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子犬脱走
「困ったね~、言えなくなっちゃったね~」
夕食後、早々と自分の部屋に入ったみきえが子犬にむかって言った
子犬はサークルに手をかけ、二本足で立ってじっとみきえをみつめる
・・・こんなにかわいいのに・・・とみきえが子犬をだきかかえる
ネコのように丸くなった子犬がペロペロとみきえの腕をなめる
・・・あ~なんかこのモフモフした毛の感触がいやされる~と子犬をぎゅっと
だきしめる
子犬は耳を下げ、迷惑そうにじっとしている
そしてまた・・みきえはそのまま眠ってしまった
・・・・・・・・
しばらくしてあかりが二階に上がってくる
途中、母の部屋の前に立ち止まる
そして・・・そーっと部屋のドアを開ける「お母さん?まだ起きてる?」
その時また声を感じた、こんどはかなりはっきりと頭に感じた
(アソンデ・・・アソンデ・・・)
・・・えっ!
怖くなってあわててドアを閉じる、そして自分の部屋に飛び込んだ




