14話 商人
こんなことは間違っている。
だってそうだろう。
かたや一生懸命に野菜を育てて売っている
なのにもう片方は売っている野菜をただ値段を変えて売っているだけ
こんなことが通っていいのか
俺のスキル「受け渡し」はお互いが同価値と思うものを交換する。
きっとまたあの商人は男の子のとこに来るだろう。
その時にスキルを発動すればきっと適正な値段で取引が出来るに違いない。
それならきっとあの男の子も喜ぶだろう。
そう思うと夕方が楽しみになった。
少し早めに男の子の様子を見に行った。
もうすぐ夕方になりそうだが、野菜はまだ半分ほど残っていた。
治安も悪く、人通りのすくない、お金のもっていなさそうな人しか通らない、この市場でわざわざ売ることもないのになと思った。
そうしていると、例の商人が現れた。
何度も買いにいるのだろう、よくみると二人は笑顔で話し合っていた。
間に入りづらいが、入っていった。
怪訝そうな顔をしている二人を横目に、話をはじめた
「その取引ですが、値札の値段ではなく、お互いが適正と思う値段でしてくれませんか?」
そういってスキルを発動した。
2人は怪訝な顔をしていたが、スキルを発動した為か、二人は何事もなかったのように取引をはじめた。
しかし取引は値札と同額で取引をしていた。
おかしい、スキルが発動していないのか。
それを確認するためにおれはスキル「信仰心」を獲得した。
これで二人の感情が増幅される。どちらかが我慢しているのであれば嫌な顔をするはずだ。
しかし、二人は先ほどとほとんど変わらない笑顔だった。
男の子は本当にうれしそうに、商人はややいやらしい笑みをしていた。
商人が去った後に、どうしても気になって男の子に話しかけた
なあ、あいつは君から買ったものをそのまま高く他で売っているんだ、おかしいだろう?
そういうと男の子はあきれたような顔で話した
「そんなのしってるさ、でも人が多いところは場所代や許可が必要なんだ、子供だからまともにとりあってももられない、あの商人が買ってくれなきゃ生活もままならない、おれは感謝してくれるんだ、よけいなことはしないでくれよあんちゃん」
そういって男の子は去っていった。
彼は俺なんかよりもよっぽど大人だ。
しっかり商人しているし、あれだけの子供たちを養っている。




