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先生、愛姫が1番※未修整

一先ずこれで1章終了です。

 結局鳴海刑事との取調べは自重できない私に鳴海刑事が遊ばれるばかりだったので直ぐに終了となった。そして次の日からはまた刈谷刑事が私の取調べを行うようになった。刈谷刑事は私を疑ってないとは言え私が疑わしいのに変わりはないのでしっかりと取調べを行った。最初に要注意だと思った鳴海刑事は一対一で対応すれば全く問題なく、むしろ追い詰める、じゃなくて、からかうと楽しい相手だったが刈谷刑事は逆にとても大変だった。まぁ、私も一応優秀らしい鳴海刑事をからかう事が出来る程度の実力は持ち合わせているから問題はなかったんだけどね。と言うか無実で何一つ嘘をついてないんだから失言のしようもないから問題ないのは当たり前なんだけどね。


「刈谷刑事」

「何だ?」

「まだ、犯人捕まらないんですか?」

「ああ、あんたが未だに否定し続けているからな」

「いや、だから私じゃないですって」

「いい加減素直に吐いちまえよ。楽になるぞ」

「だから違いますってば!ってそうじゃなくて本当にまだ犯人捕まらないんですか?」

「・・・実は1人あんた以外の容疑者が浮かんできた」

「本当ですか?」

「ああ。もう少しで決定的な証拠が掴めそうだ」

「ほら、だからちゃんと調べたんですか?って言ったじゃないですか」

「そう言われてもなぁ。その容疑者桜庭を殺す動機が見当たらないんだよ」

「その容疑者さんは桜庭さんとどういう関係なんですか?」

「最近まで桜庭と付き合っていたらしい」

「桜庭さんに弄ばれた1人って事ですか?それなら動機になると思いますけど?」

「いや、その女も桜庭のようなタイプらしくて結構遊んでいたみたいなんだ。桜庭とも割り切った関係だったみたいだ。な?動機が分からねぇだろ?」

「実はその女の人本気だったんじゃないですか?」

「それはないな。その女は友人達に自分で割り切った関係だといっていたみたいだから」

「・・・」

「何だよ?」

「春川刑事は何て言ってましたか?」

「春川なら『桜庭みたいなタイプは本気になられると面倒になって別れたりするんですよ。だから桜庭が本気で好きな彼女は桜庭に捨てられないために割り切った関係の振りをしていたんたんです。でも、結局桜庭に本気な事だバレて振られたんですよ。それで可愛さ余って憎さ百倍ってやつです!愛姫の作品の中にもそういう人はいましたしたから絶対そうです!!』って騒いでたぞ。まぁ、誰も相手にしてなかったがな」

「流石、愛姫の大ファンだと言うだけある反応ですね。私も春川刑事と同じ意見ですよ」

「あんたなぁ、これは現実だぞ?小説の中じゃないんだ。そんな話あるわけないだろう」

「愛姫の作品は女性なら誰もが憧れる様なそれでいて共感できる様な恋愛を書いているんですよ。そのために私は日夜人間観察と現実の恋愛の情報収集に励んでいるんですから。愛姫の作品に書いてある事は単なる空想の産物ってだけではないんですよ」

「あんたが自分の作品に誇りを持っているのは分かった。馬鹿にする様な事を言って悪かったよ。でもな、そうそうあんたの小説と今回の事件が都合良く一致はしないだろう」

「すると思いますよ。なんせ愛姫が有名なのは人気の高さだけじゃありませんから」

「どういう事だ?」

「出版した本の多さですよ。私は基本仕事を断りませんからね。人気が出れば出るほど仕事は増えていきます。その仕事をほとんど断らなかった結果私が出した本の数は凄い事になりましたから。あれだけの作品があれば今回の事件と一致する可能性はそれほど低くないと思いますよ。それに何より恋する女性の気持ちは男性に理解できるほど簡単なものじゃないんです」

「確かに女心なんてやつは俺には理解できねぇけどな」

「まぁ、真実はその女性が捕まればはっきりしますよ。ところで私から聞いたくせになんなんですけどこんなに詳しく捜査状況を話しても良いんですか?」

「本当は良くねぇがあんたには忙しいみたいなのに迷惑をかけてるからな。特に鳴海が。だからまぁ特別だよ。でも、他のやつらに教えてもらった事言うんじゃねぇぞ」

「分かりました。それじゃあ、そろそろ仕事を再開させてまらいますよ」

「ああ」






 そんな会話をした2日後。あの時話した女性がやはり犯人だったらしく私は釈放された。ちなみに殺害動機も春川刑事と私が言った通りだった。


「だから言ったじゃないですか、鳴海刑事。私は殺してませんって」


 そして現在私は鳴海刑事相手に文句を言っているところだ。これは無実なのに疑われ続けた私の当然の権利だろう(どれぐらいかは分からないけど兎に角偉いらしい人もきて、さっきもの凄く丁寧に謝罪してくれた。有名人だからの対応っぽいのでむしろ私にはマイナスな対応だが)。


「申し訳ありませんでした。でも、高峰さんも悪いと思いますよ」

「どうしてですか?私は最初からちゃんと否定してたじゃないですか」

「だって、恨んでるとか死でも許さないとか言ってたじゃないですか。動機があってアリバイがないとなれば疑うのは当然だと思いますよ。しかも疑われているのに挑発するような強気な態度だったから否定されてもまるで『桜庭を殺したのは私だけどちゃんとした証拠を持ってこないと認めてあげない』って言われている感じがして・・・」

「それただ単に鳴海刑事が捻くれているだけだと思いますよ。それに私愛姫の名を汚す者は許さないって言ったじゃないですか。それは例え私自身であってもですよ。私は完全犯罪なんて物は信じていないんです。どれほど憎んでいても捕まり愛姫の名を汚すくらいなら私はその憎しみを押さえ込む事が出来ますよ。私にとって愛姫はそれほど大切なんですから」

「それならそうと最初から言ってくれれば」

「言ったらどうなって言うんですか?あの状況で私がなんと言おうと刑事さんたちは私を疑い続けたでしょう?そんな風に思うのは私が無実だったと分かった今だからこそですよ」

「・・・そうですね」

「あ、そう言えば桜庭さんを殺した女性に伝えてほしい事があるんですけど」

「何ですか?僕で良ければ伝えておきますよ。まぁ、内容によりますけどね」

「自分を真実愛する人を切り捨てる愚かな男の事なんてさっさと忘れなさい。あなたを愛さない男の1人が去っていったぐらいどうでもいい事よ。それよりあなたを愛してくれる男を見つけなさい。あんな男じゃなくてあなたに相応しい男がいるはずよ。辛くなったら愛姫の作品を読んでね。必ずハッピーエンドが待ってるわ。以上」

「・・・」

「あ、勿論愛姫からの伝言だって言ってくださいね。私の名前を言っても分からないですし、愛姫からの方がその女性も嬉しいでしょうし」

「高峰さんは結構辛辣ですよね。しかもさり気なく自分の作品を進めてるし」

「そうですか?普通だと思いますけどね。それより一言一句間違えずに伝えてくださいよ」

「分かりましたよ」

「はぁ、これで誰かさんをからかう事もできなくなるのかと思うとちょっとだけ寂しいですね」

「高峰さんは殺人犯じゃなくても十分に酷い人ですよね」

「無実の人間にあなたが殺したんでしょうとかいつまでも隠し通せると思わないでくださいねとか言った人に言われたくありません」

「・・・」

「ふっ、それじゃあ鳴海刑事、私はそろそろ失礼しますよ。またご厄介にならないことを願ってます」

「ええ、僕ももう高峰さんに関わりたくありません」

「酷いですね。また同じ目に合うのはごめんですけどなかなか貴重な体験が出来て私は楽しかったですよ」

「高峰さんはそうかもしれないですけど僕はあなたに散々振り回されたんですよ関わりたくないと思うのも当然です」

「勝手に私を犯人だと決め付けて勝手に振り回されたくせに酷い言いがかりですね。まぁ、とにかくお世話になりました。さようなら」

「ええ」


 私はこの時漸く日常が帰って来たと思ってほっとしていた。まさかこれがただの始まりに過ぎなかったとは知らずに・・・。




主人公は何だかんだで現状を楽しんで終わりましたが結局恋愛要素は全くないまま1章が終了していしまいました。これ本当に恋愛になるのかな?ちょっと不安になりますね。


青天白日・・・無罪であることが明らかになること。

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