命名‘レセプト”
動物病院に予防注射に行く
と言ってもどこの病院に行けばいいか・・
結局、犬を連れて行くのにそんな遠くには行けないと、家から一番近い病院に行く
天地動物病院
その病院は閑散としている、やってるのかな?と思うくらい
中に入っても誰もいない
・・・休み?と思ったら受付に人の気配が・・・
「あの~すいません」と声をかけると
「あ?何?」と白衣を着たヤンキーっぽい男がふりむいた
「あの・・・予防接種をお願いしたいんですけど・・・」
「ああ、予防接種ね・・・ここ来るの、初めて?」
「ええ、はい」
「ふ~ん、ここ・・口コミで評判悪いよ・・知ってる?」
「え!い・・いえ・・」
「ま、いいや横のドアから入って」
「あ・・はい」とドアを開けて中に入る、・・へんなとこ来ちやったな、ちゃんと調べて来ればよかった・
部屋の中は診察室、と言っても診察台があるくらい、後は薬品や本の棚が置いてある
「その台の上に乗せて」
言われるまま子犬をキャリーバッグから出し台にのせる、怖いのかブルブルふるえている
医師が子犬の体をさわる「ほう、こりゃ純粋なパピヨンだな」
子犬がふるえながらこっちを見る、助けてという顔に見える
「名前は?」
「あ・・・三木です」
「は?」
「三木みきえです」
「あんたじゃねぇよ!犬の名前!」
「・・・・え!犬の・・・名前?」そういえば決めてなかった・・
「え~と・・名前・・なまえ・・・その~・・」
医師がうさんくさそうにこっちを見る、まずい・・
「え~と・・ひろむ・・じゃなくて・・あかり・・まど・・・その~・・・」
その時、医師の後ろにあるカルテの山に目が行く、そして
「カルテ・・・レセプト?」
「は?」
「レセプト・・・レセプトです! 三木レセプトです!」
こうして犬の名前はレセプトに命名された




