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亡国王女は諦めない  作者: うさぎ蕎麦
3章「マギーガドル国へ向けて」
38/44

38話

 翌朝、私は頭目と私の従順な下僕となっている山賊と共に、頭目が話していた領主が収める地に向かった。

 太陽が真上に見える、大体お昼位に目的の地へ辿り着いた。畑も少なく道が整備されていると言う事は無い。

 領地である以上村と思うのだけど、道と思える通りはけもの道に近く整備が施されていないみたいだ。

 細かい事を気にしないのか、或いは整備する為につぎ込む予算が無いのか分からないのだけども。

 さて、村の中に入ったのだけど今はお昼にも関わらず外を出歩く人が見当たらない。

 この時間帯ならば何かを買いに行く人、仕事をしている人を見ても可笑しく無いと思うのだけど、それ等の人達は見当たらない。

 その代わりと言っては何だけど、私の視線の先には石像らしき物が見える。

 領主の趣味なのだろうか? と一瞬思ったけれどもその石像らしき物は歩いている姿に見える。

 見世物としての石像ならば、もっと適切なポーズをとっていると思うし、その石像らしき物は辛うじて道路と思える道中にある。仮に石像を設置するならば道路の端や通行人の邪魔にならない場所になると思い、何やら違和感を覚える。


「ここの領主は石像を配置する趣味があるのかしら?」


 どうやら頭目も目の前の石像に対し違和感を覚えているみたいで、私の言葉を耳に入れハッとし、


「俺が覚えている限りそんな事は無い。最も俺がこの村を離れたのは15年以上前の話だからその間に変わったかもしれねぇが」


 つまり、ここの領主はこの15年の間に石像を配置する趣味を見出したのだろうか?

 私は間近な石像の目の前に歩みを進める。

 この石像は、何かに驚いたのだろうか? 目を見開き、口を大きく開いている。

 気のせいか? 何者かの力により石化させられたような気がするのだけども。

 けれど、人間を石化させる魔術の話は聞いた事が無い。

 少なくとも神聖魔法や精霊魔法の中には該当しない。

 可能性があるとするならば邪術だろうけど、その様な魔法の存在を私は知らない。

 知らないだけで存在する可能性はある。後は、マシンテーレの技術の中に人間を石化させる物があるのかもしれない。

 モスケルフェルトの兵が力を使い果たした結果、自らの肉体が石化する可能性も無くも無いけれど。

 セントラルジュ領内で、それ等の勢力がセントラルジュ国民を石化する可能性を考えたらかなり薄いと思う。

 さて、どうしたものか。

 私は少し悩んだ末、毒等に汚染された身体を正常に戻す魔法を目の前の石像に掛けてみる事にした。


お読みになって頂きありがとうございます。


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