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名前
あの日からというもの・・・
「おい、新人!サッカーやってるか??」
「・・・げっ!」
ダッダッダッダッ・・・
「あ、オイ!!」
小学校の廊下で瑛介くんに会うと、こういう風に毎回声をかけられる。
そして私は全速力で逃げる・・・っていうのが習慣になってしまった。
「はぁ~、疲れた・・・」
っていうか、いつになったら新人呼ばわりやめてくれるんやろ・・・。
「お前、何やってんの??」
「あ、朋くん」
目の前には朋くんがいた。
「瑛介くんを、どうにかしてほしい・・・」
「・・・アイツはそういうヤツやからな」
「本当に、毎日疲れるよ!」
「お前みたいなヤツがおってくれてうれしいんちゃうん?アイツは意外と寂しがり屋やからな」
「・・・そうなんかな??」
「まあな。・・・ところでお前の名前ってなんやったっけ?」
「え??」
まさかの覚えてくれてなかったっていう・・・。
なにこのショックの大きさ!!
「凜!」
「あ、そうそう忘れてた」
「なんでみんな覚えてくれてないの・・・」
「そんじゃーな、凜、今日のバレーで」
・・・?
朋くんが、私の事を名前で呼んでくれた!
「え、あ・・・うん、バイバイ!」




