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亡国王女は諦めない  作者: うさぎ蕎麦
3章「マギーガドル国へ向けて」
31/44

31話

「なぁ、俺達2人だよな? お頭もくたばっちまった。つまりこれからは俺達の天下だろ?」

「そうだ。目の前には絶世の美女、コイツを手籠めにしちまえば俺達だって花が付くもんだ」


 腐っても山賊か。何ともゲスな事を平気で言っている。


「違いねぇ……へっへっへ、お嬢ちゃん。そんな貧相な得物で俺達をやろうってのかい? 悪い事は言わねぇ、大人しく抵抗を止めて俺達について来いよ、良い思いさせてやるからさ」

「そうそう、俺達はお頭と違って優しいんだぜ?」


 このゲス共の言葉を誰が信じるの? と思いながら、私は冥具でこいつ等の身体を刺す隙を考える。


「そう。ごめんなさい、私は貴方達で実験をしたいだけでそれ以上の関心は無いわね」


 冥具の性能実験をしたいとは言えその剣身が10cmでは心もとないと思った私は聖銃の銃口を山賊に向ける。


「あ、ぐっ、ど、どうせ脅しだろ!?」


 銃口を突き付けられた山賊だが、脅しに対する耐性は高いみたい、ならば仕方が無い。

 私は銃口を山賊の脚部に向け魔力弾を撃ち込む。


「ぎゃあああああいてぇいてぇよおおおおお」


 魔力弾で脚部を撃たれた山賊は、傷口を抑えその場にうずくまる。


「あ、ぐ、こ、この、ひ、卑怯だぞ!!!」


 もう一人の山賊が、ハチェットを取り出し両手で握り締める。

 その手はプルプルと震えており、明らかな恐怖心を抱いている様に見える。


「そう」


 私は、もう一人の山賊もその脚部を聖銃で撃ち抜いた。

 脚部を撃ち抜かれた山賊は、やはりその場で崩れ落ちうずくまる。

これでこいつ等の身動きを封じる事が出来、心もとない剣身に過ぎない冥具の実験を安心して行う事が出来る。


「あ、ぎゃああああ。ひ、人でなし悪魔、お前は人間なのかよっ」

「さぁ? 分からないわ。良いじゃない、どうせ貴方達は無抵抗な婦女子に似た様な事をして来たのでしょう? 因果応報かしら? 山賊風情の価値の無い命が王女の実験台になれるのだから逆に感謝して欲しい位。来世で自慢して頂戴。前世ではクズでゴミで役に立たない命を王女様の実験の為献上しましたと」


 自分でも滅茶苦茶な事を言っている気がする。けれど山賊達の愚行を考える限り同じ女として許せない。勿論国民をぐちゃぐちゃにしてくれた以上王女としても。


「お、王女様!?!?!? へへへへ、あっしらこれっきり心を入れ替え二度と悪さをしませんぜ。ですから、どうぞご慈悲を」

「残念ね。私は王女様だけど、セントラルジュ国は滅びたの。今はマギーガドル国に逃げ延びる情けない王女様よ。それでも貴方達は命乞いをするのかしら?」

「ぐ…………」


 山賊が言葉を詰まらせる。

 思った通り奴等は、王女である私に価値を抱いたものの国を失った王女であるならば価値は無いと判断したみたい。当然、分かっていておもちゃにしているだけだけど。


「安心して、絶対に痛いかは私にも分からないから、もしかしたら苦痛が無いかもしれないの」

 私は冥具の刃で山賊の左腕を軽く撫でる。

 さて、この冥具で斬られた人間はどの様な痛みを感じるのか。

 私としては、普通の刃で斬られた際に感じる痛みと違う痛みを感じると思うのだけども。

お読みになって頂きありがとうございます。


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