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序話[プロローグもとい説明]

 みなさまこんにちは。


 さて、導入もくどいと思いますから、私がどのような者で、ここはどのような世界であるかを説明いたしましょう……。


 私は、神です。

 と言いましても、人間として生まれ、人間として死んだ後に……なんやかんや神になって、世界を作ることにした系の神です。敬えー……敬わなくてもいいですけれど。

 神としての名前はないのですが、(たちばな)と呼んでくださってかまいません。人間だったころの人格をそのまま引き継いでいる、一介の()()ですから。皆様の味方、身近に潜んではいないけれど、世俗的な神様ですよ。


 そして、この世界は……私の欲望の詰まった、理想を詰めたりした世界です。私の理想になってゆく世界です。

 ……少し言い直しましたけれど、(そもそも)私は全知全能では当然ありませんから、理想を理想通りに作り上げるということを容易にはできないのです。理想同士で矛盾が起きることも、私の理想が変化することもありますし、私の中で受け入れられないことや不条理だと感じることを実装せざるを得ないこともあります。

 勿論、完全に理想通りになった訳ではないからこそ、改修は常に入れていますからね。

 しかし、世界を作ることは、理想を詰めることは、矛盾なく、破綻させないようにすることは……あまりにも、本当の本当にあまりにも難しいことなんだと、本当に本当に心の底から強く強く思いましたよ。


 さて、これからのことを具体的に説明をしましょう。

 私は人間として生まれ、人間として育ち、人間として死に、地球の日本というところで生まれ、地球の日本ということろで育ち、地球の日本というところで死んだ、一般日本人でした。そんな日本はサブ・カルチャー大国でありまして、その結果あまりにも一人一人に「小宗教」と呼べるほどの多様な趣味・嗜好・性癖が存在する訳で、私も例に漏れずその様な一人でした。娯楽や想像力に溢れた世界でしたが、一方でその世界自体が楽しいものかと言われれば、理想とは程遠く、楽しくないと言えるでしょう。ですから、それらを糧にして、私は理想的な世界を作ってきました。そして、一通りの改修や調整を終えて、少なくとも幸せかもしれない世界にすることができました。ですから私は、この世界の部外者としての私だったものが、遂にこの世界を体験することができる……。体験しに行くことができるのです。


 その体験しに行く今現在の具体的な世界を簡単に三つ書き表してみると「人間(獣耳種族含む)が唯一の知的生命体として存在する、地球ベースの星がある世界」「魔素という概念と科学理論に基づいた魔法が存在する世界」「SNSなどの楽しくない浪費が少ない世界(技術水準は私の死んだ二〇二〇年近いともいえる)」。しかし、説明は難しいものですね。上記に書いた事を達成するために、人類という種の考えや傾向は元の世界のそれと大きく異なっていますし、他の物事も同様、それらの物事であっても、無限に多角的に書かなけば本質は伝わりませんからね。ですから、言葉はこれくらいに留めておいて、知覚者の方々が実際に多角的に記されるこれを見て、感じた方が、理解が早いことだと思います。(ついで)に娯楽としての世界を提供するということになりますね。


 ……最後となりますが、本当に強調しておきたいのですけれど、理想とは難しいものですよ。地球のある世界に於いて、神様が居るとしたら、何故人間をああ微妙な存在として創ったか……そして何故猫をあそこまで可愛く創ったかが分かるものです。苦労がなくなってしまってはつまらないですし、殺伐としているならこれはこれも辛いのです。もし理解ができなかったならば「理想同士は矛盾し続ける」「理想に終わりはない」ということで伝わるでしょうか。際限のない理想、どこかの段階に於いて理想を追うことをやめなければ、理想を有限の世界に収めることができません。


 さて、この文字は、この文章は。

 私が私の創造した世界にて、私が人間となって、人間の視点に於いて、様々なことをしていくのを私の視点で記していくものです。

 文語といった概念、口語といった概念――そもそも言語という概念自体が神になり吹き飛んで久しいので変な文章にも見えることでしょうけれど。完全な独り言とも言えます。


 では、あとは体験です! 受肉してきますね!

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