ご対面
「疲れてんのかなぁ~」
変な声を感じたあかりがつぶやく
・・・てか、なんで・・(アソボ)なんて聞こえるんだ?・・もう、寝よ
ふとんに潜り込む
電気を消して目をつぶりしばらくしてまどろんだころ、また・・
アソボ、アソボ
えっ!怖くて動けない、それに今度ははっきり感じる
それに・・声だけじゃない、足の上になにかがいる!歩いてる!
夢?いや・・ユメじゃない・・
その物体はおなかの上を歩いて顔に近づいてくる、そしてなにかが顔をのぞきこんだ
気配を感じた時、思い切って目を開けた
「ギィヤアー!!!!!」
人間の声とは思えない叫び声が夜中にひびきわたる
みきえが目を覚ます
あたりを見回し・・いない!急いであかりの部屋にとびこむ
「あかり!」
あかりが母にしがみつき、後ろを指さして叫ぶ「た・・たぬきがいる!」
「え?たぬき?」
「たぬきだよ!耳がぴんと立ってて大きくて目のまわりが黒くて毛むくじゃらで・・・」
「ちがう!あかり!あれはたぬきじゃない・・・犬よ!」
「・・・・イヌ?」
「そっ、犬!」
子犬がベッドの下からひょこっと顔を出す
あかりが安心したように「なんだぁ犬かぁ・・・・・てかなんで犬がいるぅ!!!」
「そ・・それは・・」と言いかけた時、廊下でこえがする「な~んかあったの~?」
まどかが起きてきた
みきえとあかりが同時に思う、まずい!
二人が廊下に向かって飛び出す、しかし、犬の方が早い・・、まどかと子犬が廊下で対
面する
「き~い~や~!!!」
間延びしたまどかの悲鳴が夜中に響き渡った




