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4『紅茶狂人へ突撃インタビュー』

めっちゃぐん○ぃに似てた。紅茶狂人。

私は以前、葦原の地下鉄には紅茶狂人がいると言った。地方都市によくある、賑やかな駅の隣の静かな駅に、彼は緑のベンチに座っている。


見た目はYouTuberのバキバキの人によく似ている。ちりちりの癖っ毛で曇った丸メガネをかけている、ダウンを着た三十歳くらいの男だ。太っている。


彼はこの駅を使う人に紅茶を振舞っている。砂糖を入れていないのに理想の甘さというのが彼の触れ込みだ。


緑のベンチいっぱいに彼の道具を置き、常からことことと器具を揺らしている。ドラムみたいなものにくっ付けているのだが、絶対音楽関係者に叱られるだろと思いながら見ている。


「どうして紅茶狂人は、紅茶を淹れようと思ったのですか」


しかもこんないっぱいに。私は目の前に置いてあったカップの山を見ながら紅茶をすすった。おいC。


「生きている間に淹れてみたかったけど、機会が無くてね」


はぁ。そんなことあるのだろうか。お茶を沸かして茶葉に突っ込むだけな気がするが。


「喫茶店やってみたかったんだよね〜」


彼の見た目は三十代で、ここは葦原。意味する事は一つだ。


「……貴方は何をしていた人なんですか?」


「え!?わかんなーいっ!」


……そうだ。彼は紅茶狂人。狂人と称されるのであれば、こうやって気分が変わることもままある。


残り少なくなった紅茶を飲み欲して、私は雨に濡れに行く。

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