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過去に囚われた男
「先輩、私と付き合ってください」
何度目だろうか。仕事が終わった後こうやって告白されるのは
「ごめんなさい。ほかに好きな人がいるから」
そう言って立ち去ろうとろうとすると
「ちょっと待ってください。好きな人って誰ですか?」
「教えたくない」
少しそっけなくしすぎただろうか。まぁ変に付きまとわれるよりはいいだろう
「いいじゃないですか教えてくれても」
「教える必用ないだろ」
「あります!」
異様に元気だな。仕方ない少し教えてやるか
「はぁ、仕方ない教えてやるか」
「ほんとでせすか!」
ほんとになんで振られたのに元気なんだよ。
「俺が好きな人はお前とは違って清楚な感じだよ。品があって周りのことがちゃんと見えてるような落ち着いた人」
「何ですかそれ、私だって周りくらいは見てますよ」
「お前の場合、空気読めなくて何回も空気凍らかせてきただろ」
「そんなことないです!」
「まぁ、そんなことはどうでもいい。俺はもう帰るから」
「あっ、ちょっと待ってください」
最悪だ。思いだしたくないことを思い出した。