1/1
刑事さんは、
初投稿です。何卒。
この地獄を終わりにしよう。
私は台所へ走り咄嗟に包丁を握り構えた。
アイツは咆哮しながら私を追いかけて来た。
体当たりするように包丁を刺す。
アイツは唸り声を上げながら私の頭を殴る。
視界が揺れる。
口の中に血の味が広がる。
アイツの腹に刺さった包丁を何とか引き抜き、もう一度飛び込んだ。
ここで終わりにしなければ。
私を助けられるのは私だけ。
何度も何度も突き刺す。
ここで終わりにしなければ。
白くぼんやりとした視界。荒い息遣い。血の臭い。
動かなくなったソレから包丁を抜く。
地獄は終わったのか。何てことをしてしまったのか。
安堵と焦りが同時に押し寄せ、思わず顔を覆う。
べったりと手に血がついていた。
ハ、ハ、と思い切り走った後のように息が切れる。
「俺が助けてあげようか」
突然現れたそいつは自らを悪魔だと名乗った。
『正義の悪魔』