表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界からの訪問者

作者: TOMMY

ある日見たことのない大きな物体が空を覆い隠した。

その物体は他に類を見ない構造をしており、地球の技術を上回っている感じだった。


人々はその飛行物体が宇宙船だということが、すぐに分かった。


人々は警戒した。

この宇宙船が何の目的によりここに来たのか分からないからだ。


友好目的なのか、貿易目的なのか、はたまた侵略目的なのか人々は様子を伺った。


下手に攻撃して戦争にでもなったら大変だし、機嫌を損ねたら地球が終わりを迎えてしまうかもしれない。


人々は最悪の状況に備え世界各国の武器を準備し、宇宙船の動向を静かに見守った。


宇宙船が着陸する時、建物を押し潰しては大変なので広大な土地にライトを照らし宇宙船を誘導した。


ミサイルや機銃の標準も同時に合わせた。


そしてついにその時はやってきた。

宇宙船はライトに導かれ無事地球へ着陸を成功させた。


世界の各国からテレビ局が集結し、どこの国でもこの映像を人々は見守った。

そして程なくすると宇宙船の扉が開き、白い煙の中から見たこともない生物が姿を現した。


世界の人々は息を飲む。

侵略者なのではないのか。攻撃するべきではないのか。

世界は緊迫していた。


その生物は我々と同じように二足歩行で近づいてきた。何か言っているようだがうまく聞き取れない。


その生物の言葉は地球では聞いたことのない音で理解することは出来なかった。


宇宙人は少し衰弱しているように見えた。

そして侵略目的ではないことだけはかろうじて理解できた。


地球の人々は歓迎の意を込めて食料を持ち出してみることにした。

直ちにテーブルとイスが宇宙船の前に用意され食料がテーブルに運ばれた。


しかしその瞬間宇宙人の顔色は一変し最悪の事態に陥った。

食料を宇宙人の目の前に運んだその瞬間、正気を失い食べ物に飛び掛かったのだ。


よほど腹が減っていたのかそこに用意されていた食料をすべて食べつくすと同時に、宇宙船から数えきれない程の宇宙人が現れた。


その宇宙人たちも正気を失っており、降りてくるなり人々に襲い掛かった。


「とうとう本性を現したか。」

人々は宇宙人たちを侵略者と改めて認識し、一斉に攻撃を始めた。


宇宙人は反撃してこなかったが、正気を失い狂乱的な宇宙人の姿は人々に恐怖を植え付けた。


これを見ていた世界の人々は自分の国にも訪れることを恐れた。

そして攻撃の許可がすぐに下り、ミサイルが宇宙船に放たれ、機銃が宇宙人をどんどん殺していった。


あまりの恐怖に世界各国から最高峰の武器が次々に現地に運びこまれ、事態は一瞬のうちに収まった。


一日かけ宇宙人は一人残らず駆除された。

しかし宇宙船はどんな兵器を使っても無傷のままだった。



「終わったか、全く宇宙には恐ろしい生物がいたものだ。」


人々は一安心した。

しかしこれを期に世界では宇宙人の侵略を恐れ、撃退できる武器の開発に取り掛かった。


またあの宇宙船がやって来るかもしれないと考えると人々は労を惜しまなかった。


もしも今回の一件で敵意を持ってやってこられたら、今の技術では太刀打ち出来ない。

そして瞬く間に、たくさんの武器が世界各国に配備され迎撃の準備は万端だった。


それと同時に宇宙船も研究され、宇宙船にあった技術を取り入れ手軽に宇宙に行ける船の開発に成功した。


そして宇宙船からは画期的な装置も発見された。

それは食料を自動的に作り出す装置だった。


これは新しい技術なので実用化に向け研究した。


しかし研究の過程で気になることが一つあった。

それは空からやってきた船の材料すべてが地球で取れる鉱物でできていたのだ。


それに宇宙人の身体も研究されたが構造が地球人とほぼ一緒でなんと酸素を吸って呼吸する構造であった。

この事実は世界には極秘にされたが、研究者は宇宙には地球と同じように酸素があり、地球と同じ環境のある惑星があることが推測された。



それから数10年の月日は流れたが再びあの宇宙船が現れることはなかった。


多くの武器や兵器を作りすぎた影響で環境はどんどん衰弱していった。

武器のために、木々は切り落とされ、有害な物質を空に放出し、産業廃棄物はどんどん出続けた。


環境汚染に気付いても臆病な人類は武器を作ることをやめるわけにはいかなかった。

一度あんな事件が起きてしまっては、もう安心することはできなかったのだ。


しかし、地球は水面下で限界を迎えていた。


ある日ついに学者は発表した。

地球の環境はとうとう限界を迎え、これから何をしようと30年後には火山が一斉に噴火し、その結果数100年氷河期に入るということが確定したことを。


世界の人々は人類がどうするべきか緊急に検討を始めた。

今からでは火星に移住するには間に合わないし、今さら環境を改善しても間に合わない。


そして世界の人々は一つの答えを出した。

それは、氷河期が終わるまで数100年間宇宙で過ごすことだ。


宇宙に行く技術はすでに研究されていたので、世界各国で宇宙船の製造に取り掛かった。


人類すべてが住める巨大コロニーが宇宙で組み立てられ、それに伴い食料生成機も多数製造された。


そしてついにその時はやってきた。火山が一斉に噴火すると同時に、地球の人々は船に乗り宇宙に出発した。


そして宇宙に浮かべて置いた巨大コロニーに世界の人々は住み、数100年間そこで過ごした。


しかし想定外の出来事が起きた。

長い歳月の中で人類はどんどん増えていき、ついに食料生成機では、食料の調達が間に合わなくなってしまったのであった。


食料生成機を増やすには地球の資源が必要だった。


地球はまだ氷河期なのであろうか。

燃料は地球に帰る分しかないため氷河期に地球に戻ることは人類滅亡を意味していた。


人々は慎重になり、帰還の日時を予定よりかなり後ろに伸ばすことになった。

しかし食料は足らずみんな餓死寸前であった。


そして長い月日をかけ地球環境を研究し念願の地球に戻る日がやってきた。

地球に向け進路をとり、地球を分析していくと氷河期は無事終わりを迎えており、緑が生い茂り生物反応も多数見受けられた。


人々は歓喜しながら着陸を急いだ。


地球に近づくとコロニーの前に地球から光が照らし出された。


コロニーはその光に導かれるように着陸すると、見たことのない生物がこちらに向かってやってきた。


念のため数人のチームが偵察に向かった。


その生物は何を言っているか分からなかったが食料を運んできてくれた。

友好的種族のようだ。


お腹のすいた彼らは疑うこと無く食料をむさぼり食った。


もっと食料はないのかその生き物に問いかけると、その生物たちは騒ぎ始めた。


そして私に向かって何かを向けると、全身が痛みに襲われたように思えた。


ふと私はどこかで見た光景のような気がした。


コロニーで習った100年前の地球に着陸した宇宙船の話・・・


そしてコロニーから空腹で我を忘れた人々は一斉に地球上へ降り始めた。


ーENDー

UFOには全て人類が乗っていると思っている私です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ