受付3人トリオの洗礼
午後をすぎると患者さんもまばら
午前とはうって変わってのんびりした空気になる
しかしこの時間、みきえはまどかをむかえに仕事をぬけだし学校へ走る
息をきらせて学校へ着くとまどかが校門で待っていて一言「遅~い」
「ご・・・ごめん・・」
まどかを家まで送り届け、ダッシュで病院にもどる
「た・・ただいま・・もどりましたー」と受付にとびこむと「おかえり~、みきさぁ~ん」
とねこなでいつもの3人が近寄ってきた
わたしより年配の受付係の3人トリオ、若いころは受付嬢だったんだろうな~、今は・・・
という感じ
「いつもすいません」と、とりあえずあやまると「いいのよ~」「あなたも大変よね~」
「大事な箱入り娘さんだもんね~」と皮肉っぽく3人が言う
こういう時はきっとなにかあるな、と思っていると「ところでみきさん、今日の残業
なんだけど、わたしたち3人とも出れないのよ」
・・・来た!、やっぱし・・
「わたしは今夜、地区の集会があって」「わたしは孫が家に来るのよ」「わたしは・・・
ヒミツの用事・・フフ」
・・・ヒミツの用事ってなんだ?ま、どうでもいいけど、それにいつも仕事をぬけさせて
いるし、いやとは言えないし・・・
「いいですよ、やります、主任と2人ならなんとか・・・」と言いかけた時、後ろで主任
の声がした「それなんだけど・・みきさん」とすまなそうに「わたしも今日、だめなの」
・・・えっ!
「今日、医事の会議があってどうしても出席しないといけなくて・・」
・・・一人・・・で・・でも・・しかたないか・・
「わかりました、なんとかやってみます」