犬が取り持つ二人
昼下がり、まどかが目をさます
いつのまにか眠っていた
隣の部屋で音がする
この家にいるのは・・・わたしと、ひきこもりの兄、そして・・・・・犬
廊下を歩く足音、こちに近づいてくる
兄が部屋から出てきた・・・なんか、怖い
足音はまどかの部屋を通りすぎお母さんの部屋の方へ
そして足音はお母さんの部屋に入って行った
まどかがふとんをひっかぶる・・・なんか・・こわい~
一方そのころあかりは学校で落ち込んでいた
担任の先生によびだしをくらった
今の成績じゃあ進級も難しいぞ、もっと勉強しろ・・と言われた
・・たしかに良くないのはわかってる、テストでひとけたばっかとってるとこうなるのか・・・
と思っていると・・
「どうした?あかり、なんか暗いぞー」
といつもつるむ3人がやってきた
「あ~、ちょっと先生に呼び出しされちゃって・・・」
「この間のテストのことでしょう?」
「大丈夫だってあれは、わたしも30点だったし」
・・・いや、わたしは・・・6点だったから・・・・
とその時、一人の子が「あ!高橋くんだ!」と廊下の向こうにいる男の子を指さした
「髪、切ったんだ、高橋くん」
「短い方がよくない?」
「いや、わたしは前の長い方がいいと思うけどなー」と好き勝手に3人が批評する
高橋くん・・・中学からずっと一緒だった、そのころは目立たない男の子だったけど、高校に
入って変わった、たしかにかっこよくなったな・・・
高橋くんが4人のそばを通りすぎようとした時、ふと、あかりのそばで立ち止まる
「あれ?三木?おまえんち、犬、飼ってたっけ?」
「え?」
「だって、ほら」とあかりの肩についていた犬の白い毛をつまんでみせた
・・・あの・・犬!とむかつきながもあかりが「あ・・うん、最近、飼ってんだ・・」と返す
「へーそう、種類は何?」
「種類?・・・え・・あ・・まだ・・子犬なんだ・・」
「いいなー子犬、おれんちも6匹いるんだけど、みんな大きくなちゃって、子犬のころが
なつかしいよ」
「6匹もいるの?」
「ああ、でも子犬のころは大変だろ」
「・・・うん・・ま・・お母さんがほとんどやってんだけど・・大変そう」
「おれ、犬のことはくわしいから、なんでも聞いてきな、教えてやるよ、じゃな」と言って
歩いて行った
3人があかりをひやかす
「ちょっと・・いい感じじゃない?」
「いい、いい、すごくいい」
「アドレス、知ってんでしょう?犬のこと聞きたいってメールすれば!」
「いや、いいって、いいって・・」とあかりがてれる
そして・・・放課後
一人になったあかりが携帯を取り出しこっそりメールを打つ
‘トイレトレーニングってどうやるの?”




