっていてな、もう1個はわしが持っとるから、必要な時はこれを使って連絡をしてくるのじゃぞ。中に入っている内臓魔石の魔力で作動するんじゃが、使い過ぎると魔石の魔力がなくなって通じなくなるから、使い過ぎんように気を付けてな。魔石は高価じゃから旅先で買い替えるのも大変じゃでな。しかし、大事な用事のある時には必ず連絡してくるのじゃぞ」
「はい! ありがとうございます師匠! これがあれば旅先でも淋しくありませんね」
「師匠、スバルとしゃもじで連絡するときは、テンも呼んであげてくださいね。これがあれば、お互いの声が聞けて少しは淋しさがまぎれるでしょうし」
「お母さん、声だけ聴いたら余計に淋しくなっちゃうよ」
「テンには、姉の私がついているから大丈夫よ。スバル、安心して行ってらっしゃい」
「うん、ルリ姉も元気でね」
「ふふふ、スバルもケンタさんも気を付けてね。旅先では油断できないから、いつも背後にまで気を付けるのよ、ふふふふふふ」
「もう、ルリ姉ったら!」
テンがルリの服の袖を引っ張って何やらこそこそと耳打ちしている、なんだろう?
「さあ、スバル、そろそろ出発しようか」
「はい、ケンタさん。それじゃあ師匠、行ってまいります。皆さんもお元気で!」
こうして、スバルはケンタと一緒に旅立って行った。
◇◆◇
スバルたちの見送りが終わると、師匠は道場へ帰り、まどか、ルリ、テンは隣の自宅に戻った。
「ルリ、テン、お母さんは今からお買い物に行ってくるけど、一緒に来るかい?」
「ううん、私とテンはちょっと用事で他のとこにでかけるから、買い物は母さんだけで行ってきて」
「そうかい、じゃあちょっと行ってくるね。父さんは晩まで帰らないから、出かけるんなら戸締りしていってね」
「「は~いい」」
母のまどかが出かけると、ルリとテンは前の晩にそれぞれしたためておいた両親宛ての手紙を食卓の上に置き、これも前の晩に用意していた旅の荷物を隠してあった押し入れから取り出した。
「テン、準備はいい? 出かけたらしばらくは家に帰ってこられないけど、ほんとに大丈夫?」
「うん、もう覚悟はできてるわ。ただ、置手紙を呼んだ後、お父さんとお母さんが淋しがるんじゃないかなって心配だけど」
「うーん、まあ特に父さんは淋しがって追いかけて来ようとするだろうけど、多分、お母さんが止めてくれるわよ。私があんたくらいの時に家出したときも、探しに行こうとした父さんを母さんが止めてくれたらしいから」
「お母さんは反対しなかったの?」
「ま、母さんも行く前に相談すれば一応親として反対するだろうけど、出て言ったら出ていったで、修行として認めてくれてるみたいよ。多分、母さんも若いころに親に黙って修行の旅に出た口みたいだから」
「ふーん、お母さんもルリ姉も私くらいの時に家出してたんだね」
「うーん、まあ、私はその時が初めてっていう訳じゃなかったけどね、へへへへへ」
「ルリ姉は一人で家出したんでしょ?私はルリ姉と一緒に行くんだから、お父さんもお母さんも少しは安心なんじゃないかな」
「まあ、その辺は私の手紙にちゃんと書いといたから大丈夫よ。私なら十分旅慣れてるからね。まあ、いつも旅先でやり過ぎちゃう方だから、逆の意味で心配されるかもだけど」
「大丈夫、今回は私がついてるから、ちゃんと監督するって手紙に書いといたし」
「何よそれ、どっちが付き添いか分からないじゃないの。まあ、親に心配かけることにかけちゃ私の方があんたよりはるかに上っていう自覚はあるけどね。さ、準備ができたらさっそく行くわよ!」
「うん、お父さん、お母さん、行ってきます!」
こうして、テンもルリと一緒に旅立って行ったのであった。